汽笛の音が田園地帯に響く。
「貴婦人」の愛称で親しまれるSLの黒い車体に西日が差し、大きな車輪は黄金色に輝いた。
JR盤越西線の新津駅と会津若松駅を結ぶ「SLばんえつ物語」。
阿賀野川沿いや山間など風光明媚(めいび)な区間を走る。
牽引(けんいん)するC57型180号機は、昭和21年に製造され、信越線などを走っていた。
全国的な電化やディーゼル化の流れを受け昭和44年に引退。
その後、旧新津市立新津第一小学校で保存されていた。
転機は平成9年。
有志が「SL C57180号を走らせる会」を結成、復活を望む声があがった。
保存されていた車体の状態がよかったことも復元を後押しした。
平成11年4月180号機は「SLばんえつ物語」として第二の人生を歩み始めた。
例年、週末を中心に4~12月上旬まで運行している。
180号機は今年8月で製造から80年、「傘寿」を迎える。
今年度の運行終了後には定期検査も控える。
これからも鉄道文化を未来に伝えようと、新たな物語を紡いでいく。