28日には16:27頃、熊本地方を震源(M7.1)とする最大震度7(宇城市と氷川町)の地震が発生した。橋や道路の落下・隆起、貨物列車の脱線・横転、建物の崩壊、住宅・商店の火災が起こっている。イオンモール熊本では爆発も見られた。20~30人の従業員と連絡がとれず、安否が心配される。八代北部地域医療センターによると、今回の地震の影響による負傷者は午後6時時点で50人以上にのぼる。お見舞い申し上げる。

 

29日の高市首相会見(9:58頃)によれば、地震の影響とみられる13人の死亡が確認された。ガス爆発で2階部分を中心に大きく崩壊したイオンモール熊本と、煙突が崩落した日本製紙八代工場(11人が閉じ込められたとみられる)でそれぞれ複数人の死亡や心肺停止が確認されている。宇城市の住宅でも1名亡くなっている。お悔やみを申し上げる。八代北部地域医療センターに来院した負傷者数も84人以上に増えている。

 

29日の熊本NEWS(16:26配信)によれば、「熊本県の災害対策本部」によると、「人的被害は82人で、うち12人が死亡、6人が心肺停止、8人が重症としてい」る。日本製紙八代工場では、11人が閉じ込められ、「7人が救助されたが、5人の死亡が確認」された。イオンモール熊本では、「10人を救助」したが、「3人の死亡を確認。1人は心肺停止で、1人は状態不明」。情報が錯綜していて、まだまだ全貌は見えて来ない。

 

30日の読売新聞オンライン(11:05配信)では、木原官房長官は同日の記者会見で、今回の熊本地震について、「28人」の死亡を明らかにした。31日の毎日新聞(14:19配信)では、死者数は「35人」になった。イオンモール熊本の死者は7人に、日本製紙八代工場も9人に増えた。31日の熊本NEWS(20:47配信)は「死者36人」と報じた。哀悼の意を捧げる。イオンモール宇城では高齢男性が救出されたが心肺停止という。

 

2日のFNNプライムオンラインによれば、「熊本県は、7月28日に最大震度7を観測した地震のあと、車中泊避難をしていた70代の女性が、熱中症の疑いで死亡したとみられると発表した。」(10:43配信)。猛暑の時期だけに、初の関連死だとすれば、やりきれない。「地震による死者は合わせて38人」(同上)と伝えている。また、6月のベネズエラ地震の死者数は「6125人」(3日のロイター、8:06配信)に達した。合掌。

 

3日の朝日新聞の記事によれば、「イオンモール熊本で発生した爆発で、従業員2人が命を落とした雑貨店の運営会社「ハビタ」の幹部が3日、朝日新聞などの取材に応じた。湯瀬剛二取締役(64)は地震後に従業員2人が避難後、店長を通じて2人にレジの売上金を金庫に移すよう求めたことを明らかにした。」(12:15配信)これは人災で、命よりも金を優先した会社の対応で、指示をした会社側に非があるように思われる。

 

21日から25日にかけて、埼玉(熊谷)、岐阜(多治見・美濃)・愛知(名古屋・豊田)・静岡(浜松)・三重(桑名)などでは40度以上の酷暑日を記録した。27度以上のスーパー熱帯夜が当たり前になった。暑中お見舞い申し上げる。エアコンを買って7~8年にはなるため、故障したら大変だと思い掃除を行ったら、冷えがよくなった。せっかくの内部クリーンやフィルター掃除の機能も、いつの間にか作動しなくなっていた。

 

いつまでも買って7~8年と思っていたが、今回、型番を調べてみると、何と12~3年が経っていた。寝室とリビング設置分については、ダイキンのものを同時期に購入しているが、以前から、どちらもリモコンの動作にボタンの接触不良などの不具合が見受けられるため、リモコンのみ買い替えることにした。インターネットで調べると、メーカーでは生産終了となっていたが、何とか、家電サイトで純正の新品を購入できた。

 

25日のABEMA TIMESの記事によれば、「連日続く酷暑の中、かつてなら海に人が集まる季節だが、海水浴客の減少が深刻な状況となっている。1985年には約3790万人に達した海水浴客数は、2024年には約440万人と、ピーク時の約10分の1にまで落ち込んだ。[中略]背景には《暑すぎて海に行く気にならない》《日焼けやベタつきが面倒》《涼しい夏の楽しみ方がたくさんある》といった声がある」(17:00配信)ようだ。

 

確かに、海水のべたつき、裸足だと火傷しそうな熱い砂浜、塩分を含む砂の体へのこびりつき、洒落っ気のない旧来の畳敷きの海の家、泳いだ後の体のどうしようもないだるさ、火傷するほど熱くなった帰りの車内、火傷に近い肩や背中の日焼けと刺すような痛みなど、不快な面も少なくないが、青空に映えるエメラルド・グリーンの海、塩分濃度が高く体が浮かびやすい海、磯遊びの探検的な楽しさなど、捨てがたいものがある。

 

筆者が小学生の頃までは親に連れられて泊りがけで海水浴に行っていた。自身が親になると、長距離ドライブ好きな筆者は、妻子と共に全国の海水浴場を訪ね回ったものだった。泳ぐこと自体よりも、海の匂いや、水浴びや、磯遊びが好きで、年を重ねてからは海に入ってもTシャツなどを着て肩や背中を日焼けから守るようにしていた。今はドライブの歓びを知らない若者も多く、遠くまで赴くのは面倒が先に立つのだろう。

 

25日のブルームバーグ通信によれば、「スペインとフランスは、欧州の山火事が最も深刻な地域となっている。[中略]欧州大陸全体では、32万9000ヘクタール以上が焼失し」(15:04配信)た。26日のFNNプライムオンライン(20:30配信)によれば、避難民は「約37万5000人」に達していた。31日のロイター通信は、「フランス⁠南西部で続いていた山火事で、当局は31日、鎮圧を​発表し」(17:09配信)たと報じた。

 

25日のFNNプライムオンラインによれば、「イタリア南部では、可燃性の液体を染み込ませた布を尻尾に結びつけられた猫が、火を広げるために使われたとする報告があ」(21:18配信)った。動物殺害が前提の放火である。29日の「ねとらぼ」の記事では、熊本地震でガス爆発を起こした《イオンモール熊本》の猫カフェが「猫25匹を全頭救出したことを報告し」(18:25配信)た。前者で寒くなった心が後者で少し温まった。

 

5日の時事通信では、「[渇水でドナウ川の]川底に沈んでいたマンモスの骨やナチス・ドイツの軍艦など《遺物》が露出し」(9:39配信)た。6日の時事通信(14:39配信)では、「ドイツ軍のオートバイも川底から最近発見された。」ハンガリーの唯一の原発も稼働停止を余儀なくされている。7日のAP通信(14:34配信)では、「[ケルンの]ライン川で6日、水位低下によって露出した第二次世界大戦時の不発弾が回収された。」

 

かと思えば、6日の時事通信によれば、「ケニアのリフトバレー(大地溝帯)にあるバリンゴ湖など複数の湖は、少なくとも過去半世紀で見られなかった水準にまで水位が上昇している。中部のリゾート地では、水没した会議場の屋根の上でワニが日光浴をする光景も見られ」(21:32配信)るという。日本も熊被害が拡大しているが、ケニアはワニ被害が増えている。2011年の湖の大幅増水ではカバに襲われて死者も出ている。

 

20日のロイター通信(9:18配信)によれば、「米国とイランの‌攻撃の応酬が激化する⁠中、ホルムズ海峡を通航する船舶数が週末も​低水準にとどまっている」ようだ。LSEGの20日発表のデータによると、「19日の‌通航は4隻と、前‌日の8隻から減少した。17日​以降、少なくとも3隻の石油製‌品タンカーと1隻の超大型原油タンカーが原油積​み込みのため海峡に入‌った。LNGタンカー⁠の通過は16日以降、確認されていない。」

 

20日の中央日報によれば、「米国とイランの間で武力衝突が激化し、国際原油価格が急騰した。世界的原油供給の核心ルートであるホルムズ海峡の物流支障への懸念が大きくなり、ブレント原油価格は1カ月ぶりに1バレル=90ドルを再び超えた。ブレント原油価格が90ドルを上回ったのは6月11日以降で初めてだ。」(12:01配信)ニューヨーク株式取引所のWTI先物価格も同じ時刻に1バレル=85ドルを超えている。

