車には牛の世話をする牛飼、随行の従者である車副、
また貴人の通行の際には前方の通行人などを先払いする前駆が従う。
牛飼は牛飼童とも呼び、水干や直垂着用で烏帽子は着けず、
垂髪の童形姿。
10代後半の者が多いが、中年の者もおり、
その場合も童形で牛飼童と呼ばれるのが通例。
車の左右に供奉する車副の人数は、
身分や外出の目的により異なり、
正式には関白、親王で6人などど細かく定められていた。
褐衣に青い単、狩袴に脛巾姿で立烏帽子を被る。
雨除けのシート
雨天には雨皮で車の屋根を覆って使用する。
浅黄色に染めた生絹に油を引いたもので、
これが使えるのは公卿と身分の高い僧侶のみ。
殿上人以下は筵で覆った。
牛歩は時速
キロ
牛車のスピードは、
牛の歩みであるから人の歩行とそう変わらず、
ゆっくりしたもの。
時には何かに驚いた牛が、
牛飼童の制止を振り切って疾走することもあったようで、
車中で人々はあちこちに体を打ち、
振り落とされないよう必死であったことだろう。
なお牛は当時、
貴族にはなくてはならないもので、
贈答にも用いられた。