漢方薬局をやっているとメンタル疾患の方も多くご来店されます。
そんなメンタルが傷ついたお客様に対して常套句の様に「そのままで良いんですよ。ありのままの自分を受け入れてあげてくださいね。」という相談員がいますが、僕の考えではその様な相談員は職務怠慢!給料ドロボーだと思います。
もし、ダイエットの患者さんがいらっしゃって「そのままで良いんですよ。ありのままの体重を受け入れましょう!」と言ったら怒って帰りませんか?? 「えっ?こっちは体重を変えたくて来てるんだよ。ありのまま受け入れろってどういう事??」ってなりますよね?
アトピー、ニキビ、子宝、癌、生理痛、この様な疾患に全て「そのままで良いんですよ」という相談は通じませんよね。
では、なぜメンタルケアだけ「そのままのアナタで良いんですよ。」という相談が横行しているのか。それは その様に言うと相談するのが楽で商品が売れるから だと僕は考えています。
SNSなどの無料媒体なら良いですよ「そのままのアナタで良いんですよ」と言う投稿で救われる方もいるでしょう。元気づけられる方もいるでしょう。 しかし!お金を貰っているカウンセラーや、まして、安くはない商品を販売する漢方薬局が「そのままで良いんですよ」と言う相談ではダメだと思います。
患者さんに寄り添うと言うことは「患者様に現状維持を受け入れてもらう」事ではないとおもんですよね。
正直に言ってメンタルケアの漢方相談って超大変です。
1まず患者さん自身どうしたら良いかわからない
2メンタルが凹んでいて考える気力がない
3理想の自分があるけど,今の自分にとっても自信がなくて考えることすら恐怖
などなど、ごちゃごちゃに絡まった思考の糸をほぐす所からスタートしないといけないんです。
そんな時に「そのままのアナタで良いんですよ」と言う言葉はとても相談員にとって、とっても楽なんです。 だって、思考の糸を解かなくて良いもの。「ごちゃごちゃ絡まってるけど、このままでいいよね??」って事でしょ?
でも現状を変えたくて勇気を出して、来てくださった方に対して無責任な言葉だと僕は思いますけどね。
患者さんを受け入れ、患者さんの思考を知り、患者さんの将来なりたい姿を知り、その上で、現状維持することに対して相談員が責任を取れるなら言っても良いですが、そこまでの覚悟を持ってこの言葉を言っている相談者に僕は会ったことがありません。
ちなみに厚麗堂のメンタル相談では 「アナタはどうなりたいですか?」と聞きます。もし答えが「今はメンタルの症状が辛くて将来のことが考えられないんです」と言う感じなら「今は心と体が消耗しているので、考えたくなるまで、一時お休みしましょう! このお休みはいずれ攻めるためのお休みです。アナタの人生が好転する日は必ず来ます!一緒に頑張りましょうね😄」と伝えます。
患者さんは「今の自分を変えたくて」わざわざ足を運んで下さっています。
相談が楽に済むから「そのままのアナタで良いですよ」と常套句を言うのと、
「将来行動を起こすために今は回復に集中する」のとでは半年後、一年後の結果が大分違うと僕は思います。