2007年 イギリス・フランス
孤独な少年同士の友情、家族の絆が印象的な作品。言葉にすると臭いが、良いものを見せてもらった。
主人公ウィルは、ノートや分厚い聖書に絵を描き空想を膨らませる内向的な少年だ。母は、小さな妹とボケたおばあちゃんの世話、教会の務めに忙しい。
ウィルの家は代々?プリマス同胞教会の信者らしい。1820年代にダブリンで興った保守的な組織で、穏健なグループと排他的なグループがあるということだが、ウィルの家は排他的な方だろう。簡素で清潔感ある家や女性たちのスカーフ、ウィルがテレビを見ることを禁止されている様子など、「目撃者」のアーミッシュを連想した。クラスメイト達とは違う生活を強いられるのは辛いと思う。
リー・カーターは乱暴者で、学校で嫌われている。母は恋人に現を抜かし、始終、家を空けるので、高圧的な兄がただ一人の家族だが、兄も若すぎて自分のことで手いっぱいだ。
ウィルとリーが段々と理解しあい、友情を育む様が自然で説得力がある。
ウィルと母、リーと兄の間の誤解が解け、家族愛が深まる様子も心に残る。ウィルの母は同じ信徒の男性と好きあっているようだったが、男性が支配的だとわかると、ウィルたちを守るために決然と突っぱねる。彼女も成長したのだなと嬉しくなった。厳格なキリスト教信者が、破門される危険を冒すというのは、想像するしかないが、相当な勇気と胆力が要ったことだろう。
ランボー第1作が公開された80年代が舞台なので、音楽やファッションが懐かしい。イギリスの男性ポップアイドルたちが化粧し始めた時代。ちょっと恥ずかしい感じもする。