2016年 アメリカ

 

英語をカタカナにしただけという芸のないタイトルから、なんとなく軽いラブストーリーかと思ったら、重苦しいドロドロした話で辟易した。アル中、メンヘラ女に付き合わされるのかと諦めていたが、あ、違うな、と気付いてからは割とおもしろかった。

 

ヒロイン、ヒロインの元ダンナ、彼の今の奥さん、そのベビーシッターをしてる失踪した女性、女性のダンナ、女性のカウンセリングをしていた医師、これらの関係が初めはよく分からない。奥さんと失踪した女性が二人とも金髪美人で見分けが付きにくいのも一役買っている。

 

失踪した女性のダンナはルーク・エヴァンズで男の魅力ムンムンだが、ゲイだと知られてる人なのでちょっと変な感じ。

事件を追う女性刑事のアリソン・ジャネイは低音ヴォイスが魅力的。

2015年 ブルガリア、カナダ

 

宇宙船から謎の機械が飛来して、それを飲み込んだサメがロボシャークと化し、シアトルで大暴れする。

カナダとブルガリアがアメリカをコケにしている。ネイビーシールズというより普通の海軍。サメに襲われる兵士たちは、自分から倒れてやられに行ってる。

サメのCGは比較的、作りやすいそうだが、ロボとなると人工物で生物より構造は単純、表面ツルツル、更に労力も製作費も時間も節約できるだろう。

 

ヒロインを見下す女性リポーターはカメラの前では猫をかぶってるが、実は暴力的な性格のレズビアン。反LGBTイデオロギーとも捉えられて良い。

 

アメリカ大統領より偉い、世界で一番、権力を持った男として登場するのがビル・グレイツ。取り巻きスタッフを引き連れたメガネの冴えない男だ。

ビルが実行を命じるのは「MSドローン」から未知との遭遇もどきのメロディを発しロボシャークを誘導、ロボシャークにウイルスを仕込んでとどめを刺す、という計画。実戦で仕留めたい提督は、億万長者め、と嫌々従う。MSドローン作戦は失敗してビルはロボシャークに引きずり回され、やられてしまう。現実のビルなんとか氏もかなり危険な思想の持ち主のようだから笑える。

 

ヒロインの娘はSNSインフルエンサーってことで、ロボシャークにフォローされる。Roboshark phone homeなどというDMが来て、娘とロボシャークの交流が始まる。

 

ロボシャークは母船に帰るため、連絡にシアトル名所、スペースニードルを使おうとする。ロボシャークへの攻撃の煽りを食ってニードルが途中から折れて傾き、上にいた提督は、ニードルを完全破壊してロボシャークの上に落とせと言う。戦艦から発射されたミサイルがニードルを真っ二つにし、ニードルに乗った提督はロボシャークと女性リポーターにまっしぐら。イーハー!と突撃する様は博士の異常な愛情だ。

 

ロボシャークがバラバラになった現場にやってきた野次馬の女性。連れていたチワワが欠片を飲み込んだか、ロボ化したようだ、というところでEnd。アホ映画だが中々風刺が効いている。

関岡英之さんの傑作。大東亜戦争で敗れた日本は勝者によって徹底的に悪者にされたが、実は共産主義の危険性に逸早く気付き、拡張を食い止めようとしていた。すごい日本人が続々と出てくるので、少し読み進める毎に「いやぁすごい!ほんとすごい!」と心の中で呟いていた。

 

元々、自分の周りの人や物事、社会の出来事に関心が薄く、社会科目が苦手だった。中学・高校でも歴史は苦手で、特に近現代史は先生が一年の時間配分を間違えたかのように駆け足で教えるので、複雑に絡み合った国際情勢や、疾風怒濤のような時代の動きなど理解できなかった。今も無知で読むのに時間がかかった。

 

ついこの間まで鎖国していた日本というと、ナイーブな子供のような状態を想像してしまうが、当時の日本人たちの精神の堅牢なこと。また海外の知識を取り入れ国の運営に役立てたいという情熱。江戸時代の教育が良きものだったのだろう。

満州国、モンゴル、チベット、インド、東トルキスタン、アフガニスタン、イラン、トルコと、国を援助し独立させ親日グループを作ってソ連の共産主義を封じ込め、中国共産党との行き来を断ち切る。スケールがデカ過ぎてくらくらする。極東の小さな島国で地球規模で物事を考えていた。もちろん同盟国に遠慮したり、壮大過ぎてついていけない凡人、利己心に囚われる小者も多かったが、グローバル化した現代でも防共回廊のようなことを考えられる人はそういないと思う。

 

日本はなぜ共産主義の危険性に気付いたか。モンゴルにもダライ・ラマ法王のような方がいて、一時期この方を元首に独立したが、共産主義勢力によって元首は捕らわれ軟禁状態にされた。ソ連も中国も近い。これが日本で起こったら、と想像すれば、恐怖もひとしおだ。日本人の心の中に天皇陛下がいらっしゃるということは大きい。共産主義を一種の宗教として捉え、対抗するには強固な信仰心を持つイスラム教国との連携が良いと考えた。物事の本質を見抜き柔軟に考えられる知性の高さに驚嘆する。

アメリカは海を隔て、ヨーロッパはナチスドイツにより大きな危険性を感じていた。また当時の白人の人種差別意識はひどい。自分たちが支配すべき東洋のサルが、急に力をつけ並ぼうとするなど目障りだったのだろう。

 

