国内の養殖クロマグロ主要産地の長崎県五島市で、豊田通商が採卵からふ化、育成まで一貫して行う完全養殖に取り組んでいるそうだ。
近畿大学の協力を受けており「近大マグロ」として首都圏などに出荷している。
長崎市から約100キロメートル離れた海域に浮かぶ五島市の福江島。
同島西部の入り江に、豊田通商の100%子会社でクロマグロの養殖を手掛けるツナドリーム五島が設置した養殖いけすがある。
大きさは直径30メートルで深さ約15メートル。
いけす内を泳ぎ回るのは、すぐ近くの施設でふ化させたクロマグロ。
世界で初めて完全養殖に成功した近大の技術を利用している。
課題はさらなる生産効率の向上。
体長数十センチメートルのクロマグロの幼魚「ヨコワ」は低水温では成長が遅いため、海水温の高い沖縄に着目。
国内2拠点目として開設したツナドリーム沖縄と、ツナドリーム五島とを連携させて養殖する取り組みを2015年に始めた。
沖縄まで運んで養殖を続けることで、成長が五島の2倍早くなるという。
今後も生産効率向上と品質向上に取り組んで養殖業界における「黒毛和牛」を目指すそうだ。