「最中」も「どら焼き」も東京近辺の定評のある店はほぼ食べてみた。
まだまだ続けることになるが、ぼちぼち、これまで書きためた感想を順不同でこのブログに載せてみたいと思う。
「最中」も「どら焼き」もそれぞれの総集編(一覧編)のようなものはいずれ出したいと思うが、まずは個別に思い出すままに挙げていく。
シリーズ名はシンプルに「最中を食べる!」「どら焼きを食べる!」。
順位を付けたり、評価を点数化したりするようなことはもともと意図するところではない。
ただ、あれこれ食べ比べてみて、やはり作り手の思いの強さの度合いというものは正直に味に表れるものであることを実感した。
これをただ並列的に並べるだけでは良心的な菓子職人の方々に失礼ではないかとも思った。
そこであくまで私が同好の士にお薦めできるかどうかという視点で、
特にお薦めしたいもの「☆」
食べてよかったと私の感じたもの「○」
という印を、いささか心苦しさは感じながらも付けてみようと思う。
本日は、まずは「最中を食べる!」から。
意表を突くわけではないが変化球から。
☆上野・黒門町「うさぎや」の「喜作最中」
最中ではなく「どら焼きを食べる!」なら、まず最初に登場してもまったくおかしくない真打ちとも呼べる店。今の形の「どら焼き」の元祖とも言われる上野・黒門町の「司うさぎや」だ。
「うさぎや」は大正2年に創業したが、初代は元銀行員だったという。
もちろん腕の確かな職人とともに店を開いたのだろうが、時代的にも土地柄からも大正ロマンの時代の知識人たちの支持がこの店の隆盛の背景にあっただろうと想像する。
店のスタートは「最中」の店としてだった(「どら焼き」は2代目になってからだというが、定かなことまでは調べてない)。
その「最中」がいまも売っている「喜作最中」だ。
ずばり言って、地味な最中だ。が、秀逸だ。
餡はなめらかな漉し餡に僅かだけ蜜付けした大納言が入っている。さらりとした軽さが快い。全体が小ぶりで種(皮)と餡のバランスがとてもよい。このバランスが特筆できる。だからあとを引く。
地味ではあるが、お薦めできる最中だ。
写真からはよく分からないが最中の中央に刻印された「喜作」は言うまでもなく創業者の名だ。
賞味期限は5日だが、乾いてしまったら、湯で煮て汁粉として食べられる。
「最中を食べる」一覧は
https://ameblo.jp/qpkokko71922/theme-10106414071.html