古代から「たたら製鉄」で繁栄した島根県。


刀剣や包丁にも使われる高級鋼ブランド「ヤスキハガネ」を

求めて、世界中から自動車メーカーの技術者たちが殺到する

工場が、県東北部にあるという。


その工場は日立金属の特殊鋼製造拠点、安来工場。


この工場で造っているのは、最先端の自動車工場で使われる

金型の母材。


日立金属が開発した、この金属を使うだけで金型の寿命は

最大7倍延ばせるという。


この鋼材を実用化したカギは、内部の金属組成。


鋼材の硬さや伸びにくさを左右するのは、主成分の1つで

ある炭化物で、この粒子が小さく内部に均一に散らばるほど

鋼材は硬く変形しにくくなるのだそうだ。


この「ヤスキハガネ」シリーズの新製品は、これまで日立金属に

見向きもしてこなかった欧米の自動車部品メーカーが次々と

採用。


一時は海外メーカーにお株を奪われた日本の金型業界。


しかし、金型に新たな価値を与える素材の登場でその潮目も

変わりつつあるようだ。