中田力の”脳の中の水分子”は豊かな感受性と論理脳がつくりあげた
たぐいまれな散文詩だ。
かって科学者がかいた本はすくなくないが、
それらは高名な科学者がかいたすぐれた
文系の著書ということであったが、
中田のこの著作は科学者に取材したすぐれた文学者が
かいたといわれるほどの文章だ。
文体は独自だ。
そして、壱ページ、壱ページに、読者にとって発見があり、
一見、平凡なところはほとんどない。
また自然科学の研究者にとっても
研究態度としては
いたるところ参考になるかもしれない。

このような幅広い分野にわたる知性は
我が国の歴史上に例がないのではないか?
(議論がただしければ)

ただし、一般書なので
論理を詳細に説明したいないが、
一般書であっても
ペンローズのように
詳細な理論をおしまない本もあるので
詳細版もだしてほしい。

批評として
http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/books/comment_bk_02.html
なども
あわせてよむと
はてどちらを信じればと
まよってしまうこともあるが
ご自分の判断をもちながら読むようにしたい。