10月6日(水)
今日は、九份へ行きました。
最近は九份に行くと言うとあの「千と千尋の?」と言われてしまうのですが、
私にとっては九份は候孝賢の「非情城市」なんです。
数年前に、福岡市の現代中国語講座の方が訳された「幌馬車の歌」
という本を読んで、二・二八事件に興味を持ちました。
その後、その本が映画「非情城市」の原作だと知って、
DVDだったのですが映画を見ました。
祖国に復帰して間もない1947年前後の台湾の混乱、
そして二・二八事件に巻き込まれ弾圧されていく人々、
それらが、声高でなく静かな透徹した目線で描かれていることに感動しました。
それ以来、九份は念願の場所なのです。
九份へは、台北から直通バスで。
センターからは多方面へのバスが出ているので、乗り間違えないように
かなり注意しながら、「これに間違いない!」と思うバスに乗り込みました。
ただ、念のため「このバス九份へ行きますよね?」と若い運転手さんに確認。
ところが、「ハイ」というシンプルな返事を期待していたのに、
意外や意外相手の返答は何やら複雑で長文、おまけに早口、
しかも北京語なの?それとも台湾語?という代物。
全く聞き取れない。
あんなに用心していたのに、どうも乗り間違えたらしいのです。
それなのに、私が降りようとすると、運転手さんは降りるな!乗っとけ!という手振り。
しかも、何か大きな声でしゃべって、何故か豪快に笑ってはるし・・・
その間にも、バスはどんどん走り続けるし・・・
乗り間違えたんだったら降ろしてくれればいいのに・・・
このころ、私は完全にパニック、この運転手さんに腹もたってきました。
ところが、この運転手さんほんとはすごく親切な方だったんです。
実は、九份行きのバスにわずかのタイミングで私は乗り遅れてしまっていたのです。
それで、この運転手さんは、途中でそのバスを追い越して次の停留所で
私が乗れるようにしてくれたのです。
乗り換えた九份行きのバスには、乗客は私と終点の金瓜石のお堂にお参りに行くという
おばあさんのふたりしかいませんでした。
このおばあさんも気さくな方で、数年前に交通事故に遭い大けがをし4日間目覚めなかった話
をしてくれたり、最後には太腿の傷跡まで見せてくれました。
もちろん、九份停留所では「さあ、ここで降りるのよ」と教えてくれたのは言うまでもありません。
ハプニングはありましたが、九份へは何とか無事に行って帰って来れました。
めでたしめでたし。