Alicerhythm -199ページ目

Alicerhythm

イラストや小説、その他興味を持ったものを手当たり次第創作にチャレンジしてみたい人のブログ。
私が描いたり書いたりしたものを違うジャンルで形にしてくれる刺激的な相方を絶賛募集中です。厨二とかV系風味とかゴスロリとか魔術的とか・・・そんなのばっかりですけどね。

BloodEdge」第Ⅵ話 「夜の終わり」









――――――「な・・・」

質の悪い冗談だと思った。

しかし、とぐろを巻く焔の中心にいるのは、朝姫の顔をしているが朝姫ではない、誰かだった。


彼女は、さも愉快そうに語り始める。


「このゲーム、このときまであたしと君が会うことなく2人が最後まで生き残ることは、始めから決まってたんだよ」

つまり主催者って言うのは・・・

「あたしのこと。といっても朝姫じゃなくて華蓮というこっちの人格。朝姫ってば、妙に精神構造が頑丈でさ。あたしが表に出るのはいつも朝姫の許可がいる上で、時間制限つき。嫌気がさして当然でしょ?」

いぶかしむ俺を他所に彼女は嬉々として語り続ける。

「で、嫌気がさしたあたしはついに行動に出た」

それがこのゲーム。

高い魔力を持つものを集めて結界に閉じ込め、その中で殺し合わせることで負の感情を乗せた魔力と霊魂を集める。

そうして生まれた膨大な負のチカラによって朝姫の人格を封じ込め、華蓮は表に現れた。

「人が人を想う力って意外と馬鹿に出来ないのよ。あなたも身を以って体感したでしょ?」

俺の右手に握られているアロンダイトを見て、忌々しそうに語る。

「それで、17年前にここで朝姫の中に転生する前にちょっとだけ世界の流れを書き換えてここに魔力が高い人間が集まるようにした。私は欠片だからその瞬間のことしか書き換えられなかったけど、丁度学校というひとつの環境に縛るには丁度良かったかもね」

それでこんな日本の僻地に妙な人間が集まったわけか。

「君は藍莉と約束してたよね?主催者をボッコボコにするって。それってつまりさ、この結界に引きずり込まれた君以外の25人全員と戦って勝つのとおんなじなんだよ。分かる?」

霊魂と魔力を得たことで25人分のチカラ全て手に入れた彼女。対する俺は藍莉と戦ってほぼ全力を使い果たした。

勝てるわけがない。それくらい、分かってる。

「それに、別にあたしがここに出るだけならそんなに力を集める必要ないんだよ。本当の目的は・・・」

華蓮が空を見上げる。薄暗く、臓腑のような不気味な色をしている。

そこに、血のような赤黒い巨大な魔法陣が展開していた。魔法陣といえども、藍莉のルフトではまるで比較にならないような、地平線の向こうまで広がるような巨大すぎる魔法陣。

「北欧神話と同じ。このゲームは《ラグナロク》。その終わりはどうなるか、知ってる?」

ゲームとか小説とか、朝姫がそういうファンタジーものを好んでいたので、なんとなく覚えていた。

「・・・最後に生き残った巨人が、炎の剣で世界を焼き払う」

「正解。そういうこと。でも、まだちょっとだけ、アレを起動する分の魔力が足りない。だからね」

凶悪な笑み。つまり彼女は・・・



「君を殺して魔力と霊魂を奪い、最後に生き残ったあたしが殲滅の業火《レーヴァテイン》で世界を焼き尽くす」



言うやいなや、焔を纏う鎌による神速の一撃。

俺は待ったままだったアロンダイトで鎌を受け止める。

しかし刃は受けられても、纏わり付く炎まで受けるのは不可能。

咄嗟に刃に冷気を纏わせてみたものの、弱りきった冷気程度で阻めるはずもなく、焔は容赦なく襲い掛かる。

「くそ・・・ッ!?」

Lune-Slash!!

