来年は、日本でラジオ放送が始まってから1世紀の節目であるそうだ。
関東大震災から1年半ほどの1925年3月22日、今のJR田町駅近くの学校にあった急ごしらえのスタジオから発せられたようだ。
世界初の米国から遅れること4年余。
英国やドイツにも先んじられた。
1936年、日本での二・二六事件の際には、決起した部隊に投降を促す戒厳司令官名の「兵に告ぐ」が放送された。
1941年末には真珠湾攻撃と開戦のニュースに国民が歓喜した。
そして、1945年8月15日終戦の詔書が昭和天皇の肉声で放送されている。
戦後、テレビが各家庭に普及する1960年代半ばまで、ラジオは娯楽の主役を張った。
「君の名は」などのドラマ。
農林漁業者向けとして始まり、今は暮らしの便りでつづる「ひるのいこい」そして、時代を彩った数々の歌謡曲も各家庭に届いた。
やがて、テレビがお茶の間を席巻するのと軌を一にして、半導体の活用で小型したラジオは、家族ひとりひとりの傍らに寄り添うようになった。