ヘッドホン・ステレオは、今や定番アイテム。学生、OL、ビジネスマンに混じり、
オジさん連中も耳にイヤホンを突っ込んでいる光景を見かけるものだ。
まあ、あれは競馬中継を
モノラルで聴いているのかもしれないが・・・。
そのイヤホンやヘッドホンだが、R(右)と、L(左)の表示をきちんと区別してつけて
いるだろうか?反対につけたからといって別に支障もないだろう?というのでは、
あまり音楽を聴く資質がないといえよう。何のためのステレオか?ということに
なるからだ。
人間の耳はかなり優秀で、音の高低や強弱はもちろんのこと、音の方向性をも聞き取る
ことが出来る。大勢、人が集まったパーティーや雑踏の中でも、名前を呼ばれれば どこから
呼ばれたのか見当がつくし、小声で自分のうわさ話をされれば、それも敏感に聞き分ける
ことが出来る。これはコンピューターでも真似できない耳特有の機能で、カクテルパーティー
効果と言う。
そんな優秀かつ敏感な耳だからこそ、ステレオ効果や音の位相にはうるさいのだ。
そもそも、ステレオという言葉自体が立体を指しているのであり、2つのスピーカーやイヤホン、
ヘッドホンから出る音を微妙にずらしたりして、音に臨場感を持たせ、立体的に再生
しているのである。
つまり、RとLをきちんと装着しなければ、ステレオ効果の意味もないし、音の位相が
バラバラになって聞きにくいはずだ。CDやテープの音響ソフトは、レコーディング技師
が音の配置を考えて、一番効果的になるように作ったものなのだから、くれぐれもRとLを
逆にして聞くなんて やめたいものである・・・。
備考:この内容は、コスモ出版 新雑学研究会編 「通勤電車を楽しむ本」
より紹介しました。