1月6日(水)
湖北 渡岸寺の十一面観音を見に行きました。
渡岸寺は滋賀県なので、テーマの「京都散策」は正しくはありませんが、
京都にいるからこそ気軽に行ける湖北ということで、まあいいかな。
20代の初めのころに訪れて、以来ずっと再訪したいと思っていました。
若いころの感受性に響いた観音像の美しさを、もう一度確かめたかったのです。
JR高月駅の周辺は、「湖北観音の里」として有名なところです。
この地域の観音像は全部で25体あるそうです。
中でも特に有名なのが、この「渡岸寺」の十一面観音です。
JR高月駅前の「観光案内所」の方がすごく親切でした。
道案内も的確ですごくわかりやすかったです。
素朴な村里の風景の中に、お寺はありました。
空気までが清浄な感じがします。
収蔵館の中に収められている「十一面観音」さまはもちろん、撮影禁止。
購入した冊子の中のお写真を拝借します。
右の膝が少し曲がっています。
今、まさに衆生を救うため一歩を踏み出そうとされるその一瞬のお姿です。
美しい、ほんとに美しいんです。
いつまでもこの前にたたずんでいたい。
たたずんで癒されていたい、そう感じる観音さまです。
また、光背を紛失されているため、背中からのお姿も拝見することができます。
この腰の細いこと。うらやましい。
この十一面観音は国宝です。
因みに、国宝指定の十一面観音像は7体あって、
京都六波羅蜜寺の観音像もそのひとつだそうです。
ということは、ご近所さんです。
知りませんでした。
さっそく2、3日のうちに行ってこようと思います。
湖北の観音像は、地元の方たちによって守られています。
古くは戦国時代、織田・徳川軍と浅井・朝倉軍との戦があったとき、
人々は、観音さまを地中や川底に埋めたりして戦禍から守ったそうです。
お堂は焼失してしまっても、観音さまは残りました。
そして、今でも、ほとんどの観音像は住職のいないお寺に置かれているため、
檀家や自治会が中心になって、守っています。
拝観するには、予約の必要なお寺がほとんどです。
今日も、渡岸寺のほかに高月観音堂の観音さまも拝観させていただきましたが、
観光案内所の方が、予約のお電話をしてくださいました。
地元の方たちがほんとに大切に守っていらっしゃる、
そういうあたたかさが感じられる観音の里でした。
これから、ひとつひとつゆっくり訪ねていきたいと思います。
京都・高月間は、上り・下りともだいたい1時間に1本くらいしか走っていません。
気持ちにも余裕を持って、訪れたいところです。