粒子線の治療費は安くできる可能性もある:

陽子線、重粒子線の治療費は二百万円から最高314万円くらいの幅がある。
治療費の積み上げ法にも2種類あって
1) 病気の治療を一括して一律に決める固定法
2) 照射回数を基本する方法
がある。このほかにまだ十分、研究がすすんでいない部位あるいは国から認可をうけていない部位については無料の場合もある。
1) の方式の決め方は日本、ドイツ、中国などだ。2)はアメリカ方式だ。
2) アメリカ方式はがんをなおすのに必要な照射回数が多い場合は患者にとっては不利だが、回数がすくない場合は有利となり、国民全体にとっては、医療費を大幅にさげることができる理想的な方法となる。特にアメリカは医療費が高いので低所得者層にとっては恵みの雨となる可能性がある。ただし重粒子線の治療はまだないので、治療行為側が陽子線と同じ方式をとるかどうかにおおきく依存する。逆にいえば、病院側が自己の利益を優先するならば、そういうことにはならないかもしれない。
私は日本でアメリカ方式を取り入れれば、大幅に重粒子線による治療費がさげられる可能性もあるので、こちらを期待したい。
しかし、そのためには多くののりこえなければならない障害がある。
その第一は現行の方法で、余裕をもって採算のとれる粒子線治療システムを早期に実現することだ。
そのためにすべきことは
まず重粒子線治療法を多くの人に知ってもらい、それ以上の人々に治療をうけてもらい、治療側で、その希望に答えられるような施設を実現することだ。
残念ながら現行の提案や計画ではこれは難しい状況にあると言える。
しかし、だれかがこれを実現するに違いない。その兆しがでてきたのではないか?