高千穂の夜神楽の起こりは、鎌倉から室町時代にかけてと
伝えられる。
コメやキビ、アワを手に秋の収穫を祝う「五穀」のように、農業と
関係が深く神楽が終われば、今でも農家は神楽飾りの「御幣」を
田畑に突き刺し、翌年の豊作を願い、手を合わせるそうだ。
高千穂町内は、ほぼ全ての集落に子々孫々と受け継がれ、
30地区の保存会、約480人の舞い手がいるという。
所作は師匠の動きから目で見て覚える伝承方法が数百年続く。
本来は神事。
だが高千穂神社の神楽殿では各地区が交代で出演し、観光客向け
に神楽を公演しているそうだ。
40年以上、一日も休むことなく継続。
この恩恵で高千穂の夜神楽ファンは拡大し、各集落の里神楽にも
40年ほど前から観光客が来るようになったそうだ。
神事の夜神楽で地元の人々の結びつきが深められ、観光で舞う
神楽では高千穂の農村文化発信に貢献しているようだ。