1999年に亡くなった祖母。
存命であれば、100歳だ
その時、私は中国天津に留学中で
ビザの関係で一時帰国出来なかった。
祖母の死に目に会えなかった…
国際電話で姉から、
おばあちゃんの手脚を摩ってたら、
「千景さんにおばあちゃんの手は
しわしわで触ると気持ちいいって
よく言われたなぁ」って話してたよ。
それを聞いて、我慢していた涙が溢れ、
声を出して泣いた。
同室の子は気をきかせ、
部屋を出て、独りにしてくれた。
三面鏡のお化粧台に
数個の携帯用お化粧ボックス
どこぞの女優かってくらい
完璧なメンテナンス
お肌はツッルツルのすべすべ
そんな祖母のお肌を
触るのが大好きだった私
変態の域
食べる事が好きで、とてつもなく
たくさんの贅沢をさせてもらった
旬な物が市場に出れば、
お値段関係なく、食卓にのぼる
温泉旅行もまた行くのかってくらい
頻繁に連れていってもらった
服も春夏秋冬、季節毎に
買ってくれていた
当時、反抗期真っ只中の私は
祖母に冷たく接していた。
そんな私だったから、
祖母の死に目に会えなかったんだ。
人生最大の良心の呵責…
今も祖母を想うと
言葉では表せない感情で
胸が痛くなり、涙が出る。
19年経った今も心の整理がついていない。
取り返しはつかない…
この世に祖母はいない…
お別れも出来なかった…
あの世で祖母に会えるなら、
おばあちゃん、ごめんなさいって
言葉しか浮かばない…
祖母の祥月命日には
お供え物を送っている。
こんな事が償いにならない
って事、分かってるけど、
私が生きている間はお納めください。