突然問題です!
風邪症状で、近所の内科診療所を受診したAさん。
薬剤交付後3日目に薬局を訪れ、
「処方してもらった薬を服用したら、何となく音が低く聴こえる」
と話しました。
3日前に処方された薬は以下の通り。
①クラリス(200)1日2錠 朝夕食後 5日分
②ムコダイン500)1日3錠 朝昼夕食後 5日分
③フラベリック(20)1日3錠 朝昼夕食後 5日分
④カロナール(200)1日6錠 朝昼夕食後 5日分
⑤ビラノア(20)1日1錠 就寝前 7日分
さて、原因のお薬は何番でしょうか?
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と言ってもわかる方は少ないと思いますので、以下を見て答えを導きましょう。
特定のお薬を服用すると「難聴」や「耳鳴り」という副作用を起こす場合があります。
副作用として「難聴」や「耳鳴り」などの聴覚障害が報告されている薬剤はいろいろあります。
・非麻薬性鎮咳薬:ベンプロペリンリン酸塩
・抗菌薬:アミノグリコシド系(ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシンなど)
シスプラチン
・解熱消炎鎮痛薬:サリチル酸製剤(アスピリン、エテンザミド)
・向精神作用性抗てんかん剤・躁状態治療剤:カルバマゼピン
・ループ利尿薬:フロセミド、アゾセミド
~その他、聴覚障害に注意するお薬~
・抗生物質製剤:塩酸バンコマイシン、マクロライド系
・キサンチン系製剤:アミノフィリン、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン
・解熱消炎鎮痛薬:ロルノキシカム、プロピオン酸系(フルルビプロフェン、プラノプロフェン、オキサプロジン)
・α1,β-遮断薬:塩酸アモスラロール
・AT1受容体拮抗薬:テルミサルタン
・骨粗鬆症治療薬:活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール)
・催眠鎮静・抗不安薬:フルニトラゼパム
・精神神経治療薬:塩酸チアプリド、マレイン酸フルボキサミン、塩酸ミルナシプラン、クロチアゼパム
・抗パーキンソン剤:レボドパ、メシル酸ブロモクリプチン
・抗ヒスタミン剤:マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸プロメタジン、ロラタジン
・免疫抑制薬:シクロスポリン
・抗悪性腫瘍薬:塩酸ゲムシタビン、シスプラチン、インターロイキン-2製剤
・C型肝炎治療薬:インターフェロン製剤、リバビリン
・非イオン性造影剤:イオベルソール
・抗原虫薬:塩酸キニーネ
・局所麻酔薬:塩酸ロピバカイン
・子宮内膜症治療薬:酢酸ナファレリン
たくさんありますね。
というわけで、問題の答えは③番の『フラベリック(ベンプロペリンリン酸)』となります。
「ベンプロペリン」を服用すると、「音が半音低く聴こえる」といった副作用を発現する場合があります。
感じ方は個人差があり、風邪による体調不良のために気づかない場合もあります。
また、このようなお薬を併用する場合も注意が必要です。
「フロセミド」と「アミドグリコシド系抗菌薬」など聴覚毒性のある薬剤を併用すると、薬剤の濃度を高め、内耳外有毛細胞が壊死し、永続的な「難聴」を引き起こす場合があり、実際これらは「併用注意」となっています。
咳止めのお薬と簡単に言っても危険は潜んでいます。
お薬を併用する場合は安易に服用せず、用法用量を守って服用しましょう!
また、異常を感じた場合はすぐにDrや薬剤師に相談しましょう。
参考資料:
日経ドラッグインフォメーション 2019/3
参考URL: