選挙と音楽と
NHK教育で毎週火曜日夜に放送されている「さかのぼり日本史」が本になったものです。4月は戦後について五百旗頭真氏、5月は昭和の戦争について加藤陽子氏が語り手でしたが、6月は政党政治について、時事放談でもおなじみの御厨貴氏のお話でした。この中で、良い意味でも悪い意味でも原敬が抜群の存在感を示しています。原敬が東京駅で遭難せず、長生きしていたら昭和の歴史はどうなっていたでしょうか。頭の体操としては面白いテーマです。

このシリーズは120ページあまりで、入門書としても、非常に読みやすいのですが、それぞれの語り手の独自の視点も入っており、なかなかです。


「政党の基盤のもろさ――それが軍を台頭させた
歴史には時代の流れを決定づけたターニングポイントがあり、それが起こった原因を探っていくことで「日本が来た道」が見えてくる。官僚依存の政治から脱却できない現代日本。そのルーツは、強固な権力基盤をもちえず、藩閥や軍の勢力に依存することで挫折した、戦前の政党政治にあった。過去の“失敗”を教訓に、今後の日本政治の進むべき道を提唱する。 」