 

20日の共同通信によれば、「米国自動車協会は20日、レギュラーガソリンの全米平均価格が1ガロン当たり4ドルの大台を再び突破したと発表した。イラン情勢の緊迫化で原油価格が再上昇している影響を受けた。米国民の経済的な負担が増え、11月の中間選挙に向けてトランプ政権に打撃となる可能性がある。」(20:16配信)アメリカは国土も広く、日本以上の車社会で、ガソリン価格の高騰は相当、痛手のはずである。

 

21日のFNNプライムオンライン(11:23配信)によれば、「アメリカ軍は20日、イランに対し10日連続となる攻撃を行」った。一方、「イエメンのフーシ派はサウジアラビアへの海上封鎖を宣言し、エネルギー危機のさらなる悪化が懸念され」る。ホルムズ海峡と共に海路交通の要衝である紅海のバブ・エル・マンデブ海峡の封鎖が問題となる。ここが封鎖されるとサウジアラビアからの中東原油の代替ルートもふさがれる。

 

21日のブルームバーグ通信によれば、「イエメンの親イラン武装組織フーシ派がサウジアラビアに対する海上封鎖を実施すると表明したことを受け、日本が調達する原油の3割程度に影響が出る恐れが高まっている。輸送ルートの変更や代替調達などの対応が急務となる。」(13:45配信)現在も、日本は、スエズ運河と地中海を経由し、アフリカ南端の喜望峰を通る大迂回ルートも利用しているが、輸送コストの上昇が懸念される。

 

22日のブルームバーグ通信(16:56配信)によれば、「JMIC[共同海事情報センター]は21日遅くに公表した警戒情報で、《フーシ派はミサイルとドローンの配備を含め、船舶攻撃の準備を完了した》と説明した。フーシ派は今週、サウジアラビアに関係する船舶を封鎖すると表明。サウジへの寄港を控えるよう船主に警告した。これにより、紅海沿岸の輸出拠点ヤンブーからのサウジ産原油輸出に支障が出る可能性がある。」

 

21日の中央日報の記事によれば、「米軍が17日、ヨルダンの空軍基地を標的に発射されたイランの[3発の]ミサイルを迎撃できなかったことが明らかになった。」(8:08配信)22日のテレビ朝日の「ワイド!スクランブル」でも、イランの極超音速ミサイルが米国の防空網をかいくぐったニュースが話題になっていた。同ミサイルは中国・ロシア・北朝鮮が保有するものと同型で、通常の放物線とは異なり速く不規則な軌道を描く。

 

22日のFNNプライムオンライン(11:20配信)によれば、「アメリカ中央軍は21日、11日連続となる攻撃を行い完了したと発表し」た。「トランプ大統領は21日、イランのナタンズ付近にあり地下深くに核施設を建設しているとされる《ピックアックス山》を近く攻撃する考えを示し」た。 これに対し、「イラン軍は核施設が攻撃された場合、アメリカと同盟国のすべての権益を標的にするとけん制し」た。依然、応酬が続く。

 

23日のロイター通信によれば、「イエメンの親イラン武装組織フーシ派は23日、サウジアラビアに対する海上封鎖の一環として、2隻のサウジ石油タンカーを攻撃したと発表した。[中略]紅海では22日、5隻のタンカーがバベルマンデブ海峡を回避するため航路を変更。21日には中国とインド向けのサウジ産原油を積んだ3隻のタンカーがUターンしていた。」(7:10配信)同海峡が通航できないと、スエズ運河経由になる。

 

24日のAP通信によれば、「米国防総省は23日、ホルムズ海峡の航路を巡る衝突が激化するなか、イランに対して13夜連続となる攻撃を実施したと発表した。国際原油価格が1バレル=100ドルを突破する中、イランの支援を受けるイエメンの反政府勢力フーシ派が紅海で、サウジアラビアの石油タンカー2隻を攻撃したと発表したことを受け、イランとの戦争がさらに拡大する懸念が高まっている。」(13:27配信)

 

25日の毎日新聞の記事によると、「イエメン暫定政権を支援するサウジアラビア主導の連合軍は24日、イエメン西部の港湾都市ホデイダにある親イラン武装組織フーシ派の軍事施設を空爆したと明らかにした。」(10:12配信)同日のAFP通信では、「フーシ派は25日、[サウジ連合軍によるイエメン西部の空爆を受けて]サウジ南部の都市ジザンにミサイル攻撃を実施したと発表した。」(13:40配信)戦火は拡がりを見せる。

 

30日のTBS NEWS DIG(13:06配信)によれば、「中東駐留部隊に対する弾道ミサイル発射の報復として、[中略]アメリカ中央軍は、日本時間30日午前9時から、イランへの攻撃を再開したと発表し」(13:06配信)た。米国は24日から攻撃を停止していたが、6日ぶりの攻撃再開となった。なお、トランプ大統領は、イランとの戦闘終結の最終合意に向けた協議は続けるとの考えを示している。引き続き、情勢を見守ろう。

 

2日のテレ朝NEWSによれば、「トランプ大統領は1日、自身のSNSにイランや中東諸国から合意の枠組みがまとまったとして、[大規模]攻撃を見合わせるよう要請があったと投稿した。 合意にはホルムズ海峡の即時かつ完全な開放、イランの核の脅威の終結が含まれるとしている。トランプ大統領はこの合意が速やかに成立することを条件に、イランへの攻撃を中止することに同意したと主張した。」(11:39配信、常体表記)

 

5日のテレ朝NEWS(12:34配信)によれば、「ベッセント財務長官は、ホルムズ海峡の開放を巡るイランとの協議が《5日にも合意する可能性がある》と述べた。[中略]海峡の通航についてAP通信は、関係者の話として、アラビア海からペルシア湾に入る際にはイランが管理するルートを通り、出る際にはオマーンが管理するルートを通ることになると伝えている。」イランは引き続き、通行料代りのサービス料を主張している。

 

30日の朝日新聞の記事によれば、「サウジアラビアに対する《海上封鎖》を宣言したイエメンの親イラン武装組織フーシの幹部が、朝日新聞の取材に応じ、サウジ船舶を直接攻撃の対象とする一方、日本など第三国の船舶は許可を得れば通航を認める方針を示した。」(16:00配信)バブ・エル・マンデブ海峡も、ホルムズ海峡と同じように、日本関連の船舶がタイミングを見計らい、イエメンの許可を得て通航することは可能だ。

 

24日の「乗りものニュース」(8:12配信)によれば、「アメリカのロッキード社は20日、新型迎撃ミサイルPAC-3 ACEを発表した。最大の特徴は既存のPAC-3 MSEの半額程度[約3億円]であること」だ。それでも高い。「廉価版が開発される背景にはウクライナでの防空戦が過酷な消耗戦となっている現実がある。ミサイルからドローンまで安価で大量生産に適した迎撃手段が求められ」る。ウクライナは戦争を一変させた。

 

22日のロイター報道によれば、「ロシア最大のオンライン小売業者ワイルドベリーズのタチアナ・キムCEOは22日、同社の物流センターが再び攻撃を受け、複数人が負傷したと明らかにした。[中略]ワイルドベリーズの倉庫を巡っては、18日にもウクライナ軍のドローンによる攻撃があり、作業員8人が死亡、火災が発生して同社の業務に混乱が生じていた。」(15:40配信)石油施設の次は物流拠点にシフトしたようである。

 

24日のAFP通信では、「ロシア当局とAFPの記者によると、24日未明にサンクトペテルブルク市近郊にあるロシア通販大手ワイルドベリーズの倉庫にウクライナの無人機(ドローン)が着弾して火災が発生し、歴史ある同都市の上空には煙が立ち込めた。ウクライナはここ数週間、ロシアのエネルギーや軍事、物流施設に対する長距離ドローン攻撃を強化しており、サンクトペテルブルクも標的となっている。」(14:58配信)

 

30日のロイター通信によれば、「ワイルドベリーズは7月29日、モスクワの南にあるリャザンの倉庫から従業員を避難させ、商品の受け入れを停止したと発表した。[中略]ウクライナは、無人機(ドローン)でロシアのペルミ、リャザンなどの都市とクリミア半島にある製油所や物流施設を攻撃したと発表した。」(9:36配信)トランプ大統領も、ウクライナの実戦で磨かれた高いドローン技術には、深い関心を寄せているようだ。

 

