我が家で作った日本の伝統料理や郷土料理の中で圧倒的に多いのが「汁物」だ。
しばらくはそうした「汁物」からリストアップしようと思う。
まずは、「船場汁(船場煮)」から。
「鯖の船場汁」は大阪の問屋街・船場で商家の奉公人に食べさせた惣菜料理が始まりといわれ、一昔前の大坂の商家でよく食べられていた。
塩鯖のあらを大根などと煮た「潮汁」で、「早い」「安い」「量が適当に増やせる」、しかも「うまい」という重宝な汁物だ。
鰻の頭(半助)の入った「半助鍋」と並んで、普通なら捨てられてしまうような部位を無駄なく活用した大阪の商家らしい「始末の料理」の代表的汁物だ。
<鯖の船場汁を作る>
かなり前だが、この船場汁を作った日のメインのおかずは「鯖の味噌煮」であった。
つまり、この「船場汁」に使った鯖は、「味噌煮」の残りのあらと一部の切り身であったのだ。
本来は塩鯖を使う料理だが、新鮮な鯖が手に入るなら自分で塩をしたほうがよいのではないかと思う。
<材料>
鯖のあらと切り身
大根
生姜(絞り汁)
昆布
塩、酒、薄口醤油、胡椒
<手順>
*まず、鯖のあらと一部の切り身に塩をする。
*数時間おいた塩鯖のあらの部分と身の塩を洗い落とし水けを拭き取る。
*身とあらをボールに入れ熱湯を注ぎ、表面の色が変わるまで静かにかき混ぜる。
*昆布を敷いた鍋に水と身、あらを入れ火にかける。沸騰したら弱火にかけ、あくをとりながら7~8分ほど煮る。
*身を取り出し、汁をこす。
*火に戻し、塩、薄口醤油、酒で味を調える。鯖の身を戻し入れ、短冊切りの大根を加え軟らかくなるまで煮る。
*最後に味を確認し薄ければ塩で味を調え、生姜の絞り汁と胡椒をぱらぱらとする。私はすだちをちょっとたらしていただく。
あらや身をぶつ切りにして入れてもよいし、大根もぶつ切りにしたり、大きく切ったりして時間をかけて煮てもよい。長ねぎや芹などほかの野菜を加えてもよいが、私はシンプルな組み合わせがよいと思う。
およそ単純な料理だが、意外にしっかりとしたおいしい出しが味わえる一品だ。
「昔の料理レシピ備忘録」のリストは
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