秦霊性心理研究所(霊心研)
所長 はたの びゃっこ
こんにちは。
ブログ開設から1月が経過して、ここまでの活動方針の見直し作業を進めています。
まず、当ブログの記事の編集方針ですが、新霊性文化の一翼を担うという観点から、高度な内容と比較的平易な内容を混ぜて発信してみました。
専門的な内容は霊心研(Ownd)のブログからの転載記事であり、こちらのブログの方は呪術担当の麗月のブログという位置づけから噛み砕いた内容になっています。
一見両極端なタッチの筆遣いながらも、通底しているテーマがあることにお気づきの読者の方もいらっしゃるのではないかと思います。
日本人の「無宗教」というのが、実はアンチ宗教や無神論に繋がっているのではなく、特定の宗教(団体)にはコミットしないが、宗教的な心は大切にしたいと考えている人々が多数を占めるという事実から、宗教ではなく霊性に関心を抱いている人が一定の割合で存在していて、新霊性文化がそういう人たちの心の安寧、幸福感、精神的な満足感を高める可能性は少なからずあるわけです。
当ブログにしても、新霊性文化の中に位置づけることが出来ますし、アメブロの"占い・スピリチュアル"に属しているブロガーの皆さんも自覚があるかないかは別として、それぞれが新霊性文化を構成しているコアになっているわけです。
たとえば、スピリチュアル分野でよく目にする概念の一つにワンネス(Oneness)があります。
「ワンネス(Oneness)」とは、ニューエイジやスピリチュアルなコンセプトの一つであり、宇宙や存在全体が一つの統一されたものとして捉えられる考え方です。この考え方によれば、すべてのものはつながり合い、分離された個々の存在ではなく、相互に関連し、一体となっているとされています。
ワンネスの概念にはいくつかの側面があります。
1.全体性とつながり…… ワンネスは、すべての存在が一つの大きな統一体であり、分離された個々のものではなく、相互に関連し影響を与え合っているという考え方。すべてのものがエネルギーや意識のレベルでつながっているとされる。
2.共通の源…… ワンネスの概念では、宇宙や存在全体は共通の源から生まれ、その源から派生したものとして捉えられる。この考え方によれば、すべてのものは同じ源から出ており、本質的には一体であるとされる。
3.個体としての意識の拡大……ワンネスの理念は、個々の存在が自己としての境界を超え、より大きな全体性や共感覚を経験することを促す。この考え方は、自己を超えた普遍的な意識や経験への接続を重視する。
4.包括性と調和……ワンネスの考え方に基づく生き方は、包括性と調和を追求する。他者や自然とのつながりを尊重し、共存することが重要視される。
これらの概念は、宗教や哲学、スピリチュアルな信念の枠組みの中でさまざまな形で表現されています。個々の人々が、ワンネスの観点から世界や自己を捉え、より深いつながりや共感覚を体験することを目指すことがあります。
この言葉をさらに深く掘り下げて考察してみましょう。
ワンネスの概念と類似した宗教の教えや概念には、以下のようなものがあります。
1.ヒンドゥー教のアートマン(Atman)とブラフマン(Brahman)……ヒンドゥー教では、アートマンは個々の霊魂であり、ブラフマンは宇宙の根源や絶対的な存在を指します。アートマンとブラフマンの関係は、個々の霊魂が最終的には宇宙の根源であるブラフマンと同一であるという考え方に基づいています。この視点では、すべてのものが同じ根源から派生しており、最終的には一体であるとされます。
2.仏教の縁起の法(因縁)……仏教の縁起の法は、あらゆる現象が無限の因果関係によって相互に関連し合っているという教えです。この考え方によれば、すべてのものは相互に依存し、繋がり合っており、個々の存在は分離されたものではなく、縁起によって結ばれているとされます。
3.タオイスムの道(Tao)……タオイスムでは、「道」(Tao)と呼ばれる普遍的な原理があり、この道に従うことで調和やバランスを見出すことが重要視されます。すべてのものは道に沿って存在しており、道はすべてを包括し、つながり合わせるものとされます。
4.キリスト教の神の愛による一体化……キリスト教では、神の愛や恵みによってすべての人々が一つに結ばれ、共に一体化されるという教えがあります。神の愛はすべてを包括し、個々の存在を超えた共感覚や一体性をもたらすとされます。
5.神道における"かむながら"……神道では、自然界の霊的な側面や神霊を崇拝し、自然との調和を重視しています。カミなる自然によってあるがままになり、自然体で生きることを重視します。ワンネスの概念も、自然との一体感や調和を強調しており、すべてのものがつながり合い、一体であるという考え方が両者に共通しています。
次に、心理学的な概念とワンネスとの関連性について考察してみます。ワンネスの概念は、心理学の多くの側面と関連しており、いくつかの心理学的な概念やアプローチと密接に関わりがあります。
