腫れた顔と重い体のまま、トレーニングルームへやってきた。
まだ誰も来ていない。
パーカーのフードを目深に被り、ランニングマシーンのスピードを思い切り上げて走る。
みんなのトレーニングの合間に自分のトレーニングも欠かさなかったから、簡単なトレーニングでは息が切れる事はない。
でも、今日はさすがに苦しい…手足が思うように動かず重かった。
「はい!これ♬」
笑顔でタオルを差し出してくれたのはセブンオッパだった。
「あ…ありがとうございます」
渡されたタオルで汗を拭く。
「いつからアスリートになったの?w」
「へ?」
「だって…ヨンべやテソンも真っ青のスピードだったよw」
「あ…」
うつむく私の顔を、いつもみたく覗き込むオッパ。
「何かあった?目…赤いけど?ジヨンとケンカでもしたの?」
「あ…いいえ…違います。大丈夫です」
そう言ってオッパの横を通り過ぎようとした時、腕を強く掴まれた。
「イヤーー!!!!」
自分でもびっくりするほどの大きな声。
「あ…ゴメンゴメン、そんなつもりじゃなかったんだ」
困った顔のセブンオッパ。
体が強張り、震える手を自分で押さえる。
「ご…ごめんなさい」
冷たくなった汗を流しにシャワー室に向かった。
*********************
ひゅーーーーーーーっ はぁーーーーーーーーーっ
シャワー室を出る時にスイッチを入れる。
さぁ、みんなが来る時間。
頑張ろう!
さっき大きな声を出して驚かせてしまったセブンオッパの所に行き、黙ってランニングマシーンのスピードを上げるw
「なに?なに?」
慌てるオッパに
「さっきはスイマセンでした」
っと頭を下げた。
「うん、スイマセンでした~はいいけど、どうしてスピードが上がるワケ?」
「ふっふっふw…お詫びで~すw」
「げ?おかしくない?それ!日本ではそうなの?」
息を切らしながら話すオッパに
「ファイティーーーンwwwあと3分で~すw」
っと声をかけた。
いつものお返しだもんw
それに…照れ臭かった…素を見られたみたいで…。
…その後も代わる代わるトレーニングサポートをし、忙しく動いていた。
動いている間は何も考えずにいる事が出来た…。
いつもの時間に、いつもようにヨンべがやって来て、いつもようにトレーニングして…いつもようにっが有難かった。
夕方…トレーニングには似つかわしくない格好でタプがやってきた。
手にはバナナのミルクセーキ。
「ほら!」
「あっ…これ…」
「何も食べてないでしょ?」
あ…そう言えば。
「これなら入る?」
「うん…でも、何で?」
「あ…前にジヨンが、そんな事を話してたのを思い出した」
「ありがとう」
「じゃっ」
「え?じゃって…トレーニングは?」
「今日はいい…やめとくw」
後ろ手で手を振って行ってしまった。
ふっwわざわざ、この為に来てくれたのかぁw…有難かった。
あっという間に1日が終わり…今日はまだ少し明るいうちに会社を出た。
重い足取りでマンションへと向かう。
マンションの下から自分部屋を眺めると部屋に灯りがついていた。
一瞬、心臓がバクバクして体が強張ったが、すぐにジヨンだと分かった。
そう言えばメールで私の部屋の写真を送って来たっけ?
エレベーターは使わず階段で5階まで上がり、部屋の前で後ろを何度も振り向く。
誰も居ない…ホッとして鍵を開けて部屋に入るとジヨンが抱きついてきた。
「ヨコーーーー♬おかえりw」
「ただいま…今日は早いんだね」
「うん、明日から少し忙しくなって、なかなか会えないから充電しに来た♬」
「そう…忙しいって…海外?」
「うん、それもある」
ジヨンが私の腰に腕を回し引き寄せる。
「それに…ヨコもNOLZAの日本公演の準備で忙しいでしょ?」
「ん…まぁ…」
「もうすぐだもんね。俺も行くから、また、あっちでデートしようか?今度こそ階段で昇る!」
「ふっwまた東京タワーに行くの?」
「ダメ?だって…ヨコ、言ってたじゃん…空が近い所に俺と行きたいって…」
「覚えてたの?」
「忘れないよ」
お互いの視線を絡めながらキスをした。
徐々にジヨンの息が荒くなる。
耳…首…肩にキスを落とし、服の上から体のラインを指でなぞる。
んっ/////
服の下に指が滑り、下着のホックが外され私の膨らみはジヨンの手の中で弄ばれていた。
んっーーー/////
ジヨンが私の腕を掴んで寝室へと連れて行く。
心臓がバクバクして…苦しくなってきた。
私をベッドに放おり投げ覆いかぶさるジヨン。
私の両腕はジヨンの左手で抑えられ、右手では足を持ち上げられまさぐられていた。
「イヤ…」
息が…息が…出来ない!
尚も足を割って入って来ようとするジヨンに体が硬くなった。
「イヤ…イヤ…やめてーーーーーーーー!」
私の大きな声に驚いたジヨンが、すぐに体を離した。
「ヨコ?どーした?」
手足が痺れて動けない。
唇も痺れて声が出ない!
酸素を欲しがる魚のように、パクパクするだけ…辛うじて「カバン」って言葉をジヨンに伝えた。
「カバン?カバンな!待ってて、今持って来るから」
リビングにあったカバンを持って来てくれた。
「ほら!ヨコ、カバン!何が欲しい?」
痺れてる手をカバンの中に入れ、ペーパーバックを探す。
あれ以来、毎日持ち歩いてる。
一度なると続く事があるからだ。
「ん?これ?紙袋が欲しいの?」
うんうん。
無言で頷く。
痺れる手で鼻と口を塞いでゆっくり呼吸をする…。
ふぅーふぅーふぅー…
少しずつ体の自由が戻る。
心配そうに覗き込むジヨンの頬を、痺れが取れて来た手で力なく触る。
「ヨコ…大丈夫?俺…ゴメン」
「ゴメンね…びっくりしたよね。もう大丈夫だよ」
息を整えながら話した。
ジヨンに抱かれたいのに…あの男に記憶を…感触を消したいのに!
体が…心が…言う事を聞いてくれなかった。
「ヨコ?今日は、もう寝よう…こうしててあげるから」
そう言ってジヨンは私に腕枕し、ギュッと抱きしめた。
「ゴメン…ジヨン」
iPhoneからの投稿