風を送って笛のように空気の振動で調べを奏でるパイプオルガン。
日常生活と縁遠い楽器と思われがちだが、国内には約千台あるとされ各地で演奏会も開かれているようだ。
プロの演奏家から学ぶ講座が人気を博すなど日本固有の文化も芽吹きつつあるようだ。
パイプオルガンの魅力はパイプを組み合わせることで、暖かく優しい祈りに似た歌から壮麗・荘厳・地響きのような大音響まで様々な音で音楽を編める点にあるようだ。
ひとりでオーケストラに匹敵するシンフオニックな音世界を創造できる。
元々はキリスト教と歴史的に深いつながりがあり、日本では馴染の薄い楽器だったが、近年、愛好者が増えているようだ。
横浜みなとみらいホールでも、高校生以下を対象に「10代のためのパイブオルガン・レッスン」を開講しているそうだ。
3月の「オルガン道場」には修了生の小中高生が客席を埋めた観客の前で練習の成果を披露したようだ。
日本のコンサートホールに林立したオルガンは、期せずして日本独自の文化を育んだ。
ただ、公共ホールの建て替えもままならない自治体がある中で、「市民のオルガン」の未来は決して楽観的ではいられないようだ。