Because of you…38 | Qpのブログ

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こんなエログにお付き合い頂ければ嬉しいです♥

父の容態は一進一退を繰り返していた。
思った以上にガンは速く進行している。

調子がいい日が続くと、医者から止められているお酒を病室で飲む。
その度に病院に呼び出され主治医から、こっぴどく怒られるのはこっちだった。

「父さん!いい加減にして!私も暇じゃないのね?こう度々呼び出されたんじゃ~困る!」

病人相手にキツく言った。

「そんな事言ったって…食事はお粥ばかりで味気ないし…」

「あのね!今までの不摂生のせいなんだから自業自得でしょ!」

分かってる…食事が美味しくない事くらい…だけど…胃潰瘍としての治療なんだもん…仕方ないじゃん…。

「あれ?母さんは?」

この所、病室に顔を出しても居ない事の方が多い。

「俺がたいした事ないからって、寄り付きもしね~よっ!」
父が吐き捨てるように言った。

「そう…」
何やってんだろ?
後で実家に寄ろうっと決めていた。

「いい?今度、お酒飲んだら病院出されるんだからねっ!もう飲んじゃダメよっ!」

そう言い残し病室を出た。

…それからしばらくして…お酒だけでなく、食事すら取れなくなった…首からは中心静脈栄養の管が入れられる…。

こんなに早くこうなるんなら、あんなにキツく言うんじゃなかった…もっと好きなもの食べさせてあげれば…そう後悔しても仕方ない事を悔やんでいた。

「もっ…もしもし?ジウン?」

仕事でしばらく病院に顔を出せない日が続いたある日、母が慌てた声で電話をかけてきた。

「母さん?なに?」

「…父さんが…また吐血したって…」

「え?」

「今、病院から電話があって…」

「で?母さん、今どこ?」

「仕事だよ」

…あの日…私が何度目かの病院からの呼び出しに応え主治医にお酒の注意を受けたあの日…帰りに実家に寄って始めて母が仕事をしてる事を聞いた。

「母さんが仕事?専業主婦だったのに?」

「これから一人で生きて行かなきゃ…だからね」

「入院費は心配いらないでしょ?」
…私が払ってるもの…。

「生活費の事だけじゃないんだよ…今まで、父さんに甘えっぱましだったからね~。お父さんが居なくなってからじゃ~何もする気になれないと思うんだよ…今から仕事してれば、お父さんに何かあってもシャンっとできるだろ?」

…それは自己中心的は母が考えた、珍しくまともな選択だった。

「そう…で?何するの?」

「前々から友達からお店を手伝ってくれないかって言われてて…」

「そう…いいんじゃない?」
社交的な母には合ってるっと思った。

「いつから?」

「実は、もうしてる…」

「え?それで父さんの所に行ってないのね?」

「あ~…父さんと顔合わせるのも辛いし…」

「父さんは仕事の事知ってるの?」

「言ってない…言ったら笑われる」

ん?笑われる?怒られるじゃなくて?

「世間知らずの私が仕事なんて…絶対にお父さん笑う…そして心配するよ」

「心配?」

「お父さん…自分の事はさておき私の心配しちゃう…で…疑問に思うだろうね…何で今更仕事?って…何度もお父さんから仕事したら?って言われていたのに断ってきたから…」

私…今まで、父さんが母さんに仕事させないんだって思ってた…自分に無関心な母をワザと家って言う箱に閉じ込めているんだと…。

「この事でお父さんに病気の事を勘付かれたくないんだよ…」

「そ…そうね…」

「だから、お父さんには黙ってて…ちゃんと、お父さんいなくても大丈夫って安心させてあげれるまで…」

懇願にも似た母の頼みだった。

「分かった…」

私には理解出来ない父と母の関係…母の知らない父さんがいるように、私の知らない父さんがいる…。

*********************

「ジウン?…」

「ドンウク?久しぶり。どうしたの?こんな時間に珍しいね」

朝、出掛ける支度をしてる時に電話がかかってきた。
ドンウクの声を聞くのは、あの日以来。

「今、大丈夫?」
いつになく真剣な声。

「うん…どうかした?」
本当は仕事に行く前に父さんの病院に寄るつもりだった。

「明日…」

言いにくそうにしてる…珍しい。

「なに?」

「明日…俺達の事がマスコミに流れる」

「え?!!」

「今日1日だけ社長が記事を抑えた」

「どういう事?」
恐る恐る聞く。

「2人で旅行に行った時、バスローブ姿で撮った写真あったろ?」

…あ…一昨年イタリアに行った時。

「あれと、他数枚がマスコミに流れる…ハッキングされたみたいだ」

「ハッキング…」

「対策を話し合わなきゃいけない…ジウン…これから事務所に来れる?」

話し合いって…これから別れを切り出す相手とのスキャンダルについて何を話し合うと言うのか…。

「分かった…仕事の方は何とかする。ただ…父さんの病院には行かせて」

「おじさんの具合…悪いの?」

「うん…あまり良くない…」

「そうか…分かった…俺、先に事務所行ってるから」

「分かった…じゃ~後で」

電話を切っても尚、胸がドキドキしてる。
どうなるんだろう…これから…。

大きな波に呑み込まれる…そんな錯覚を持った。

あ…ジヨン!
急いでジヨンに電話する…。

………ダメだ…出ない…。
この時間に起きてるワケないかっ。

シンガポール公演を終えて帰ってきたばかりだもんな…。

メールを入れようとも考えたけど、話しがややこしくなりそうで辞めた…それに何より私がジヨンの声を聞きたかった。

話し合いの後からでもいいかっ…そう思い携帯を置き、途中だった支度を素早く済ませ病院へと向かった。

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