けんちゃんは2017年にWAN!PEACEがセンターより

レスキューしたワンコさん。

美容室の看板犬になり幸せに暮らしていましたが~

 

先日天国へ旅立ちました。

けんちゃんにはたくさんのことを教えられました。

今回はけんちゃんのことをお話したいと思います。

長文になります。

 

けんちゃんとの出会いは、センターのシャンプーボランティアで

シャンプーした子の一人でした。

 

その時はまだ神奈川県動物保護センターは

古い建物でした。殺処分をゼロにするために

収容された子たちをボランティアさんたちが懸命に

保護していた時代です。

 

シャンプーする場所はなくて

男子トイレの水道で洗っていました。

(坂上どうぶつ王国にて紹介されました。)

 

↓その現場です!

↓シャンプーしたときのけんちゃん

今のセンターは個室もありケアも十分にしてくれますが

この時の収容犬たちはとても過酷な環境でした。

県ではすでに殺処分ゼロを決めていたので

収容された子たちは殺されることはありません。

 

でも、ただ餌とお水をもらうだけで

大部屋に相性が合わない犬同士でも一緒にされ

ケンカが起きたり事故が起きたりも。。。

センターは処分するために作られた施設ですから

長く収容するための設備などありません。

 

常に床はコンクリートで湿っている。

夏は暑く冬は寒い。窓もない暗い部屋。

治療もケアもしてもらえない状況ですから

病気の子や老犬は命を落としてしまうことも。。。

 

それを防ぐために、保護ボランティアが必死で引き出しを

行っていました。でも、どこの団体もいっぱいの状況。

どうしても譲渡の可能性が高い子から引き出されます。

 

小型純血種が優先的に引き出されます。

けんちゃんは中型、しかもすごく吠えまくり

家庭犬に向かないと判断された?のか

引き出しボランティアの目に留まることなく

かなりの長い間センターで暮らしていました。

 

けんちゃんが収容された理由は飼い主死亡で

親戚の人が面倒を見ようとしましたができず

センターへ。。。

 

けんちゃんは独りぼっちになってしまったうえに

センターの過酷な状況に必死に耐えていました。

だから吠えて吠えて、一生懸命だったのです。

私たちが行くと必死の顔で吠えていました。

 

センターでの生き地獄のような環境が

そうさせていたのでしょう。

体中皮膚病、耳から膿が出ていたり

本当に辛そうでした。

 

里親様のところに行くまでに病気は完治しましたし

おうちではほとんど吠えなかったそうです。

とっても穏やかで優しい子でした☆

 

けんちゃんが私たちに教えてくれたことがたくさんあります。

 

収容時の性格はあてにはならないです。

犬は環境次第で変わります。

「かわいそうな経験をした子」としてではなく

かわいいかわいいうちの子として楽しく健やかに

暮らすことで信頼関係ができ情緒も安定します。

 

けんちゃんは「殺処分ゼロ」のセンターに捨てられ

過酷な状況に耐えながらがんばっていました。

殺処分ゼロをスローガンにかかげ、目指しているところは

多くあると思いますが、間違えではありません。

 

ですが、処分をしないことと、動物たちの幸せを

セットにして実行していかなければならないのに

神奈川ではゼロにすることだけが先行しました。

神奈川のセンターが経験したように

保護団体ががんばるだけでは何も良くなりません。

 

けんちゃんは殺処分ゼロのセンターを知る子です。

中型以上の子、雑種の子は過酷なセンターにずっといました。

※今のセンターは快適に過ごせます。

 

殺処分がゼロになることはとても良いことですが

収容される子たちの幸せもセットでしっかりと

した設備を整えてゼロを達成してほしい。

 

センターの設備も、保護団体さんの協力もみんな

全てしっかりと整えた上での「殺処分ゼロ」です。

殺していないだけの、ただ過酷な状況を作るだけの

ことにならないようにしなければいけません。

 

何より、捨てられることがなくならなければ

何の意味もありません。

 

けんちゃんは飼い主さんが死亡するという

どうしようもない理由があったのですが

飼い主になる人は、自分の身に何かがあった時

うちの子を預けるところを迎える前からしっかりと

準備しておかなければなりません。

 

それをせずに迎える人が多いです。

 

飼い主が預けるところを準備しておけば(後見人)

けんちゃんは過酷なセンター暮らしをしないで済みました。

皆さんもうちの子を守るために、必ず預けるところを

準備してください。飼い主さんの年齢には関係ありません。

全ての方にお願いです!!

センターは最後の砦です。

 

今の神奈川県動物愛護センターでは

以前のような過酷な状況ではないのですが

だからと言って安心して捨てるなんてことは

絶対にあってはならないことです。

 

捨てられないようにみんなで協力することも必要です。

飼い主さん一人ひとりできることがあります。

後見人を準備する、迷子にさせないようにする

問題が出る前にトレーニングを習う、あるいは

トレーナーに相談する。など!

 

それと、若い小型純血種を希望される方が多いことも

里親様が見つからない原因の一つです。

皆さん好きな犬種はあるでしょう。

私にもあります。

 

ですが、保護犬を迎えるということであれば

ライフスタイルに合った子、自分に合った子を選びましょう。

もちろん小さい方が良い場合にはそれで良いと

思います。

 

犬が本当に大好きで助けたいという気持ちがある方は

犬種うんぬんは関係なくうちにおいで!となります。

そういう人は自分の希望よりもフィーリングを

重視しています。

 

あれこれ希望が多くこだわるのであれば

純血種を優良ブリーダーさんから

生まれる前に予約して購入すればよいことです。

 

保護された犬たちに、犬種ファッション的なことや

年齢、体重、性格などすべて自分の希望がマッチする子が

いるわけではありません。

保護された子にそれを求めるべきではないと

私は思います。

 

里親になろうと思ってくださる方が増えたことは

とてもうれしいことですが~

正直最近そういう方が多いです。

 

それではペットショップと同じ。。。

 

いつもお伝えしていますがペットショップの裏側では

かなり過酷な状況で繁殖を強いられている子たちが

多くいます。使えなくなれば捨てられます。

人間のニーズにこたえるために。。。

 

売り上げ重視で犬のことはどうでもいい。

迎える側も売る側も勉強など全くしない。。。

だから覚悟もない。。。

 

安易に捨てることができてしまうのも

何の覚悟もなくショップで気軽に購入できることにあります。

もちろん悪いお店ばかりではないですが。

 

今の日本の状態は命を作りすぎています。

ショップにたくさんの子犬がいる状況は

異常なことだと気付いてください。

 

保護団体がどこもいっぱいなのはなぜだと思いますか?

作りすぎているからです。それでもまだたくさん売ってます。

 

どうか犬を迎えたい方は保護犬を助けてください。

条件がどうのこうのよりフィーリングで☆

そして大きな覚悟を持って迎えてください。

 

けんちゃんは比較的年齢は高かったのですが

とても優しくて素敵な里親様が迎えてくださり

最後まで幸せに暮らすことができました。

心より感謝しています。

 

けんちゃん、ありがとう。

私たちはけんちゃんのつらい経験を無駄にしないよう

同じ思いをする子がいなくなるように

捨てられる子がゼロになるように

これからも皆さんに伝えていきます!!

 

天国から見ててね☆

かわいいかわいいけんちゃん☆

また一緒に遊ぼうね!