欧米が自分たちの過ちに気づき、日本と協力して共産主義を封じ込めていたら、と想像してしまう。ロシアも中国も増長せず、北朝鮮が日本人を誘拐することもなく、ウイグル人は幸せに暮らしていたかもしれない。誇り高い日本人が沢山いて世界をリードしていたかもしれない。一方で失敗を経験しなければ、日本は傲慢になっていたかもしれない。イスラム教は力をつけすぎて、世界を吞み込まんとしているかもしれない。

 

本書が国際理解促進優良図書優秀賞を受賞した際、関岡さんの奥様は闘病中ながらお祝いの席にいらっしゃり、嬉しそうになさっていたそうだ。程なくして奥様は亡くなり、関岡さんご自身も2019年、58歳の若さで亡くなられた。本書を書いて思い残すことはないというようなことが、あとがきに書かれている。本書の中身も周辺にまつわることも色々と心を動かされる作品だ。

●マッドゴッド

2021年 アメリカ

「スター・ウォーズ」「ロボコップ」「スターシップ・トゥルーパーズ」などの特殊効果を手掛けた巨匠フィル・ティペットが、神となって暗く狂った世界を創造した。暗殺者(アレックス・コックス)が下へ下へ、弱肉強食の無法地帯をどこまでも深く降りていく。奴隷人間や獣が働かされ新たな奴隷を作り出すシステムのようなものがある。しかし世界を発展させるようなものではなく、同じことを繰り返しながら劣化していく。初めはこの地獄絵図を(すごい仕事量だなあ)(よく作り込んであるなあ)と職人技に感嘆して見ていたが、物語の世界に没入すると、その不条理、希望の無さに気持ちが暗くなる。これはある程度元気でないと見られない。監督自身、ハリウッドが手仕事よりCGに傾いていく様を見て鬱状態になり、本作の制作を続けられなかったらしい。

悪夢のような映像を見ながら、北朝鮮や中国、アフガニスタンなどを連想した。そして日本も、税金が使われるべきところにきちんと到達せず反日左翼団体に中抜きされたり、GHQが押し付けた暫定的な憲法の改正よりLGBT法案にかまけていたり、こういう不条理を放置していたら、と想像して寒くなった。

 

●クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち

2022年 フランス

映画史に残る数々の名作に登場するクリーチャーやモンスターたちと、彼らを生み出してきたクリエイターたちの関係性に迫ったドキュメンタリー。

メリエスの「月世界旅行」に出てくる巨大モンスターや、ボリス・カーロフが演じるフランケンシュタインの怪物など、古くからアイデアと手仕事で空想が映像化されてきた。日本のゴジラも、着ぐるみというシンプルな手法でもモノクロの映像が迫力を増し、本作に登場する有名クリエイターたちに大いに影響を与えたそうだ。

職人技が発達していく様は見ていて楽しい。「ハウリング」と「狼男アメリカン」という似たような作品が同時期に制作公開された辺りの話もおもしろかった。どちらも物語としておもしろいのだけど、進化した特殊メイクの技術を見てくれ!という印象が強い。

時間と費用がかかる手仕事の代わりに、コンピュータが発達してCGが用いられるようになったが、CGもただ機械任せでは生き生きしたクリーチャーを作ることはできない。ティペットの知識と技術無しに「ジュラシック・パーク」は完成しなかったという。「ターミネーター2」も手仕事とCGの融合だというので驚いた。

スター・ウォーズ Ep5のヨーダはいかにも老師という感じだった。Ep2のやたらクルクル激しいアクションをするヨーダには違和感を抱きつつ、Ep5より若いからと解釈したが、本作でフルCGによるヨーダには賛否両論という話で合点がいった。

今後も映画界が手仕事を忘れずに発展していってほしいと思った。

YouTubeで独立ジャーナリスト、我那覇真子さんが「LGBTの不都合な真実」の著者、松浦大悟さんに話を聞いていた。

自民・公明党案、維新・国民民主党案、立憲・共産党案が乱立し、与党が風向きを見て、7年間も費やした法案を放り出し、俄か拵えの維新案に乗り換えるなど国会議員は空騒ぎをしている。その背景を解説してくれて目からウロコだった。結局はどこも活動家が入り込んでいて、どの法案が選ばれるかでおいしい目を見る議員と活動家が変わるだけ、ということだ。

 

松浦さんは国会議員として米政府のIVLPというプログラムに招待され社会を動かす方法を学んだ。

International Visitor Leadership Program:世界中から4千人のリーダーたりえる人材が集まり交流する。旅費や滞在費など経費は米政府が出してくれる

考え様によっては米政府が松浦さんを通して日本社会を作り替えようとしたとも取れる。具体的な方法として、メディアを使って感情に訴える、ドキュメンタリーや報道より、ドラマや映画が良いそうだ。「おっさんずラブ」もその一つらしい。言われてみれば、急にBL物が地上波テレビに出てきて、BLが市民権を得てきたのか、と暢気に思っていた。今は普通のテレビドラマにも同性愛の登場人物がいたり、Tの少女の海外ドラマが放映されたり、何度もドラマ化・映画化された「大奥」を新たに作り直したり、これらの監修として活動家が入り込んでいるとのこと。

 

BLが好きというほどではないが、ちょっと妖しい物語には興味があるし、外見と内面のギャップはコメディにぴったりだ。そういう作品を楽しんで見ていた者として、知らず知らずのうちに心が侵略されていることが恐ろしい。「おっさんずラブ」も「きのう何食べた?」も「大奥」も優れた作品なのに、もう気軽に楽しむことができない。