おいしいと思わないものは食べなければ良いだけなのだから、こういうブログなどであえて悪口めいたことを書くのはどうも後味がよくない。
前回の「新正堂」の「切腹最中」についてのことだ。
でもそこを素通りすると私を楽しませてくれる多くの職人に対して不誠実である気もする。
せいぜい表現の仕方に気をつけることにしよう。
「最中を食べる!」の8店舗目も「新正堂」と同じ新橋の店「文銭堂本舗」。
「御菓子司 文銭堂本舗」は昭和23年創業の和菓子店。新橋と三田に店がある。
季節の上生菓子のほか、豆大福なども評判がいい。
三田店では「学問のすゝめ」という名の最中を販売しており、慶應義塾大学への受験者に縁起担ぎで購入されている。
この「文銭堂本舗」の看板商品は「文銭最中」だ。
新橋「文銭堂本舗」の「文銭最中」
「文銭」は寛文8年5月(1668年)、江戸亀戸で発行された「寛永通宝」で、京都・方広寺の大仏を鋳潰して鋳造したという噂が流布したこともあって「大仏銭」と呼ばれ、無病息災のお守りや財布の種銭として大切にされた。
裏に「文」の字があることから、文銭とも呼ばれた。
「文銭最中」はこの貨幣を象ったもので、小ぶりだが、厚みはある。
裏も焼いているという皮種は硬めで香ばしい。
餡は、鹿の子(豆の形の残った餡)を合わせた「小豆」と、白餡に刻んだ栗を混ぜた「栗」の2種類がある。
栗の入った白餡はいまひとつ味がはっきりしない。
小豆餡は寒天由来のつやが美しい。
全体に上品だがおとなしめで、餡の量がそこそこあるわりには最中らしい「餡食い」の面白み、インパクトに欠ける。
「最中を食べる」一覧は
https://ameblo.jp/qpkokko71922/theme-10106414071.html