素人には区別がつきにくい「書評」と「批評」の違いについて、豊崎さんはこう言う。
「文芸批評は作家に向けて書かれるものだけど、書評は一読者に限りなく近い立場で書くもの。
それぞれの人の『本の世界』を広げるためにあるのが書評なんです。
新しいジャンルや作家など、未知の領域に足を踏み入れるときのガイドにしたりしながら、もつと貧欲に書評を利用して欲しいですね。
あまり本を読まない人であれば、本を好きになるきっかけの1冊を見つける手助けになれたら、すごく嬉しいです」日々、数多くの本が出版され続けている中、とてもじゃないが全部の本を読むことはできない。
だからこそ、書評家が本当にオススメしている本を見分けることは、本の世界にひそんでいる無限の快楽を知る上でとても有効だ。
ただし、書評家や本との相性の良し悪しは、一朝一夕の付き合いではわからない。
失敗を重ねながら独自の嗅覚を身につけることで、本当に自分が満足できる本に出会えるのだ。