北海道十勝岳連峰の山麓の広がる美瑛町。

 

秋蒔き小麦の畑。

 

収穫を終えた場所には、大きな円柱状の「麦稈(ばっかん)ロール」がぽつんぽつんと転がり、風に乗って乾いたわらの香がするそうだ。

 

この牧歌的な風景が、地元では夏の風物詩なのだとか。

 

麦稈ロールは刈り終わった畑に残った麦わらを専用機械で巻き集めたもので、直径が1メートル50センチほどもあるようだ。

 

地域の酪農家らに届けられ、敷きわらとして牛や豚の寝床に使われる。

 

続いて始まった春蒔き小麦の収穫は今月初旬に最盛期を迎える。

 

刈り取りの時を待つ黄金色に輝く大海原のようで、ここも実りの秋の景色に似ているようだ。

 

連作障害を防ぐために基本的には同じ畑で2年続けて同じ作物は作らない。

 

小麦、ジャガイモなど区画ごとに異なる農作物の彩りが織りなす、「パッチワーク」のような丘陵の景色。

 

植える畑を年ごとに変える輪作によって、おのずとパッチワークの絵柄も毎年変わる。

 

初夏、一面に広がっていた緑のグラデーションが、季節が進むにつれて黄金、赤色と、その色を変えていく。