見るともなしに見ていたテレビで、「癌・ペプチドワクチンが実用段階まであと一歩。」ということを知りました。臨床実験でかなり期待できる成績が認められたものもあるとか。


 癌ワクチンで思い浮かぶのは、「丸山ワクチン」です。これは、治療薬として承認されてはいない(保険が利かない)ものの、薬として製造し希望者に使用することは認められている、有償治験薬として今も多くの患者さんを救っています。

 丸山ワクチンは、はじめ結核の治療薬として使われていた物を、丸山博士が癌にも応用したもので、体の免疫力を高め、癌を消し去りはしないが進行をとめ、癌と共存することが出来るようです。


 癌・ペプチドワクチンも体の免疫力を高めて癌を攻撃するものですが、癌そのものを標的にする点が丸山ワクチンとの一番の違いです。


 癌の免疫療法自体はかなり以前から研究されていましたが、免疫細胞の標的となるがん細胞表面の物質(ペプチドなど)を特定するのが難しく、日本以外の国では開発をあきらめたようです。

 まだ使用できるケースが限られているようですが、免疫療法には副作用が無く、今後に希望が持てると思います。


 『子宮がんワクチンのこと』


 癌のワクチンとして、少し前に承認された『子宮がんワクチン』のことはご存知でしょうか。実は子宮がんワクチンは、上記二つのワクチンとはまったく違うものです。これは、子宮頸ガンの原因となる特定の型のウイルスに対するワクチンで、がん自体に効くわけではありません。そのこと(接種したからがんにかからないわけではない)をよく理解したうえで、がん検診などもきちんと受ける必要があります。