柿 10月27日(水)


寒かったですね。なんでも11月中旬から下旬にかけての寒さだそうです。


さて、今日も大学へ聴講。「日本語教授法」についてです。

先週に引き続き、日本語授業のビデオを見ました。


ひとつめは、国際学友会日本語学校の森田富美子さんのビデオ

学生は、国立高専3年時に編入予定の東南アジア系留学生15人


「こんにちは、おはようございます」という挨拶の練習に始まって、

「わたしはもりたです」「あなたは○○さんです」

「あなたはどなたですか?」「あなたは○○さんですか?」

「あなたは中国人ですか?」「あなたは学生ですか?」

「いいえ、○○ではありません」

というように文型が導入されていきます。


前回の澤井先生の授業と違って、○○の方という表現ではなく、

○○人という言い方を相手方に対しても使用しています。

それから、「あなたは」「わたしは」というように必ず主語をいれるように

指導されていました。

これは、日本人の発話としては、いささか不自然なものではないかと思います。

教具としては、絵カード、テープ、世界地図、森田カードと呼ばれる不思議なカード

全体に発音を重視し、テンポの良い授業だと思いました。


ふたつめは、国際キリスト教大学の小出詞子さんご指導のビデオ

学生はヨーロッパ系の学生23人。

媒介語として英語日本語方言を使用されていました。

文字は、ひらがなについては導入済みということでしたが、

板書は、ローマ字表記されていました。


「これはほんです」「これはほんですか」

「これもいすです」「これもいすですか」

「わたくしは こいで です」

「わたくしはドイツ人です」

「あれは何ですか?」というように文型が導入されていきます。


これはほんです から始まる授業なんていったい何年前のものかしら、懐かしいですね。

このビデオ、ほんとにすごい年代物のようです。


私がこの小出先生のビデオで一番疑問に思ったのは、

こ・そ・あの指示代名詞がこの授業でほんとうに定着するのかということです。

「これはほんです」をそのままただリピートさせているだけでは、

学生は「これ」がいったいどういう場面で使用されるのか、理解できないのでは、と思いました。

(ひよっこのくせに生意気ですね。小出先生ごめんなさい)


先週に引き続き、見せていただいた3人の先生方はいずれも日本語教師の大ベテラン

大御所と言われる方たちなんだそうです。

そういう方たちでもそれぞれに考え方の相違があり、

絶対これが正しいという方法はないのだということがわかりました。


ところで、遅くなりました。今日の本題です。

「中国人・韓国人・アメリカ人」と「中国の方・韓国の方・アメリカの方」 

この語感の持つ相違点は何か、ということです。

「リーさんは韓国人です」が、「リーさんは韓国の方です」よりも多少失礼な感じがするのは、

何故か?ということなのです。

まあ、人によってはどちらも同じ、という方もいらっしゃるとは思いますが。

昨日の授業でも、若い学生さんが中心ということもあるのでしょうが、

「韓国人です」も「韓国の方です」も全く=だという人がいました。


この件について、美人のシルクちゃんから、以下のような指摘がありました。

「韓国人」は不特定多数の韓国人一般をさす、それに比べて「韓国の方」は

指示する対象がはっきりしている、だから「韓国の方」のほうが、丁寧さがあるというのです。

なるほど、たしかに・・・ 鋭い指摘かも・・・


わたしは、美人のシルクちゃんの意見を聞いて、

書面語と口語の違いもあるかな、と思いました。

論文など書面では「中国人」と書きますが、「中国の方」という書き方はあまりしません。

それから、あと歴史的な問題もあるかな、と。

私自身、欧米系の人についてよりもアジア系の人をさす時、

より注意して「○○の方」と言っているように思います。

ほんのわずかな相違ですが・・・


本題にはいったところで、またまた息切れがしてきました。

まだ考えていることはあるのですが、続きは後日また・・・