移ったもの、残ったもの・・・それぞれの気持ち
2月21日の旧チームKの解散から始まった新体制への移行は、約5か月かけて段階的に
実施された。
チームKに続き、チームBが4月16日、チームAが5月27日に千秋楽を迎える。
新体制のスタートは、チームKが旧チームの千秋楽から3週間後の3月12日。当時の
忙しさを大島優子は振り返る。
「今までで一番大変でした。当時は新曲『ポニーテールとシュシュ』のPV撮影が
重なっていて。それはグアムで撮影したんですけど、選抜に入っていた5人(大島、板野、宮沢、
小野、峯岸)が帰ってきたのが初日の5日前! 5日間で公演の10数曲を覚えるんですも
ん。全然寝ないで朝までやってました。
朝9時から始まって、朝の5時まで。それを3日間とか続けたから、ホント死〇かと
思いましたね。しかも新チームKは、ダンスが得意なメンバーが集まっているし、ダンス
自体のレベルも高くなっていたんで・・・。プレッシャーはありました。新チームの一発目。
しっかりしたものを見せなきゃ、シャッフルした意味がない。しかもこの5人って、前の方に
いるメンバーだから。間違えたらカッコ悪いし。・・・危機感ありましたね」
そんなチームKに続き、チームBも5月21日の新チーム初日に向けて動き出した。旧
チームBから、新チームBへと、移動が無かった平嶋夏海が語る。
「旧チームBはCindy(浦野一美)と私がまとめていく感じだったんですけど、
ほかのチームは、たかみな(高橋みなみ)とか(秋元)才加とかリーダー気質のあるコがキャプテン
じゃないですか!でも、新チームBキャプテンのゆきりん(柏木由紀)はそういう
タイプじゃないから・・・。できれば、年上メンバーが全体的にまとめていく感じがいいなと
思ってたんです。ゆきりんは、なっち(佐藤夏希)とか、とも~み(河西智美)とか、(増田)
友華ちゃんに絶対に強く出れないタイプだから。そこは私がフォローしなきゃと思って
いて。だから、ゆきりんはゆきりんのやりたいようにやってくれたらなって・・・」
新チームBとなった河西智美の証言。
「ゆきりんが不安がっているのはわかっていました。だから私がフォローしなくちゃって。
スタッフさんにも『河西はチームBの裏番長だから。旧チームKのメンバーには柏木も
言いにくいだろうから、そういう時にこそ河西が言うべきじゃないか!』って言われて。
『そうか、私のチームBでやる役割ってそこか!」って。でも、私は尊敬してない人に注意
されるのがすごくイヤなんですよ。そしてみんなもそうだろうなって思って。だからメンバー
から尊敬される人になろうって・・・。『私は公演に対して真剣でいよう』 『チームBで一番
になろう」
って・・・。そうすれば『とも~みって、あんなだけど技術はすごいよね。あのとも~み
がゆきりんのいうこと聞いてるんだから、私たちも…』ってなるかなって・・・」
同じく新チームB、北原里英。
「Bはクオリティが高いですよ。私と香菜ちゃん以外(笑)みんな歌うまい!
(増田)友華ちゃんとか超すごいですよ!近野(莉菜)とか、すぅちゃん(佐藤すみれ)と
かスキル高いですよ。・・・そう考えたら北原は悩みました。1列目にいさせてもらってる
けど、技術面で全然勝ててないんです。だからせめて『一番疲れを見せずに一生懸命に
大きく動こう』って思ってます。チームAにいたときにはなかった感情でしたね」
誰もが、新しい気持ちで新チームへと向かっていた。しかし旧チームに残ったメンバー
たちは、新しいチームへ行ったメンバーに対して複雑な気持ちもあったようだ。
チームK、宮澤佐江。
「チームBのゲネプロ(通し稽古)を見に行ったんです。Bには旧チームから行った
人間が一番多かったので、同じステージに上がってたコを客席から自分が見てるのは・・・
不思議でしたね。やっぱり昔のチームKのコを目で追っちゃうんですよ。その中でも、
とも~みに目が行きました。彼女の頭の中には、きっとまだ”旧チームK”がある状態で初日
を迎えてたと思うんです。なのに『今のチームB 、楽しいんだからね。楽しんでるんだか
らね』って言うのをステージ上から無理矢理にでも伝えようとしてる感じがして・・・。なんか
グッと来ちゃいましたね」
チームAキャプテンの高橋みなみ。
「旧チームAのメンバーが新チームKや新チームBのステージで活動しているのを、
コンサートの時に初めて見たんですよ。すごくイキイキしていていました。特にともちん(板野友美。
チームA→K)は本当に輝いていました。旧チームAとは、まったく違うものを
見せられて…。なんかこう、ちょっと悲しかったですね。それは、Aでそうさせてあげたかった
なっていう気持ちもあったんで・・・。『やっぱり秋元先生が言っていたように、旧チームだと
その輝きが出せなかったのかもしれないな』って。でも、それは逆に勇気にもなりました。
その時、自分たちはまだ新チームになってなかったから不安もあったんですよ。でも、
ほかのチームで輝いているメンバーを見たら、自分たちもこんなふ風になれるんじゃないか
って思ったんです」
つづく
備考:この内容は、文章は2011-4-30発行集英社 週刊プレイボーイ編集部編 「AKB48ヒストリー」 より、
画像は、AKB48友撮より紹介しました。
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