28日の中央日報は「《二つの戦争》がつながり始めている。[現地時間の]25日、ウクライナがイラン船舶に対してドローン攻撃を仕掛けたため」(6:50配信)と報じた。イラン側は《武力行使を禁じた国連憲章第2条に違反する侵略行為》と反発。ゼレンスキー大統領はイランとロシアの軍事協力を遮断するための攻撃と釈明。日本は両国と親交があり、敵対は不安材料だ。しかも、《二つの戦争》をしかけたのは米露である。

 

23日のオリコンニュース(17:24配信)によると、コラムニストの山田五郎(本名、武田正彦)氏が14日、原発不明ガンにより67歳で死去した。22日、公式YouTubeで発表された。これを受け、NHKの名物番組《ドキュメント72時間》が公式Xを更新し、追悼した。山田氏は2014年から同番組の《年末スペシャル》に出演しており、番組に登場する全ての人に向けられた優しい眼差しが記憶に残る。お悔やみを申し上げる。

 

29日のTHE DIGESTの記事によれば、「スピードスケートで夏冬通じて日本女子最多となる通算10個の五輪メダルを獲得したレジェンド[高木美帆]に新たな勲章が加わる。政府は28日、美帆さんに国民栄誉賞を授与することを正式発表。スポーツ界では14例目で、授与式は8月4日に首相官邸で行なわれる。」(20:24配信)姉の菜那は28日に妹の美帆との幸せの2ショットを自身のXで公開した。美帆さん受賞おめでとう。

 

国民栄誉賞も人数が増えて来たので過去の受賞者(27名+1団体)も受賞順に整理(敬称略)しておこう。王貞治、古賀政男、長谷川一夫、植村直己、山下泰裕、衣笠祥雄、美空ひばり、千代の富士、藤山一郎、長谷川町子、服部良一、渥美清、吉田正、黒澤明、高橋尚子、遠藤実、森光子、森繫久彌、なでしこジャパン、吉田沙保里、大鵬、長嶋茂雄、松井秀喜、伊調馨、羽生善治、井山裕太、羽生結弦、国枝慎吾、高木美帆。

 

1日の共同通信によれば、「31日のニューヨーク外国為替市場の円相場はドルに対して上昇し、一時1ドル=157円24銭を付けた。5月中旬以来約2カ月半ぶりの円高ドル安水準。夕方にかけて円が急伸し、前日比で2円程度の円高ドル安が進んだ。市場では過度な円安を阻止するため、2日連続となる為替介入が実施されたとの観測が出た。」(7:47配信)11兆円から12兆円規模と言われる強力なカンフル剤が利いたようだ。

 

3日のテレ朝NEWSによれば、「トランプ大統領は2日、記者団から円買い介入について尋ねられ、《日本の通貨を支援するためだ。日本は円安で苦しみ、少し助けを必要としていた。我々はいつでも日本のために力になる。日本は真珠湾攻撃を除けば、これまでずっとアメリカに良くしてくれた》と述べ」(7:40配信)た。日本政府・日銀は米国と協調して為替介入を行ったとみられる。3日は1ドル156円台で推移している。

 

19日の男子バレーボールVNLの予選Rアルゼンチンとの最終戦では、石川・高橋・西田の主力がスタメンに戻った日本は、3セット(25-22、25-22、25-16)を連取し、予選Rの12戦を史上初の全勝で締めくくった。21得点の活躍を見せた石川のスパイク決定率も高く、高橋の4本のサービスエースも光る。アルゼンチンもラリーの得意なチームだが、日本はサーブレシーヴの成功率が高く、各選手が随所で相手を翻弄した。

 

男子VNLの予選Rの全日程が19日に終了し、ベスト8(日本、ポーランド、スロベニア、イタリア、アメリカ、トルコ、ウクライナ、中国)が出そろった。男子の決勝Rでは、日本対中国戦とイタリア対アメリカ戦の勝者と、ポーランド対ウクライナ戦とスロベニア対トルコ戦の勝者が決勝でぶつかる。女子はイタリア対オランダ戦とブラジル対日本戦の勝者が決勝でアメリカ対中国戦とトルコ対カナダ戦の勝者と対戦する。

 

29日には男子VNLの準々決勝の中国戦が行われた。第1セットは中国のペースで試合が進み、日本は石川のスパイクがブロックされ23-25で落とす。第2セットも石川がサーブレシーブで崩され、嫌な流れになるが、石川を富田に代えると流れが変わり、高橋の活躍もあって、日本は25-23でタイに持ち込む。第3セットは石川をベンチスタートさせ、富田と西本を頭から出場させると、この起用が決まり25-16で連取する。

 

第4セットは高橋・西田が得点を量産し、ムードメーカーの西本がサーブで流れを引き寄せ、富田は要所でサーブやスパイクを決め、日本は25-23で接戦を制した。しかし、準決勝のアメリカ戦は日本が2-3で敗れ、3位決定戦でも日本はスロベニアに2-3で敗れた。決勝は前回王者のポーランドがアメリカを2-3で破った。決勝Rで勝ち抜くのは難しい。メダルは逃したが、13連勝と楽しませてくれた日本チームに感謝しかない。

 

サッカーW杯決勝のアルゼンチン対スペイン戦は、点の取り合いになった3位決定戦とは対照的にゴールの遠いゲーム展開となった。スペインは延長後半1分にトーレスのシュートで貴重な先制点をあげ、それが決勝点となって4大会ぶりの優勝を決めた。試合は準決勝のフランス戦同様、終始、スペインの圧倒的な優位で進んだ。スペインは20本のシュートを放ったが、アルゼンチンは延長後半ATの2本のみに終わった。

 

サッカーW杯2026が終わり、男子FIFAランクが大幅に変更した。20位までの順位を示そう。01スペイン02アルゼンチン03フランス04イングランド05ブラジル06モロッコ07ポルトガル08ベルギー09オランダ10メキシコ11コロンビア12ドイツ13クロアチア14スイス15イタリア16アメリカ17日本18セネガル19ノルウェー20ウルグアイ。アルゼンチンとの決勝を観た後では、スペインが圧倒的に強く感じられる。

 

サッカーW杯決勝でのスペインの守備に関する元日本代表MFの稲本潤一氏のコメントを取り上げた21日のSOCCER DIGESTの記事で、「《徹底的に潰していた》アルゼンチンの枠内シュート《0本》元日本代表MFが分析、勝敗を分けたメッシ封じ《クリーンなファウルで止めていた》《絶対2人、3人で囲んでいた》」(11:16配信)の見出しが目を引いた。同氏はスペインがメッシを徹底マークしたことが勝因と分析した。

 

23日の東スポWEB(9:45配信)によると、サッカーW杯の決勝で敗れたアルゼンチンでは、不公正審判を巡り決勝戦の再試合を求めて署名運動まで展開している。欧州は同国の行き過ぎたラフ・プレイを非難している。そんななか、24日のCoCoKARA(6:10配信)では、スペインは、優勝賞金の3割(約22億円)の所得税を米政府に持って行かれ、「ぼったくり」と憤慨している。トランプ氏が米国の単独開催を望むわけだ。

 

19日に予定されていたドジャース対ヤンキーズ戦は豪雨で中止となり、20日にダブルヘッダーで行われた。1戦目では、ド軍は3回に大谷とフリーマンのタイムリーで2点を先制する。4回に1点を返されるが、5回にパヘズのタイムリーで1点を加える。そして、8回には、T.ヘルナンデスとエドマンと大谷のタイムリーとフリーマンの犠牲フライで4点をもぎとる。先発の山本は9回2失点で完投し、ド軍は8-2で大勝した。

 

山本先発のヤンキーズ戦は、日本時間の午前1時35分からヤンキー・スタジアムで行われたが、サッカーW杯決勝も午前4時からニューヨークのニュージャージー・スタジアムで行われており、8回にド軍に大量点を奪われると、地元のヤンキーズファンは途中で帰り出し、サッカーの決勝戦の観戦に向った人も少なくないかと思われる。どちらのスタジアムでも、カナダの大規模な森林火災の影響はなさそうであった。

 

ドジャースは20日のヤンキーズとのダブルヘッダーの第2戦は1-2で接戦を落とし、21日のフィリーズ戦も7-10で連敗する。22日のフィリーズ戦では、先発のロブレスキが初回に相手のタイムリーで1点を先制されるが、4回にマンシーの2ランで逆転する。ロブレスキは7回途中1失点で降板し、ド軍はそのまま2-1で接戦を制した。ロブレスキは12勝目をあげた。大谷は3回にヒットを放ったが、走塁死している。

