ひとが皆ゴールしてからやっとスタート、みたいなことになって、この話題はもうやめようかと思ったりしましたが、多分一緒にスタートしても周回遅れになりそうな、そんなブログですから気にせずやってしまいます。
大阪市立の高校で起きた、体罰が原因と思われる生徒の自殺問題。この件に関して私が知り得た情報はすべてマスコミからのものであり、詳細に関しては分からず、情報が正確なのかもわからない。ですから、あくまでその情報の範囲での私の個人的意見です。
被害者の親がこの顧問を訴え、市長がこの高校の体育科の廃止を指示し教育委員会で決定したワケですが、それに対していろいろな意見があります。
橋下市長が初め、体育科の募集を行わないと言い出したときは、私も「おいおい、それじゃあ真紀子と同じじゃん。受験生がかわいそう。」と思っていました。でも、同校の関係者、特に保護者や在校生の話を聞くうちに、橋下市長の言い分にも一理あるなと思えてきました。
*保護者の中にも「強くするためには殴るのも致し方ない。」と、体罰を容認する意見があり、中には「先生、どんどん殴ってください。」という保護者もいたという。
*在校生が記者会見まで開いて体育科をなくさないでと訴えているが、その時、「厳しく指導していただいて、集中することや礼儀が身に付くし、強くなれる。」と言っていた。(正確ではないが意味としてはそういったこと)
まず、親が顧問教師を刑事事件として訴えたことは当然の措置でしょう。知る限りでは、体罰の域を超えた暴力だったと思います。何より、体罰とか(親による子供の)虐待とかは、指導とかしつけといった言葉で美化されてやってる本人にブレーキが効かなくなります。外部からはっきりと、それは暴力であることを指摘し、止めさせないと最後はこのような悲惨な結果になるのです。
一方、先生に自分の子を殴らせる親も同罪、いや、もっとひどい最低な親です。この子は殴られなくてはならないようなことをしましたか?仮に、自分の子が殴らなくてはならないようなことをしたのなら、それは親の責任だし自分の手で殴って痛みを知るべきです。嫌なことは先生に押し付けて自分はいいこちゃんで居たいだけの無責任な親に、市長や顧問教師のことをとやかく言う資格はないでしょう。
一番気になったのは、生徒が体罰を容認していることです。「顧問の先生を辞めさせても体罰はなくならない。」とも言ってました。これって、もう体罰が当たり前というか、殴る指導が常態化して殴らないと強くなれないみたいに思い込んでしまっているってことですよね。殴る殴られるっていう関係が異常なものだと思わなくなってるのは、かなりまずいと思います。
例えば荒れる学校で、体を張って止めなければいけない時に手が出てしまうのはわかります。でも、強いチームに入って優勝目指して真面目に頑張っている子が、殴られて強くなるわけがありません。必要なのは正しく論理的な指導のはずです。それができないから手っ取り早く殴って済ませているんじゃないのでしょうか。
これについては、元プロ野球選手の桑田真澄氏がおっしゃっていたことが一番共感できました。
NHK NEWS WEB 桑田真澄さん 体罰は安易な指導
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/0111.html
今回の橋下市長のやり方は確かに強引ですし、体育科の顧問を全員移動させるとかは、それはそれで別の問題が生じかねない無茶な方法だと思いますが、学校側だけでなく、保護者や生徒に、「体罰という名の暴力」を許さない、なくしたい、という強い意志がない以上、これくらいのショック療法というかグレートリセットが必要なのかなあ、と思います。
安西先生は殴らない