俺は焼かれながらもアロンダイトの《切断》のルーンを発動、鎌の刃を切り落とす。

「へえ、便利な剣だ。あと24個、全部切り落としてみる?」

そう言って今度は白鞘の日本刀、天之尾羽張を取り出す。

速さも威力も本来の持ち主以上。

いくらなんでも全てを切断のルーンで壊していたら魔力、そしてルーンを刻んでいる俺の血が足りない。あと10回ももたなさそうだ。

かと言って純粋に斬り合うだけでも彼女に勝てるはずもない。

じゃあ・・・

俺は一か八か、刃に新たなルーンを刻む。

貧血で激しい眩暈と嘔吐感に襲われるが奥歯を噛み締めてこらえる。

Load!!

「今更何したって・・・」


華蓮が嗤いながら天之尾羽張を振り下ろす。

俺は新たな力を纏った聖剣でそれを受け止めた。



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今日は何故か帰り道で猫がたくさん寄ってきました。
最初は一匹だけで携帯で写メ撮ろうとしたらあちこちからわらわら・・・。


ニャーニャー言われてるうちに携帯が電池切れ。


CD買ってビニール袋ガサガサしながら歩いてたのが原因かもしれません。


そして帰ってからやたら犬に擦り寄られる。
具合悪いときはよく寄ってくるのですが・・・。

別に今日はいつもどおりの貧血だけだし・・・。


実は自分が気づかないうちにどこかでおいしい臭いでもしてたのでしょうか。
それとも、幽霊でもついてるのでしょうか。


後者だったらテンション上がる!美少女幽霊!




そういえば今日、3時に起きました。

そして朝から化学のレポート書いたり11eyes3話見たり(一週遅れてる上に昨日見損ねてる)。
ホント、睡眠時間が3時間で足りちゃうのも困りもの。つか、中途覚醒らめえええ。





あ、夢幻まだ開封してねえ・・・。



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「うおおおおおおおおおっ!」

残っていた柄が消え、漆黒の剣は新たに編み直される。

赤いルーン文字が刀身に刻まれた、先程までの剣より複雑な形状となった剣。

「黒耀の聖剣《アロンダイト》!!」

Lune-Explosion!!

魔力放射で藍莉を吹き飛ばし、新たに作り上げた剣を構える。

日が落ちて、月と魔力がが照らす校庭で、アロンダイトの刀身は妖しく光る。

「・・・往生際が悪いね」

藍莉は悔しそうな台詞の割に楽しそうな笑みを浮かべて言う。

「その方が盛り上がるだろ?」

「もちろんっ!」

刃がぶつかり合い、火花が散る。

何度も何度も。

斬り合いが百に達しかけた頃、不意に藍莉が後退し、距離を開ける。

「光渦結晶《ルフトエッジ》ッ!」

蒼い刃がルフトで放出するような暴力的な魔力を全てその内に閉じ込め、瑠璃色の輝きを放つ。

「うおぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!」

Lune-Overbreaker!!

アロンダイトの刃に浮かび上がったルーン文字が溢れるような魔力に反応して輝き、刃がスライドして長大化、隙間から開放された魔力が溢れ出し、巨大な刃となる。

お互いに残りの魔力のほとんどを惜しげなく注ぎ込んだ本気の全力。

どごおっ!!