 

22日のFull-Countの記事(6:09配信)によれば、「ドジャースのロバーツ監督は21日(日本時間22日)、左膝の違和感からの投手復帰を目指す大谷翔平選手について、投手としての復帰時期よりも《打者・大谷》としての出場を最優先して判断する方針を明らかにした。」今季の大谷は盗塁を控えているように思われるが、二刀流は体に負担がかかりすぎるのか。HR数トップのシュワバーやアルバレスは既に33本に達している。

 

23日のフィリーズ戦では、ドジャースは、先発のラウアーが2ランを浴び2点を先制されるも、ラッシングのソロ(3回)と2点タイムリー(5回)で逆転する。ド軍は裏に追いつかれるが、6回にはマンシーの2ランで突き放す。8回にはタッカーの犠牲フライと2死満塁からのエドマンの走者一掃の適時3塁打によって4点を加える。フィリーズは8回と9回に1点ずつをとり粘りを見せたが、ドジャースが9-5で勝利した。

 

25日のメッツ戦では、ドジャースは先発の佐々木が2回に相手のソロで先制を許すが、4回にロハスの犠牲フライで追いつくと、今度は7回に大谷の犠牲フライで逆転に成功する。ド軍は8回タッカーの2ランで引き離すと、裏に相手のソロで1点を返されるが、そのまま4-2で逃げ切った。佐々木は7回1失点の好投で、2か月ぶりの4勝目をあげた。大谷はシングルヒット1本と2塁打を放ったが、またもや走塁死している。

 

26日のメッツ戦では、ドジャースは3回にタッカーのソロやパヘズのゴロの間の本塁生還や捕逸で3点をとり、5回にはパヘズのタイムリーで1点を加える。先発の山本は5回に1点を失い、6回で降板する。ド軍は8回に相手の適時2塁打で2点を返されるが、9回はスチュアートが抑え、4-3で接戦を制した。大谷は無安打だったが、3回には相手のエラーで出塁している。山本は11勝目をあげ、日米通算100勝とした。

 

26日のメッツ戦は室内ラン(60分L4通し)のタイミングと重なったため、6回から9回までをテレビ観戦しながら運動で汗を流した。今の時期は冷房をつけていても汗をかける。エアコンを作動させた状態で、室内の温度は26度前後で湿度は35%程度であった。今回はド軍が勝ったが、負け試合は試合を振り返らないようにしている。ド軍の連敗中にも一度、テレビ観戦しながら、室内ラン(60分L4通し)を実施している。

 

27日のホワイトソックス対アストロズ戦では、村上は始球式に出席した両親が見守る中、1回裏に21号となる逆転2ランを打ち、8回にも22号ソロを放った。25日のレッドソックス対ブルージェイズ戦では、岡本が7回に0-4から23号となる3ランを放ち、29日には24号と続いた。30日には村上の23号、1日には24号2ラン、7日には25号ソロも出ている。2人はMLBの日本人の新人HR記録を共に塗り替えている。

 

30日のマリナーズ戦では、ドジャースは1回(パヘズのソロ)、3回(フリーマンのタイムリー)、4回(パヘズのタイムリー)、6回(大谷のタイムリー2塁打)と1点ずつ小刻みに得点し、先発のラウアーは6回無失点の好投を見せ、終盤の8回と9回に1点ずつを返されるが、そのまま、4-2で逃げ切った。ラウアーは6勝目をあげた。この試合で守護神のディアスが怪我から復帰し、9回にリリーフ登板してセーブをあげた。

 

31日のマリナーズ戦では、ドジャースは初回にベッツの適時2塁打で2点を先制すると、4回にラッシングの3ランで3点を加える。ド軍は6回に2点を返されるも、裏にT.ヘルナンデスのソロで1点を追加する。先発の佐々木は6回途中2失点で降板する。大谷は膝の故障の関係でベンチスタートになった。4点差があったが、9回には守護神のディアスが登場し、無失点に抑えた。ド軍は6-2でマリナーズ戦を勝ち越した。

 

31日は午前中に室内ランを実施したが、タイミングの関係で、11:10開始のマリナーズ戦をテレビ観戦したのは運動後になった。エアコンを24度に設定して、部屋の温度計を見ると27度で湿度は37%である。この状態でも十分に汗がかける。ただ、今回は運動前に前日の残りの散らし寿司を腹一杯食べたこともあり、身体が重くきつかった。60分(L4通し)は20分単位×3のインターバルトレーニングのように感じた。

 

2日のFull-Countの記事によれば、「ドジャースは1日(日本時間2日)タイガースから2年連続でサイ・ヤング賞に輝くタリク・スクーバル投手をトレードで獲得した。[中略]スクーバルは2024年に18勝、防御率2.39、勝率.818、228奪三振でリーグ4冠を達成。満票でサイ・ヤング賞に輝いた。昨年もリーグ1位の防御率2.21をマークし、2年連続で投手最高の栄誉を手にしている現役最強左腕だ。」(12:32配信)

 

4日のカブス戦では、ドジャースは初回にエドマンの3ランで3点を先制するが、裏に鈴木の19号2ランで2点を返され、2回、3回も連続2ランで、3-6の劣勢となる。ド軍は4回にエラーで1点を返すも、カブスは5回にもソロHRで突き放す。先発のロブレスキは5回途中7失点で降板する。ド軍は6回にT.ヘルナンデスのソロで1点を加えるが、裏に3点をとられる。ド軍は5-10でカブスに敗れ、4連敗となった。

 

午前9時過ぎから行われた4日のカブス戦は室内ランのタイミングと重なったため、同試合をテレビ観戦しながら、いつもの60分(L4通し)のメニューで始めた。この日は食事前で体も軽く、調子がよかったが、20分経過後、「業者が電気給湯器の交換に来る」と家内が言って来た。大急ぎで運動を中止し、シャワーを浴びた。数日前から給湯器の故障で水風呂に浸かっていた。猛暑の時期なので、水温が生ぬるく助かった。

 

5日のカブス戦はド軍に電撃移籍した2024年と25年にサイ・ヤング賞を連続受賞の現役最強左腕投手スクーバルの初先発ということで、楽しみにしていた。ながら観戦のタイミングも合い、前日に室内ランが20分で中断を余儀なくされたこともあり、残り40分を消化することにした。イメージ的には20分のインターバルを2回という感じである。運動後には足指近くまで毛細血管が伸びているのを確認するようにしている。

 

ドジャースは、2回にタッカーのソロで1点を先制するが、3回に相手のソロで同点に追いつかれ、6回にホーナーのタイムリーで逆転される。スクーバルは6回2失点の内容で降板する。ド軍は継投に失敗し、7回に2本の適時打で2点、8回には調整登板からか3点ビハインドでマウンドに立った守護神のディアスが1発を浴びる。結局、ド軍はそのまま1-5で敗れ、5連敗となった。スクーバルはいきなり負け投手となった。

 

本戦の中継中に60代の女性から質問が届いた。「球種の見分けがつかないが判別法は?」田口壮氏は即答した。「自分たちにもよく分からない」筆者の少年時には、ストレート、カーブ、シュート、ドロップの4種類しかなかったが、現在はフォーシーム、ツーシーム(シンカー)、スライダー、カーブ、スプリット(フォーク)、カットボール、チェンジアップに加えて、スクリューボール、ナックルボール、スイーパーまである。

 

6日のカブス戦では、ドジャースは初回に大谷の25号ソロで先制するも、先発のラウアーが4回6失点で降板する。ド軍は7回にも1点を失うが、8回にマンシーの3ランと大谷の2ラン(26号)で1点差に迫ったが、6-7でカブスに敗れ、レッドソックス戦に続く2カード連続の3タコで今季ワーストの6連敗となった。カブスの先発は今永で、5回1失点の好投を見せ勝ち投手となった。このゲームは3:20開始で観ていない。

 

8日のダイヤモンドバックス戦では、ドジャースは2回にアレナドのソロで先制を許し、5回にもベルドモの適時3塁打で2点目を奪われる。先発の佐々木は6回2失点で降板する。ド軍は6回から8回まで1点ずつ小刻みに得点し逆転に成功するが、9回に抑えのディアスが逆転サヨナラ2ランを浴び、3-4で敗れ、ついに泥沼の7連敗となった。D.バックスの5番指名打者にはカージナルスから移籍のヌートバーがいた。

