「目は口ほどにものをいう」
おいら達イヌの気持ちも知らないで、人間がやりたがることの一つに、
おいら達をじっとみるってのがある。
そりゃ、大好きな飼い主からみられるのは嬉しいけどさ。見知らぬ
相手からみられるのは人間だってどうよ? いい感じはしないだろ。
歌舞伎町なんかの繁華街に行って、知らない誰かをじ~っとみてご覧よ、
何かが起きるでしょうに。
そう、見知らぬ相手の目をみつめるってのは、いわゆるメンチを切ると
かガンを飛ばすって行為そのものなんだ。みられてるほうは、とっても
ストレスを感じる、やめてほしい行為のひとつってわけ。
「目は口ほどにものをいう」って人間のことわざがあるみたいだけど、
おいら達イヌもおなじだ。
まず、知ってほしいのは、イヌが相手をみつめるのには3つの意味が
あるってこと。
①つ目は、さっき言ったメンチを切るってやつ。挑戦や攻撃を挑んで
いるから、にらみつけるような鋭い目つきになるぞ。
②つ目は、襲われないかと警戒して、相手から目が離せなく
なっちまうときだ。瞳孔が開いてたり、白目がみえていたり、おびえるような
目つきになったりする。
瞳孔が開くのはストレスによるもの。白目がみえるのも同じだ。おいら
達の目は黒目がちなんだけど、ストレスが強くかかると、目を開くように
なるから、なんとなく白目がみえてくるのさ。
ちなみに、かかわりたくないけど気になるって複雑な心理状態のときは、
カラダや顔は相手方向に向けないで、目だけで相手を確認しようとする。
そう、上目遣いになったり、横目でみる形になったりするんだ。
その結果、白目がみえる形になるわけだ。ものを守ろうとするときも、
そうした目つきをするぞ。
愛犬がそんな目つきを頻繁にみせるのなら、あなたからストレスを
感じてるってことかもしれない。
③つ目は、信頼関係の証から相手をみつめてる場合だ。そのときの目は、
キラキラしていて期待に満ちた感じさ。とってもいい関係にある飼い主に
は、おいら達はしょちゅうこの視線を送ってるぞ。
そうなんだ、おいら達の視線一つで飼い主との関係がよくわかるのさ。
ためしに外であなたのイヌにオスワリをさせてみてよ。
飼い主との関係がいいイヌは、喜んで座って、飼い主を見上げてるはず
さ。後で詳しく話すけど、おいら達からいつも視線を送られてるような
飼い主は、幸せ度が高いんだぜ。
え? 仕方なく座った感じで、座ってもよそ見してるって?
それはよろしくないですよ。イヌがいやいやながら座ってる典型的な例だ。
服従関係を求められてる仲間や、力づくでオスワリを教えられた仲間に
よくみられる。
そんな仲間を見てると、かわいそうになっちまうね、おいらは・・・。
備考:この内容は、成美堂出版 西川文二著「もしも うちのワンちゃんが話せたら・・・」
より紹介しました。