まず、一見して本気度を疑ったほうがいい書評とは。
「書評のページの端に小さくカタログ的に紹介されている本は、ほぼつき合いでの掲載です。
編集者が直接書評を書いている場合も、たいていは単に空きが出ただけ。
ただし、まれに『どうしても自分で紹介したい1』と強烈に気に入っている本の場合もあります」言わずもがなだが、掲載誌と同じ出版社の本の書評、とくに無署名の書評は、部署同士のつき合いで書かれているケースが多い。
イマイチの本でも自社の商品を悪く書く人はいないので、眉にツバをつけて読んだほうがいいだろう。
豊崎さん自身は「ありがたいことに、自分が本当にすすめたい本を選んで書かせてもらっている」とのことだが、さまざまな書評を読んでいて「うーん、苦労してるなあ」と感じることもあると言う。
「たとえば『おそらく童心に帰らずにはいられない』『わたしたちの世代にとっては切実な』『多くの人が共感するかもしれない』といった、はっきり言い切っていない責任逃れができるような表現は、書き手の自信のなさの表われ。