 

10:40から開始された8日のD.バックス戦は、室内ラン(60分L4通し)のタイミングと重なり、ながら観戦となった。冷房をつけても、室内は26度だが、湿度は36%と過ごしやすい。しっかり汗もかける。以前は30分を2セットのつもりで進めていたが、現在は20分を3セットのつもりで実施している。1時間の中負荷の運動は何よりも血流を活発にする。運動後に足の毛細血管の発達を見ると、それを肌で感じられる。

 

大相撲は26日に千秋楽を迎え、関脇安青錦が3場所ぶり3度目の優勝を果たした。安青錦、大関霧島、関脇熱海富士の3人が12勝3敗で並び、三つ巴の優勝決定戦となった。安青錦は持ち前の低い姿勢から霧島と熱海富士の二人を寄り切った。横綱大の里は9勝6敗と勝ち越しはしたが、依然本調子ではない。横綱豊昇龍は13日目に熱海富士に敗れてから霧島戦を負傷休場し、7勝7敗で今場所を終えた。寂しい限りである。

 

3日のALBANetの記事(3:34配信)によれば、2日のゴルフの全英女子オープンで、23歳の桑木志帆がプレーオフを制して初優勝を果たした。おめでとう。「2019年の渋野日向子、昨年の山下美夢有に続く日本勢3人目の全英V。日本勢による海外メジャー優勝は、樋口久子、渋野、笹生優花、古江彩佳、西郷真央、山下に続く7人目の快挙となった。[中略]優勝した桑木は150万ドル(約2億4000万円)を獲得した。」

 

休み期間中はなるべくゆったり過ごしたいので、室内ランは60分(L4通し)を週1、2回程度にしてある。ただし、運動の間隔が空き過ぎると、心肺能力が低下して、余計にきつくなるため、その前にランニングを開始するようにしている。人間は8年単位で老化が進むと言われる。確かに、8年前と比べると、体力も免疫力も下がった気がする。この種の段階毎の急激な老化には慣れが必要である。無理をせずに、乗り切ろう。

 

今週の映画紹介はビリー・ワイルダー監督のモノクロのハリウッド喜劇作品『お熱いのがお好き』(1959)の第1回である。主演はマリリン・モンロー(1926-62)、トニー・カーティス(1925-2010)、ジャック・レモン(1925-2001)である。「アメリカの喜劇映画ベスト100」の1位にあがっていたので、ぜひ観ておきたいと思った。前回まで本ブログで紹介していた同監督の『アパートの鍵貸します』(1960)は20位である。

 

夜のビル街を時代がかった自動車が何台も走っている。霊柩車に見える1台の頑丈そうな車が大写しになる。車内には花飾りを載せた棺をはさんで2人の黒装束の男性が無言で向かい合っている。今度は運転席側からの車内の大写しになる。運転席と助手席の2人も同じ服装で、4人とも黒い帽子を被っている。パトカーのサイレンが聞こえ、後ろの2人は窓から背後を覗き込む。1台のパトカーらしき車両が後ろから追ってくる。

 

助手席の男が運転者に合図を送る。どうやら、パトカーは霊柩車を追跡しているようだ。警察車両には6人が乗っており、4人が両側から銃を撃ちまくっている。1発が後ろの窓を貫通し、フロントガラスを突き破った。後ろの2人が車の天井を開くと、5挺のライフルが収納されている。彼らは2挺とって、反撃し出した。激しい撃ち合いのカーチェイスが始まる。霊柩車が大写しになる。細かい彫金細工状の模様が目を引く。

 

彼らのライフルの銃弾がパトカーに当たり、スリップ旋回してとまるが、警官らはまだ霊柩車を撃ち続けている。後ろの2人が棺桶に目をやると、銃撃で開いた2つの穴から何かの液体が噴出している。彼らが棺を開けると、中に納められていたのは亡くなった人ではなく、数十本の酒の入った瓶であった。禁酒法時代(1920-33)のマフィアによる酒の密造がらみか。ここでようやく、《1929年、シカゴ》という字幕が入る。

 

パトカーの追跡をかわしたのか、霊柩車が単独で走って来て、葬儀場の裏手に車を横づけする。ギャングらは後ろのドアを開けて酒瓶の棺桶を降ろし建物内に運ぶ。最後に一味の1人が外の様子を確認しながら、裏口のアコーディオン鉄扉を閉める。直後にパトカーが建物に近づく。総勢7名の警官が車から降りて周囲を取り巻き、建物内の様子を窺う。彼らが近づく建物の先には、モッツァレラ葬儀場の看板がかかっている。

 

ここで台詞が入る。刑事と密告者が車から降りて話をしている。「チャーリー、あの店か」「ええ」「もう一度、経営者の名を」「スパッツ」「合言葉は?」「《婆さんの葬式だ》《棺を運びに来た》と」「よし」警官が来て刑事に指示を仰ぐ。「いつ突入を?」「見つかったら消されちまう」とチャーリー。「消えな」と刑事。密告者が去ると、刑事は警官に指示を出す。「5分後に全員で踏み込め」そう言って、刑事は単独で葬儀場に近づく。

 

場内では演奏担当の男性がオルガンを弾いている。刑事は店内に入る。支配人が対応する。「いらっしゃいませ、何か?」「《婆さんの葬式だ》」「お見かけしませんが」「旅に出てた。《棺を運びに来た》」「礼拝堂へ。3番にご案内」店員が案内する。先ほどの演奏担当がオルガンのツマミを回すと、横の隠し扉が開く。扉の奥は違法営業のナイト・クラブになっている。中央の大鏡越しに客に混じって踊り子らの動きが見てとれる。

 

「やっとるな」刑事はナイト・クラブに立ち入る。生バンドの演奏と共に、6人の女性ダンサーが陽気に踊っている。刑事が席に座ると、ウェイターが注文を聞きに来る。「ご注文を」「酒だ」「コーヒーだけで。スコッチとか、カナダとか」「スコッチのデミタスだ」コーヒーとは名ばかりで、中味は酒であろう。ウェイターが下がろうとすると、刑事は呼びとめる。「待て。ほかの席はないか。あそこは?」「あれは親族用でして」

 

オルガン横の隠し扉から、マフィアと思われる黒装束の男たちが入って来る。酔っ払い客がコーヒーカップに入った酒をボスの足元にこぼす。彼の独特の真っ白な靴下に液体がかかる。4人の手下が飲んだくれにつかみかかると、彼は叫ぶ。「コーヒーのお代わりだ」酔っ払いは外につまみ出される。マフィアのボスと手下は予約席に腰を下ろす。親分は汚れた靴下に目をやり、手下の胸からハンカチをとって、靴下の汚れを拭う。

 

刑事の席にウェイターが注文したドリンクを運んで来る。「警察が来たら?」「葬式に?」「警察は野暮だから」踊り子たちとバンドの奏者たちの大写し。奏者たちのなかに主人公らが混じっている。サックス奏者のジョー(トニー・カーティス)とベース奏者のジェリー(ジャック・レモン)である。踊り子たちの脚の動きの大写し。彼らが話している。「ジョー、今夜だな」「何が」「給料日さ。助かった。明日、歯医者に行くから」

 

「4か月ぶりの給料を歯に?」「金歯にはしないよ」「金歯?」「部屋代もたまってる。パン屋にも。洗濯屋にも踊り子にも借金してるんだ」「確かに。明日少しずつ払うさ」ジョーは細かく畳んだ新聞の切れ端のようなものを手にとって読んでいる。「いや、ドッグレースに有り金を全部賭ける」「おれの給料もか?」「ウサギ係から確実な情報が入る」「ウサギが何だ」ドッグレースでは犬は兎を追う。「勝てば10倍になる」「負けたら?」

 

「この仕事があるんだ」「なければ?」「物事を悪いほうに考えるな。交通事故とか、株が下がるとか、ドジャースがブルックリンを離れるとか」刑事は左手に葉巻を持ちながら、警察バッジを胸から外して、葉巻の筒に何かをを注ぐような仕草をする。「洪水になるとか」「ここも沈没らしいぜ」とジェリー。刑事は葉巻を咥え、バッジを両手でいじってから胸につける。ジョーとジェリーは警察バッジを見て、顔を見合わせる。

