皆さんは『オーソライズド・ジェネリック(AG)』という医薬品をご存知でしょうか?
『AG』とは「許諾を受けたジェネリック医薬品」のことで、先発医薬品メーカーから「お墨付き」を得て製造した、有効成分(原薬)は勿論、添加物や製法等が先発医薬品と同一のジェネリック医薬品、また、特許使用の許可を得て優先的に先行して販売できるジェネリック医薬品のことを言います。
普段、皆さんが言っている「ジェネリック医薬品」とは、新薬の特許が切れた後に製造・販売されるお薬のことで、有効成分は同じでも、添加物や製造ラインが異なるため、必ずしも「先発医薬品とすべてが同等なお薬」とは言い難いものです。
しかし、この『AG』は「先発医薬品とすべてが同等なお薬」と言えるもので、現在、いくつかの製品が存在します。
<AG一覧表(成分(AG)名:社名:先発医薬品名:先発メーカー名:発売月)>
①フェキソフェナジン:日医工:アレグラ:サノフィ:2013年6月
②バルサルタン:サンド:ディオバン:ノバルティス:2014年6月
③ゾレドロン酸:サンド:ゾメタ:ノバルティス:2014年6月
④カンデサルタン:あすか製薬:ブロプレス:武田薬品:2014年9月
⑤レボフロキサシン:第一三共エスファ:クラビット:第一三共:2014年12月
⑥クロビドグレル:日医工:プラビックス:サノフィ:2015年6月
⑦バルサルタン+アムロジビン(アムバロ):サンド:エックスフォージ:ノバルティス:2015年12月
⑧カンデサルタン+ヒドロクロロチアジド(カデチア):あすか製薬:エカード:武田薬品:2016年2月
⑨カンデサルタン+アムロジビン(カムシア):あすか製薬:ユニシア:武田薬品:2016年3月
⑩バルサルタン+ヒドロクロロチアジド(カデチア):サンド:コディオ:ノバルティス:2016年6月
⑪バラシクロビル:アスペン:バルトレックス:GSK:2016年7月
⑫モンテルカスト:キョーリン/リメディオ:シングレア/キプレス:MSD/杏林製薬:2014年9月
⑬パロキセチン:アスペン:パキシル:GSK:2016年9月
⑭レバミピド:大塚工場:ムコスタ:大塚製薬:2017年6月
⑮テラムロ:第一三共エスファ:ミカムロ:日本ベーリンガーインゲルハイム:2017年6月
⑯テルチア:第一三共エスファ:ミコンビ:日本ベーリンガーインゲルハイム:2017年6月
⑰テルミサルタン:第一三共エスファ:ミカルディス:日本ベーリンガーインゲルハイム:2017年6月
⑱セフジトレンピボキシル:Meiji Seikaファルマ:メイアクト:Meiji Seikaファルマ:2017年7月
⑲オルメサルタン:第一三共エスファ:オルメテック:第一三共:2017年9月
⑳ロスバスタチン:第一三共エスファ:クレストール:アストラゼネカ:2017年9月
㉑イルベサルタン:DSPファーマバイオメディカル:アバプロ:大日本住友製薬:2017年12月
㉒ベポタスチンベシル酸塩:二プロ:タリオン:田辺三菱製薬:2018年3月
㉓ドルゾラミド塩酸塩/チモロールマレイン酸塩:参天アイケア:コソプト:参天製薬:未定
㉔プロトンポンプ・インヒビター:武田テバファーマ:タケプロン®OD錠:武田薬品:2018年9月
㉕イルベサルタン+アムロジピンベシル酸塩:DSファーマバイオメディカル:アイミクス:大日本住友製薬:2018年6月
㉖レボフロキサシン:第一三共エスファ:クラビット点滴静注/点滴静注バッグ:第一三共:2018年6月
㉗ノルエチステロン:あすか製薬:ルナベル配合錠:ノーベルファーマ:2018年12月
㉘ボグリボース/ボグリボースOD:武田テバファーマ:ベイスン/ベイスンOD:武田テバ薬品:2019年1月
㉙ゲフィチニブ:第一三共エスファ:イレッサ:アストラゼネカ:2019年3月
㉚シロドシン/シロドシンOD:第一三共エスファ:ユリーフ/ユリーフOD:キッセイ:2019年3月
㉛ダルベポエチン アルファ:協和キリンフロンティア:ネスプ:協和発酵キリン:未定
現時点で31種類と少ないですが、これからこのような『AG』は増えていくことでしょう。
また、⑱のメイアクトを見ると分かるのですが、先発医薬品メーカーが「先発医薬品の名前を変えてそのジェネリックを作る」というように、現在の医療業界はジェネリックメーカーだけがジェネリックを作っているとは限りません。
同じ製造メーカー・ラインで先発医薬品と後発医薬品が作られているので、期待される効果は全く同じなのに値段が違うというわけです。
「ジェネリック=粗悪品」
という時代は、『AG』の登場で、もう死語に近いものとなっています。
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