1.統合性と調和……ワンネスの概念は、個々の心理的な側面や経験が一つの統合された全体を形成するという考え方に関連しています。心理学においては、個々の感情、思考、行動、そして無意識的な側面などが相互に影響し合っており、それらが一つの統合された個人性を形成すると考えられています。
2.非二元的思考……ワンネスの概念は、二元的な思考(善と悪、正と誤などの対立)を超える考え方を提唱しています。心理学においては、この非二元的な視点が、対立する心の状態や経験の調和を追求するアプローチと関連しています。たとえば、心の中の対立や葛藤を解消し、調和をもたらすためのアプローチがあります。
3.心のつながりと共感覚……ワンネスの概念は、他者や環境とのつながりを強調しています。心理学においては、他者との共感覚やエンパシー、そして共感によって人間関係や社会的なつながりを理解し、発展させることが重要視されます。
4.瞑想やマインドフルネス……ワンネスの概念は、瞑想やマインドフルネスなどの実践に関連しています。これらの実践は、個々の心を落ち着かせ、内なるつながりや全体性を感じることを促し、心の調和やバランスを取るための手段とされています。
5.自己実現と成長……ワンネスの概念は、個々の人間が内なる全体性を体験し、自己実現や成長を達成するために内なるつながりや調和を追求するという考え方と関連しています。心理学においては、このような自己の発展と成長を促進するプロセスが探求されています。
これらの心理学の概念とワンネスの関連性は、個々の心理学者や研究者によって異なるアプローチで検討され、実践されています。ワンネスの概念は、個人の内なるつながりや調和を探求する心理学の側面として重要な考え方とされています。
このように、ワンネスの概念一つをとってみても、関連する宗教的背景、学問分野の先哲たちの業績を通じて学びを深めていくことが可能となります。
当ブログでは今後、上記のようなポイントについて詳しく論じていく予定です。
単にフワリとした感覚で霊性を受け止めるのではなく、その背景にどのような思想、文化があるのかを含めて深く思考してみることで、スピリチュアル分野の位置づけも明確に出来るようになりますし、それが何を目指していくのが望ましいのかを考える一助にもなります。
霊心研の取り組みは、霊性文化として定着している動きに関わっている人たち、またこの領域に興味関心を持っている人たちに対して、有益な情報を提供することを目的としています。
専門的な記事が多くて難しいと感じられる人もいらっしゃるとは思いますが、物事を深く考える習慣を身につけるためには、少し難易度の高い課題に挑戦してみようという意欲も必要です。
それがやがては皆さまの血となり肉となるわけですから、得るものは多いと思います。そのために必要な情報提供は惜しむことなく続けていきたいと思います。
言葉は言霊でもあります。言霊信仰は、言語そのものに霊力が宿っているという信仰です。祝詞(のりと)、忌言葉などがその表現形とされてきました。
綺麗事をいくら並べても中身がない言葉もありますが、一言一句に魂を込めることが出来れば、皆さまの心に響くメッセージになるはずです。
私たちはそれぞれがかけがえのない多様な個性を持った存在です。しかし、この多様性を認め、受け入れることは容易ではありません。人間の集団には同調圧力や画一的であろうとする傾向が生じるからです。
いわゆるいじめの構造にしても、異質な特徴を持っている他者を嫌悪し、憎み、排斥しようとする人間の性質から生じてくるものです。それは個人的な人間関係にも認められますし、民族、国家レベルの紛争、戦争といったマクロな出来事にも反映されています。
それらの様々な境界(障壁)を突破し、一つに繋げ、多様でありながら同時に一つであるという性質を持ちながら、各々においても全体においても何らかの調和した、より良い方向に向かおうとする不断の努力が今の人間には必要なのではありませんか。
普段は目には見えない万物の根源である大いなる何か(something great)を自らの内面に自覚し、自分を失い全体の中に埋没するのではなく、しっかりとした自己を確立しながら、相互に繋がっていくこと。
互いが影響を及ぼしあい、慈悲の心を忘れることなく、個性を維持しながら精神的に高めあっていく関係を構築することが、今の人間社会には必要であると私は考えています。
霊心研が、あまたある霊性文化のコアの一つとして皆さまのお役に立つことが出来るならば、それに勝る喜びはありません。それに、私たちと同じような志を持っている人たちと協同していくことができれば、さらに霊性の探求も深まると思います。
まだブログ開設から間もないため、私たちが描いているビジョンが明確には伝わっていないかもしれません。しかし、気長にお付き合いくださるなら当ブログで展開している言説の意味するところも次第にご理解いただけるものと確信しています。
それでは、またお目にかかりましょう。ごきげんよう。
関連記事
運営母体
”霊心研”で検索
↓
こちらのフォローもよろしくお願いします
↓