 

摘発だとわかったのか、2人は早々に楽器をケースに入れ、退散する用意をする。刑事は時計を見て口ずさむ。「4、3、2、1」警察の突入が始まる。外へ通じる非常用の出入り口が外から斧で壊される。女性客や踊り子らは悲鳴をあげて逃げ惑う。刑事が叫ぶ。「静かに、警察だ。全員を逮捕する」先ほど、マフィアの男たちにつまみ出された飲んだくれが叫んでいる。「コーヒーのお代わりだ」禁酒法時代ならでの光景である。

 

警官がぞくぞくと押し寄せる。ジョーとジェリーは楽器の入ったケースを頭上に載せてそそくさと退散する。刑事はいかつい顔のマフィアらが腰を下ろしている席に近づいてボスに言う。「スパッツ、出かけるか」「どこへ」「酒の密造者が引退して入る別荘だ」「入らんよ」「いい所さ。シマ模様のスパッツを作ってやる」「笑わせるぜ」テーブルにはコーヒーカップの酒ではなく、全員、ミルクの入ったコップが予め置かれている。

 

「容疑は?」「86度のコーヒー[下線筆者]を飲ませた罪だ」86度はコーヒーの温度ではなく、アルコールの度数であろう。「おれはただの客だぜ」「お前が経営者だってことは先刻ご承知だ」「経営者?初耳だ」「情報が入った」「チャーリーからか?」「チャーリー?初耳だ」刑事はコップを取って匂いを嗅ぐ。「ミルクだ。商売ものには手をつけないか。立て」「税金の無駄だぜ」「弁護士を呼ぶか」「みんなそうさ、ハーバード出だ」

 

店の外では飲んだくれがまだ叫んでいる。「コーヒーをもう一杯」彼が千鳥足で人垣をうまくすり抜け、路地裏に来ると、客や従業員や踊り子らが警察に追われるように駆け込んでくる。羊と羊飼いの追っかけっこのようだ。主人公らは2階の非常階段の踊り場からその様子を見ている。警官らが裏通りにいなくなったすきに、2階から梯子を伸ばす。下には霊柩車が停車しており、2人はその屋根に飛び乗ってから下に降りる。

 

主人公らは建物の陰に隠れてコートを着込む。ジェリーがジョーに言う。「支払い先の心配がなくなった」「うるさい」「部屋代もパン屋や踊り子の借金返済も、全部パアだ」「黙れ。コートでいくら貸すかな」「おれのコートを犬にはやらないぞ」「絶対、確実なんだ」「零下だぜ、凍えて肺炎になる」「明日には20着も買ってやるから」給料がパーになったジョーはジェリーのコートを売ってドッグレースの賭け金にするつもりだ。

 

場面が切り替わる。舗道には雪が積もり、防寒着姿の人々が寒そうに歩いている。2人はドラッグストアの前を通り過ぎる。とある建物の両開き扉の入り口付近でジェリーがジョーに話しかけている。「話に乗ったおれが馬鹿だった」「うるさいよ」「楽器のほうが幸せだよ」吹雪が吹き荒れている。2人は人でごった返すなかをくぐり抜けて建物内に入る。彼らは《キーノート音楽事務所》とガラス扉にある1室を最初に訪れる。

 

室内では秘書が暇そうに顔を直している。ジョーが彼女に声をかける。「仕事は?」「ないわ」彼らは隣室に向かう。そこには《アメリカ音楽コーポ―レーション》の文字が読み取れる。ジョーがドアを開けると、そこにも暇そうな秘書が何かのドリンクを飲んでいる。「仕事は?」「ないわ」「もう歩けん」とジェリー。「腹は減るし、熱は出るし」「金持ちになれるんだ。ゴーストって犬がいる。15倍だ。泥のコースが得意でね」

 

「首でも質に入れるか」「ベースだ。サックスと」「バカ言え。メシの種だぞ」「勝手に飢えて死んじまえ」2人は次の仕事の斡旋先に向い、ドアを開けると、開口一番「仕事は?」今度の秘書はいかにも仕事をしてますといわんばかりにタイプライターを前に置いている。「あんた、よくも顔が出せたわね」ジョーはおっかなびっくりの表情でドアを閉める。ガラス扉には《シグ・ポリアコフ》とある。奥から女性の声が呼びとめる。

 

「ジョー、来て」ジョーは仕方なしに再びドアを開ける。「ネリー、土曜の夜は事情があって」そばにはもう1人秘書の女性がいる。「何よ、あたしは髪をセットして」とネリー。彼女は何故かジェリーのほうを向いて話している。「ネグリジェを着て、ピザを焼いて。どこにいたの」ようやく、彼女は自分の背後に回っているジョーのほうを向く。「だれと?」とジェリー。「お前とさ」とジョー。「えっ?」ジェリーは寝耳に水である。

 

「虫歯でさアゴがはれ上がったんだ」ジョーは目くばせのようにジェリーの前で頬を丸くふくらませて見せる。「アゴが?そうそう。病院へ運んで輸血した」ジェリーも途中からジョーに話を合わせる。「同じ血液型だ」「O型だ」ネリーは不機嫌そうに話を聞いている。「埋め合わせる」「口先ばっかり」「仕事を見つけ次第ごちそうするよ」ジョーは彼女の頬に鼻先をつけて、甘く囁いてキスをする。ネリーは少し機嫌が直る。

 

「仕事はないかな。困ってるんだ」とジェリー。「そう言えば、ベースとサックスの仕事が」とネリー。急に彼女の調子が変わる。「ねっ」ネリーは隣の同僚女性に同意を求め、ウィンクを送る。同僚も話が通じたように「ねっ」と答えて、ウィンクを返す。何やらいわくがありそうだ。「どこ?」とジェリー。「フロリダ」とネリー。「マイアミのリッツ、経費は先方持ち」「すごい。すぐ契約を」「[社長は]いま来客中よ。待って」

 

社長室では社長のポリアコフが電話で話をしている。傍らには、度のきつい眼鏡をかけた中年男性が椅子に座って書類に目を通している。デスクの前には中年女性が電話の話に耳を傾けている。「フロリダで3週間、女だけの楽団だけど、ベースとサックスを。ポリアコフが頼んでる」女性は落ち着かない様子で、室内を行ったり来たりしている。「聞いてるのか」社長はぶっきらぼうに電話を切る。女性は困惑した顔をしている。

 

「マラソン・ダンスで112時間演奏して寝込んじまった」と社長。「情けない」と女性。横のマネージャーらしき男性が社長に尋ねる。「コーラは?」「救世軍で働いてるらしい」社長は再び電話をかける。「ドレクセル9044」女性が言う。「バカな女!全部用意していざ出発というときに、サックスは駆け落ち、ベースは妊娠」[下線筆者]そう言って、彼女は社長室の壁にかかった《女性だけの楽団》の集合写真を眺めている。

 

下線部は面白い凝った言いかただが、サックスとベースは人名でも楽器を単純に擬人化したものでもなく、それぞれの楽器を演奏する担当者の女性を示している。これは修辞学では換喩と呼ばれる表現法である。女性はマネージャーに言う。「あんた、クビよ!」「マネージャーは見張りじゃない」社長は電話で話している。「ベシーを頼む。交響楽団?」女性は心配そうに電話の話に耳を傾けている。「本当か?」ボスは電話を切る。

 

社長が言う。「ストコフスキとだ」「あの女が?」と彼女。「たいした出世だ」マネージャーが口をはさむ。「ローズマリーは?」「バレンチノの後追い自殺」と社長が言う。「今日中に探さないとこっちが自殺よ」と彼女。今度はマネージャーが社長に言う。「何としても2人を8時の汽車に乗せろ」「任せてくれ。見つけたら電話する」と社長。「これじゃ胃が痛くなるわ」彼らが部屋を出ると、社長はまた電話をかける。「長距離を」

 

先の男女と入れ替わりにジョーとジェリーが社長室に入る。いきなり、2人は話を切り出す。「話がある。フロリダの」「仕事?」「いま聞いた。おれたちに」「笑わせるな。出てけ」社長は再び電話で話す。「ニューヨークのモリス氏を」ジョーが社長に言う。「探してるんだろ」「君らは落第」社長は電話に戻る。「モリス氏を」今度はジェリーが訴える。「なぜ落第?」「格好が違う」「背中を曲げるのか」とジョー。「背中じゃない」

 