刃がぶつかり、凍り付いていた校庭が衝撃に波打ち、砕ける。

完全に拮抗し、火花を散らす。

でも、俺はここで絶対にこいつを殺さなきゃいけない。

そうじゃなきゃ自分が死ぬとかそれ以前に。

『ゲームの目的どおりに3人、ペアだから6人か。殺したのよ』

そう言った朝姫の横顔。

傷付いて壊れそうなあの横顔が忘れられない。

そうさせたのは俺だったから。

もう、絶対にあんな顔をさせないために。

「うああああああああぁぁぁぁぁああああああああッ!」

ピシリ、と亀裂が入ったのはルフトエッジ。

自信満々だった藍莉の目が驚愕に見開かれる。

「嘘・・・!?」

怯んだ一瞬。

時間にしてみれば0,1秒もないような瞬間。

それだけで、十分。

それだけの瞬間、拮抗する相手の力が弱まり、一瞬だけこちらが大幅に上回った。

藍莉は吹き飛び、全力の蒼い刃も砕け散った。

彼女は崖を落ちていくような勢いで十数メートルも吹き飛び、倒れ伏す。

手甲も消え起き上がる気配はないが、まだ息はあるようだ。


Reset

アロンダイトの出力を落とし、通常の状態に戻してから彼女に近づく。

「・・・っ」

あんな鬼神の如き強さの少女。何人も殺して笑っていた少女。

それが今、俺の目の前で泣いている。

まるで別人のようで少し戸惑った。

「・・・あ、はは。ダメだったよ、やっぱり。私、甘かった」

正直、罠かもしれないと思っていたが、藍莉はもう立ち上がることも出来なければ、魔法だって武器の維持すらできない。

「言いたいことがあるなら聴いてやる。聴くことしか出来ないけどな」

彼女は「ありがとう」といって続ける。

「私、ずっと演技してたの。高瀬もパニックになって多重人格になったとか解釈して納得してたみたいだから、私も自分にそういうことにして言い聞かせてた。極限状態って怖いね。私がこんなに冷たくなれるなんて思いもしなかったよ。でも、私のせいで高瀬が死んだら嫌だったから」

正直辛かった。この子も、俺と同じような葛藤があったんだって。

自分を偽ってまで彼に生きて欲しいと願っていた彼女。

だからあれだけ強かった。

でも、終わらせなきゃいけない。俺も朝姫のために決意をしたから。

俺は動けない彼女の胸にアロンダイトの切っ先を突きつける。

「そっか。よかった。君がちゃんとしなきゃいけないこと分かってて。こんなこと言って殺すのやめちゃったらどうしようかと思ったよ」

藍莉は、今までとは違った清々しい笑みを浮かべた。

「・・・ごめんな」

「じゃあ、私の代わりにこんなこと始めた主催者ボッコボコに殴っといて」

「ああ」

こんな状況じゃなかったら、きっとコイツとはいい友達になれただろうな、と思いながら。

「じゃあ、な」

俺は藍莉の胸に深々と剣を突き立てた。

衣服の上から皮を破り、骨を断ち、肉を切り、心臓を貫く。

そんな、生々しい感触が伝わってきた。それが、人を殺すことだと知った。

私たちに勝って生き残ったんだから、ちゃんと幸せになるんだよ、と彼女が言った気がした。


殺されたのに、その顔はとても安らかだった。

同時に、高瀬も崩れ落ちる。

そして俺の首元でカチッ、と軽い音がしてペンダントが外れた。

「終わった・・・のか」

こんな悪夢みたいなことが終わったのに、達成感というものがまるでない。それになんか・・・嫌な予感がする。

「朝姫?」

朝姫の様子がおかしい。

鎌を持ったまま、肩を震わせふらりとこちらに振り返った彼女は・・・

赤い瞳を輝かせて笑っていた。

「朝・・・姫?」

答えはなく、轟炎が辺りを取り囲み、黒かった髪が銀色に染め上げられる。

「ふふふっ、あはははははははははははははははっ!」

赤い死神。

鎌を持って笑う朝姫を見て、そう思った。

「これで準備は揃ったわ。お疲れ様、結城蓮。これでやっとあたしが《あたし》として表に出られるわ」

邪悪に笑う彼女の顔は、既に朝姫のものではなくなっていた。

―――――――――――――《次回予告》――――――――――――――

全ての真相は簡単なこと。

終わらせたければ、世界を救うためには朝姫を殺せばいい。

たったそれだけのこと。

でも、俺は・・・

次回、「夜の終わり」