明治38年、米国カンザス州出身の青年が、滋賀県の今の
近江八幡市にある県立商業学校に英語教師として赴任。
彼の名は、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ。
彼が大学生のとき、カナダで開かれたYMCA関連の集会で
講演を聴き、アジアのどこかの国でキリスト教を通して社会教化の
一翼を担おうと決意し、YMCAの紹介で近江八幡に来たようだ。
教師を辞めた後、近江兄弟社の前身、ヴォーリズ合名会社を設立。
米国から輸入販売の権利を得た塗り薬「メンソレータム」の販売収益で
学校や病院などを建て、キリスト教の普及に尽力し、全国で千数百の
建物を設計したという。
学校、教会、住宅、病院、ホテル、百貨店・・・・・・。
平成26年、兵庫県西宮市の神戸女学校の校舎12棟が、ヴォーリズ
の設計した建物で初めて国の重要文化財に指定されたそうだ。
近江八幡市慈恩寺町のヴォーリズ記念館は、彼が妻と暮らした木造
2階建ての気品のある建物とのこと。
ヴォーリズ建築は彼が器をつくり、建物に愛情を注ぐ人たち、
その精神に共感する人々が一緒に育てたようだ。
彼の建築は、今も多くの人々に愛されているという。