「条件は?」「25歳以下で」「合格だ」「金髪で」「染める」「女だ」ジェリーは女でも構わないような素振りを見せるが、ジョーがたしなめる。「ダメだ」社長は電話に戻る。「モリス氏だ」ジェリーが社長に確認する。「女のバンドか」「ネリーをぶっ殺してやる」とジョー。「女に化けりゃいい。去年もイヤリングを着けたり、腰ミノ姿で演奏したよ」とジェリー。「酔ってるのか?」と社長。「腹ペコで頭がイカれたんだ」とジョー。

 

「フロリダだぜ。衣装は借りればいい」とジェリーが食い下がる。「カツラもか」「そういうこと。名前もジョゼフィンとジェラルディンにしてさ」「ジョゼフィン?来な」2人が社長室を去ろうとすると、ボスが彼らを呼びとめて言う。「イリノイ大学はどうだ?聖バレンタインのパーティーがある」「やる」と乗り気のジョー。「1人6ドルだ。8時にアーバナで」「1晩だけの仕事で?」とジェリー。「コートを1着、請け出せる」

 

社長は電話で話す。「モリスさん?ポリアコフだ。サックスとベース奏者を回してくれ」2人は社長の電話の話を聞いている。「ジェラルディン」とジェリー。社長室を出ると、ジェリーはジョーに訴える。「この雪の中をどうやって?」「考えるさ」「どうする」「せっつくな」ネリーが尋ねる。「どうだった」「ぶっ殺してやる」とジェリー。「ひどいことを言うな」とジョー。さっきとは反対である。ジョーには何か魂胆があるようだ。

 

「今夜はヒマ?」とジョー。「どうして?」「いい話なんだ」ジョーは鼻先を近づけてネリーに甘く囁く。「ヒマだけど」「本当?」「家で冷たいピザを食べるだけよ」「1晩中、家に?」「ええ」「車は使わないね」ジョーは彼女から車を借りようという魂胆のようだ。「車?何よ」彼女は怒り出すが、ジョーがその口をキスでふさぐと、大人しくなる。「何てスゴ腕だ」とジェリーは視聴者に語りかけるように、ジョーに感心して見せる。

 

画面が切り替わる。また雪の舗道が映される。また吹雪いている。手前には「チャーリーのガレージ」の文字が目につく。あのときの密告屋の車預かり所だろうか。2人はガレージ方向に歩いて来る。彼らは屋内駐車場に入る。「フロリダで3週間だぜ。太陽、ヤシの木、トビウオ」とジェリー。さっきの仕事があきらめきれないようだ。「あきらめろ」駐車場の隅では男たちがポーカーをしている。「ストレートか、8のペアか」

 

ガレージの男たちは2人に気づくと、なぜか一斉に立ち上がり銃口を向ける。「捨てろ」「何を?ネリーの車を取りに来たんだ」従業員が2人の荷物を調べる。6人の男は銃を突き付けたままだ。従業員が言う。「楽士でさ」「脅かしやがって。続けよう」「グリーンのクーペで」とジョー。「こっちだ」と従業員。「燃料は?」「そうだね、40セント分だけ」「ネリーのツケ?」「そうだね、満タンにしよう」とジョー。厚かましい。

 

そのとき、1台の車が激しい音を立ててガレージに突っ込む。車内からマシンガンを手にした男たちが出てきて言う。「みんな、手を挙げろ」カードをしていた男たちは一斉に手を挙げる。「壁側に」[チャーリーに向って]「お前もだ」主人公らは怯えた様子で車の陰に隠れる。銃を持った男の1人がガソリンを入れていた従業員のほうを振り向く。先日のマフィアのようだ。「おい、お前もだ」従業員は手を挙げて壁のほうに進む。

 

マフィアの手下らは車内にいるボスの指示を仰ぐ。ボスが車から降りて来る。足元が映し出されると、例の真っ白の特徴的な靴下が目につく。違法営業のナイト・クラブで酔っ払いに靴下を汚された男である。「チャーリー、しばらく」「スパッツ、何しに?」「お礼に来たよ」チャーリーは警察への密告者である。「何の?」「おれの葬儀屋を友達に紹介したな」「何の話だ」「棺桶が余ってな、無駄にしたくねえ」「おれは関係ねえ」

 

「残念だな」ボスはテーブルの上のカードをいじりながら言う。「8が3枚だ。消えな」「やめてくれ、スパッツ」ボスの合図で4挺のマシンガンが一斉に火を噴く。主人公らは7人の殺害の現場を目撃する。「吐きそうだ」とジェリー。そのとき、ネリーの車の給油口につながっていたホースが外れ、燃料が床にまき散る。その音で、運悪く、彼らに気づかれる。「出てこい」とボス。2人は手を挙げて姿を見せる。次回へ続く。

 

ワンコネタを挟もう。18日から19日にかけて、ワンコの様子がおかしくなった。何度も食べた餌を戻した。これまでも吐いたことはあったが、その後はすぐに元気になるため、放っておいても大丈夫であった。しかし、今回は事情が異なる。お湯に浸した餌を与えてみたが、やはり吐き戻してしまう。いつものような元気がない。ぐったりと横たわっていたかと思うと、吐き気か便意を催したかのように、急にそわそわし出す。

 

20日の月曜は祝日で動物病院も休みで、翌21日にかかりつけの獣医さんの診察を受けた。検査をすると、腸に食べものか何かが詰まっていて、そのために後から食べた餌が胃から逆流していた。脱水症状もあり、皮下点滴を行って、様子をみることになった。寝室のエアコンをワンコに適した温度に下げて、ストレスを与えないように、ワンコを静かに横たわらせていた。しばらくして、トイレが臭いと家内が言ってきた。

 

トイレを調べると、廊下付近でアンモニア臭が強くなる。寝室横にはワンコの簡易トイレスペースもあるが、その臭いとは異なる。寝室に戻りかけると、2階のトイレ前の奥に強烈な臭いの元があった。最初はワンコの嘔吐物かと思ったが、下痢便であった。腸に詰まっていたものが一気に出たものと思われる。ワンコはその後、再び元気になった。犬仲間のワンコにも2匹に同じ症状が出ており、細菌性の病気かもしれない。

 

電子楽譜ネタに移ろう。東海林太郎の「丹下左膳の唄」(1935)では、『歌謡曲大全集』の原譜の譜頭にテンポの目安を示す音楽記号の記載はなく、原曲の演奏時間(3:18前後)に合わせると、2分の2拍子の曲で、150に落ちついた。原譜は完全譜のはずだが、Codaに対応するto Codaの位置が1小節ほど前にずれていた。また、原譜どおりだと、助奏の影響か後奏の一部のフレーズで音長の帳尻が合わず、助奏を取り払った。

 

フランク永井の「哀愁ギター」(1957)では、『歌謡曲大全集』の原譜の譜頭にテンポの目安を示す音楽記号の記載はなく、原曲の演奏時間(3:26前後)に合わせると、4分の4拍子の曲で、80に落ちついた。原譜は完全譜で、曲の構成面や歌詞の音配当に大きな問題はなかった。電子楽譜化の途上で、「かなでるギター」の歌詞に当てられた「ギター」の最後の長音がエに変わる問題が発生し、当該箇所の長音記号をアに換えた。

 

和田弘とマヒナスターズの「泣けるうちゃいいさ」(1959)では、『歌謡曲大全集』の原譜の譜頭にテンポの目安を示す音楽記号の記載はなく、原曲の演奏時間(3分前後)に合わせると、4分の4拍子の曲で、84に落ちついた。原譜は完全譜で、曲の構成面や歌詞の音配当に大きな問題はなかった。昭和歌謡はやはり、3分前後が一番しっくりくる。同書の見開き頁にはザ・ピーナッツの「可愛い花」(1959)が収録されていた。

 

舟木一夫の「まだみぬ君を恋うる歌」(1964)では、『歌謡曲全集』の原譜の譜頭にテンポの目安を示す音楽記号の記載はなく、原曲の演奏時間(3分半前後)に近づけると、4分の4拍子の曲で、102に落ちついた。原譜どおりだと、セカンドDSが正しく機能しなかったため、閉じる反復記号の位置までずらしてからファイルを作成し、後で手作業で4小節ほどの不要部をカットした。最終的な演奏時間はぴたり3分半になった。

 

