cyclo1 synchro2

がんの粒子線治療装置では粒子加速器というものを使います。
粒子は電子を介してX線をつくりこれで治療するもの(ライナック)と
陽子線または重粒子線をつかうものがあります。
陽子線や重粒子線は体のなかにはってから
小さな爆発をおこすようなイメージでがんを殺してしまう性質が
強いのです。
サイクロトロンとシンクロトロンはこの陽子や重粒子を生成する装置です。
でも治療室からはみえないので一般のひとは眼にすることがありません。
ですから普通のひとは気にする必要なないのですが
ひとくち知識として知っておくと
自慢できるかもしれません。
;)

粒子線の軌道からいうと
サイクロトロンは螺旋軌道を描きます。
上の頭の左側がサイクロトロンなのですが
全体は鉄をつかった電磁石で、この装置の内側から外側に
むかって小さい円から大きな円を描きながらエネルギーがあがって
いくのです。

シンクロトロンは粒子の軌道が一定でほぼ円形をしています。
電磁石は右の写真の赤色です。
この赤色の電磁石に空隙があいていて、その中を真空パイプがとおり
粒子ビームはその中心を通ります。

これがおおざっぱなサイクロトロンとシンクロトロンの違いです。
このようなことを実現するために
サイクロトロンの磁石の磁場の強さは
時間がかわってもかわらずこれを直流磁場といいます。

一方シンクロトロンでは磁場の強さが変化します。
これを交流磁場といいます。
これは磁場の性質からみた違いです。

歴史的には
まずサイクロトロンが考案され、もっともとエネルギーを
あげたいという物理学者の願望からシンクロトロンが発明されました。

そしていまでは円周長が27kmにもおよぶ大加速器になっています。
その規模はジュラ山脈の麓でフランスとスイスをまたいでいるほどです。

がんの治療にはこんなおおきなものはいりません。