1974年 イギリスのホラー
宣伝文句
美女が!青年が!次々に襲われ、身の毛もよだつ地獄の怪物に変わる!
ヒット作『あの胸にもういちど』の監督であり、『黒水仙』では撮影監督としてアカデミー賞受賞、アカデミー賞名誉賞も受賞している名手、“色と光の魔術師”といわれたジャック・カーディフ監督が何を血迷ったのか作ってしまった奇形人間炸裂SFホラー。特殊メイクは『ベン・ハー』『アラビアのロレンス』『スター・ウォーズ』のチャールズ・E・パーカー。『ハロウィン』シリーズで知られるドナルド・プレザンスが見事な怪演。見世物小屋のシーンではアメリカから呼び寄せられた本物のフリークスたちが大挙出演、特に目玉が飛び出る黒人は世界的に有名。
普通の映画ならヒーロー的な立ち位置の、ブライアン・レッドフォード少佐。女子学生ヘディによると、生化学探求のため輝かしい軍歴を捨て、ローズ奨学金を受けノルター教授に師事、という紹介がタイム誌に出てた。いつの間にヘディとブライアンがラブラブになったのかと思ってたら、会う前からヘディの方が雑誌を見て目を付けてた。ブライアンには据え膳だ。しかし姿を見せない友達を心配する学生たちに、どこかで遊んでるだけだ、会ったことないけど失踪するタイプじゃない、とボケたこと言ったり、博士の下僕リンチに簡単に気絶させられて、気づいた時にはほぼ全て終わっている。面白い奴だ。
教授も面白い。新種の生物をわざわざ作り出すのなら美しいものを作ればいいのに、出来上がるのは怪物ばかり。口がウツボカズラ、腹はハエトリグサって、実験台にされるの嫌すぎる。
サーカスでフリークスが仲良く暮らしている様は「バスケットケース」(’82)を思わせる。フランク・ヘネンロッター監督も本作を見たに違いない。(バスケットケース/スラング。第一次大戦で四肢を失った兵士が籠で運ばれたという都市伝説的な話から、無力、無能、→非社交的、孤立した変わり者、などの意味。陰キャということか。ケースは人の状態、容態、患者→特定のタイプの人、ものを意味する。nutcase headcaseなど)
オープニングの植物やキノコなどの早送り映像が美しい。ノイバウテンの音楽のような拍動が不穏な空気を醸し出している。教授の緑多い屋敷、実験器具や装置、グロテスクな植物人間たちが配された実験室も美しい。