春日八郎の「大阪の灯」(1965)では、『歌謡曲全集』の原譜の譜頭には「感情をこめて」の指示はあったが、他にテンポの目安を示す音楽記号の記載はなく、聴いた感覚に頼り、90に調整した。電子楽譜の演奏時間は3分半前後となった。原譜は不完全で、DSに対応する※も抜けていたため、前奏を第2間奏として反復させた。半音記号(♯)抜けの音符が1箇所に見つかった。4♯のホ長調の曲で、不協和音に注意していた。

 

橋幸夫の「哀愁のはてに」(1966)では、『歌謡曲全集』の原譜の譜頭にModerately(中間テンポで)の指示があり、原曲の演奏時間(4分前後)に近づけると、4分の4拍子の曲で、110に落ちついた。原譜どおりだと、DSが正しく機能しなかったため、閉じる反復記号の位置までずらしてからファイルを作成し、後で、7小節ほどの不要部をカットした。最終的な演奏時間は4分強になった。雰囲気があって筆者好みの曲だ。

 

バーブ佐竹の「別れ酒」(1966)では、『歌謡曲全集』の原譜の譜頭にテンポの目安を示す音楽記号の記載はなく、昭和歌謡の一般的な演奏時間(3分前後)を想定しながら、聴いた感覚に頼り、80に調整した。原譜は不完全で、原譜どおりだと、3番歌唱後、第3間奏への移行がうまく行かなかったため、そのままファイルを作成後、手作業で7小節ほどの不要部をカットした。本曲はヒットした「ネオン川」のB面曲である。

 

三島敏夫の「君に逢いたい」(1966)では、『歌謡曲全集』の原譜の譜頭には「哀愁をこめて」の指示はあったが、他にテンポの目安を示す音楽記号の記載はなく、一般的な演奏時間(3分前後)を想定しながら、聴いた感覚に頼り、4分の4拍子の曲で、110に調整した。原譜は不完全だが、単純な構成で、曲の構成面や歌詞の音配当に大きな問題はなかった。三島の声は筆者の少年時から「人妻椿」などで耳に残っている。

 

西田佐知子の「通り過ぎた恋」(1969)では、レコードジャケット裏に記載された前奏・間奏・後奏・助奏のない1番歌唱分の不完全譜をPDFにしてから、スコアメーカーに読み込ませた。本曲は「くれないホテル」のB面曲である。原曲の演奏時間は4分前後だが、電子楽譜化においては、聴いた感覚に頼り、4分の4拍子の曲で、84に調整した。インターネット上では歌詞情報も見当たらず、1番歌唱のみの提示となった。

 

園まりの「捨て煙草」(1969)では、『歌謡曲全集』の原譜の譜頭にはモデラートの指示があり、原曲の演奏時間(3:20前後)に合わせると、4分の4拍子の曲で、スコアメーカーのモデラートの上限値である108に落ちついた。原譜には「DS後8小節間奏」の指示もあり、2番歌詞と3番の反復歌詞まで追加入力してから、手作業で歌詞の不要部をカットした。曲の構成面に問題はなかったが、一部に不自然な歌詞があった。

 

中山千夏の「とまらない汽車」(1969)では、『歌謡曲全集』の原譜の譜頭にはモデラートの指示はあったが、原曲の演奏時間(3:12前後)に合わせると、4分の4拍子の曲で、110に落ちついた。原譜は不完全で、曲の構成もふだん目にする昭和歌謡のものとは異なっており、2番と3番の歌詞を1番と対応させながら追加入力するのに苦しんだ。おまけに、長音の音配当がわかりにくく、原曲を参考にして少しずつ作業を進めた。

 

北島三郎の「誠」(1970)では、『歌謡曲全集』の原譜の譜頭にはSlowlyの指示があり、スコアメーカーの初期設定ではSlowに引きずられるかたちで、60に設定されたが、このままではかったるく感じられ、必ずしも伴奏が電子楽譜と一致しないように思われる原曲の演奏時間(4:10前後)に近づけると、4分の4拍子メインの曲で、78に落ちついた。4番歌唱まであるため、数値1の反復記号に数値3の反復記号を加えた。

 

大石悟郎の「旅に出るあいつ」(1972)では、『歌謡曲全集』の原譜の譜頭にテンポの目安を示す音楽記号の記載はなく、聴いた感覚に頼り、4分の4拍子の曲で、スコアメーカーのデフォルト値である120のままとした。最終的な電子楽譜の演奏時間は3:20前後となった。原譜は不完全だが、曲の構成面や歌詞の音配当に大きな問題はなかった。天地真理や桜田淳子の底抜けに明るい曲を多く手がけていた森田公一の作曲による。

 

牧村三枝子の「夫婦きどり」(1979)では、『歌謡曲大全集』の原譜の譜頭にテンポの目安を示す音楽記号の記載はなく、原曲の演奏時間(3:15前後)に合わせると、4分の3拍子の曲で、82に落ちついた。テンポが1発で決まらず、96から始めて、84、80と電子楽譜の演奏時間をその都度、確認してから、先のテンポに微調整した。原譜は完全譜で、電子楽譜化において、曲の構成面や歌詞の音配当に大きな問題はなかった。

 

石川さゆりの「鷗という名の酒場」(1980)では、『歌謡曲大全集』の原譜の譜頭にテンポの目安を示す音楽記号の記載はなく、原曲の演奏時間(3:50前後)に合わせると、87に落ちついた。本曲も1発でテンポが決まらず、96から始めて90、84と6刻みで作成した電子楽譜の演奏を確認してから、ようやく先のテンポに微調整した。原譜は完全譜で、電子楽譜化において、曲の構成面や歌詞の音配当に大きな問題はなかった。

 

埼玉県民謡の「川越舟唄」(年不詳)では、『日本民謡事典』(全音楽譜出版社2012)によれば、「川越から江戸へ物資を運ぶ高瀬舟は、[中略]米なら三百五十俵積めた。新河岸川水路から荒川を経て江戸の浅草花川戸に至る九十九曲がり、三十六里の水路を通った。《川越舟唄》は、この往来の乗客にせがまれたり、眠気覚ましに歌われた《新河岸川舟唄》のことだ。[中略]この舟唄は《千住甚句》とも呼ばれ」(同書306頁)る。

 

埼玉県民謡の「秩父音頭」(1950)では、『日本民謡事典』(全音楽譜出版社2012)によれば、「元唄は《豊年踊唄》で、大正時代まで歌われた歌詞は余りにも卑猥な文句で、時の官憲より歌唱を禁止されたこともあり、このままでは腐ってしまうと憂えた[地元の]医師金子元春[伊昔紅]の並々ならぬ努力があって、今日の普及になった。1950年4月、《秩父豊年踊》を正式に《秩父音頭》と改め」(同書308~310頁)た。
 

千葉県民謡の「木更津甚句」(成立年不詳)では、『日本民謡事典』(全音楽譜出版社2012)によれば、「この唄は江戸末期、江戸の花柳界で流行した《二上り甚句》が木更津化したもの。[中略]1915年頃、木更津生れの芸妓若福が、新橋烏森の花柳界で歌って復活させ、再び流行して全国的に知られるようになった。1951年頃から黒田幸子がこれをレコード化して以来、東京流の型を作り上げたともいわれている。」(同書313頁)

 

千葉県民謡の「九十九里大漁木遣唄」(成立年不詳)では、『日本民謡事典』(全音楽譜出版社2012)によれば、「九十九里浜は、千葉県北東部の行部岬から太東崎までの南西約66キロ続く、遠浅の砂浜海岸である。この唄はその九十九里浜の南端、長生郡一宮町の海の守護神玉依姫命を祀る《玉前神社》に参詣する氏子たちによって歌い広められた木遣り唄で、大漁、海上安全への祈願が込められている。」(同書316頁)

 

千葉県民謡の「銚子大漁節」(成立年不詳)では、『日本民謡事典』(全音楽譜出版社2012)によれば、「1864年の春、銚子沖に鰯の大群が現れ、銚子は空前の豊漁に沸き上がり、鰯の山が築かれて歩くことのできないほどの騒ぎが起こった。そこで銚子の漁師たちは大漁祝いを盛大に催すことになったが、当時は祭りを盛り上げる唄も踊りもなかった。」(同書318頁)地元の3人が歌詞を合作してできたのが《大漁節》である。

 

 

例によって、歌三昧のアップ曲で、視聴数の多いものを3曲ほど貼り付けた。