4月5日(火)
やるべきことは山ほどあるのに、面白すぎてついつい読んでしまいました。
- 京都ぎらい (朝日新書)/井上章一
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筆者は京都西郊嵯峨の出身です。
おとなになってから、ふとしたことで上京下京と言われる所謂洛中に住む京都人に、
洛外の嵯峨がどのように見られているかを、知ることになります。
このときの筆者に衝撃を与えた洛中人の発言が強烈です。
エッセイの著作もある著名な方なので、本書では実名で登場していますが、
こんないやらしいこと言ういけずなおっちゃんを実名で出してしもてほんまにええん?
と心配になるほどです。
祇園祭の鉾を出すような街中に住んでいる人々から見れば、
嵯峨も伏見も山城も宇治も京都の内には入らないということでしょうか。
なんかもう、めんどくさいというか、ずいぶん難しいです。
筆者は以来、屈折した思いを京の町に抱くようになります。
嫌い、と言いつつ、心のどこかに憧憬を残しているようにも思えます。
洛外に住む人々から見た洛中、大阪の人から見た京都、そして、東京の人から見た京都。
筆者も言っていますが、それぞれの地域の人々が抱く京都への想いは確かに違いますね。
京都の案内本はいくらもありますが、独特の視点から解き明かす京都が新鮮でした。
朝、中国語のレッスンの帰りに、本書にも登場する綾小路新町杉本家住宅に寄ってきました。
この住宅は、国の重要文化財にも指定されている立派な町屋ですが、
今日は公開されていませんでした。