突然ですが色々と思うところがあり~

「罰」についてお話します。

 

犬にとって「罰」とは?

「罰」は大きな音にビックリしたり、リードショックだったり

痛い思いをしたりという身体的に嫌な思いをすること~

いわゆる嫌悪刺激のことを思い浮かべる方が多いでしょう。

 

「罰」はそれだけではありません。

犬にとって「好きなものがなくなる」ということも

「罰」になります。

例えば大好きなオヤツを鼻先にかがされたのに

隠されてしまった~これは犬にとって立派な「罰」に

なるのです。

 

トレーニング中に違うことをした時、

そうじゃないよ!っていうことを伝える手段として

この「罰」を使うことがあります。

それによって犬がどうしたらいいかな?

どうしたら隠されたオヤツをもらうことができるかな?

と、考えるようになり叱りや嫌悪刺激を与えることなく

正しい行動を引き出すことができます。

 

 

「罰」は嫌悪刺激ばかりではないのです。

 

確かに罰の使い方を間違えているトレーナーがいない

わけではありません。。。罰は動物を傷つけることにも

なりかねないので使うべきではないという意見も

もちろんあります。

 

ですが、場合によって嫌悪刺激が必要な時はあります。

少なくとも私は必要に応じて使います。

 

「罰」には使い方があり、使用する場合には

技術をしっかり身に着けている必要があります。

嫌悪刺激でも、オヤツを隠すでも同じです。

技術がなければ逆効果です。

 

私はお客様に嫌悪刺激はお伝えしません。

トレーナーだってちゃんと修行していなければ

できない技術ですから。

 

「罰」は正しい使い方ができる人が使うものです。

そして、その犬、その飼い主、その環境に応じて

罰を使う方法にするか、他の方法で行くのか

それぞれ場合によって全く答えが違います。

やり方は百人百犬百通りです!

 

テレビで嫌悪刺激を使って問題行動を修正したり

オヤツで修正等もやっていたりしますが、

それは全てに通用するものではありません。

 

そのテレビを見ていた人は

同じようにやればうちの子も直るとか、

犬がかわいそうな方法を使うべきではない、

間違えた方法をテレビでやらないで等

思う人もいますよね。

 

テレビでやっていることはあくまでもやり方の一つで

鵜呑みにしてはいけません。

 

そしてテレビでやるとなぜか罰を使うトレーナーが

否定される流れになっていく。。。

信頼されていない職業なのだと実感します。

 

トレーナーがちゃんと正しい方法を正しく使えば

それで良いことなのですが。。。

 

私の場合はその場に応じた技術を使い分けるように

修行を積んできていますので、ある方法のみを

使うわけではありませんが、人によっては嫌悪刺激や

叱る方法のみを使う人もいれば、

オヤツを使った方法しか使わない人もいます。

 

それはそれで良いのです。

 

ドッグトレーナーの願いは

「その犬と飼い主様が幸せになること」ですから、

その幸せになるための方法に対して

周りが色々言うべきではないと私は思います。

 

ちゃんとできないトレーナーは問題だとは思いますが~

 

ちゃんとした人は、問題行動を修正することだけを

見て方法を選んだりしません。その子の性格や将来まで

よく考えて、おうちの環境や飼い主様ができる方法も考えて

対応しています。

 

だからなかなか治らなかったり、強い刺激を与えたら

すぐに治ったり、その子によっていろいろなんです。

 

そして私が一番いけないと思うのは

罰=嫌悪刺激を使うことではなくて、

症状が問題になるまで何も対応しないということです。

(保護犬、猟犬などの場合はその限りではないです)

 

問題行動は犬からのSOSです。

それをすぐに対応せず、どうしようもなくなってから

トレーナーに相談するというのは大分手遅れなのです。

 

犬は咬みます、吠えます、追いかけます。

そういう動物なのです。

 

だから迎える時には知識を得る必要がある。

自分と家族だけでなく一番はその子を守るためです。

 

犬と一緒に暮らすことは楽ではありません。

トレーニングは最低限のことはすべきです。

早い段階で対応できるようにしておけば

問題行動を予防することができます。

 

犬がかわいそうという前に

嫌悪刺激や強制訓練を否定する前に

かわいい我が子を、咬んだり吠えたり問題行動を

悪化させてしまうことの方が問題なのです。

 

ドイツ等では、アニマルポリス的な機関があり、

飼い方の悪い場合にはとても厳しい

対応がなされています。

 

日本ではほど遠い状況ですが。。。

 

問題行動が少しでも出るようになったら早急に

対応しましょう。時間がたてばたつほど

修正が難しくなり、犬も人も大きなストレスになります。

問題行動は早く対応すれば強制訓練などしなくても

済みます。

 

わからないことがあったら相談しましょう。

 

犬が病気やケガをしたら、少しでも症状が出れば

病院へ行ったり、気にしたり、相談したり、

対応しますよね。それと同じように問題行動も

犬が困っている、ストレスを感じている状況にあるという

サインです。

 

悪化する前に早急に対応してあげてください!

 

私を含め飼い主一人一人、

今よりも少し意識を高める努力をするだけで

犬環境は大分かわると思います。

 

今回は私の「罰」についての個人的な考えでは

ありますが、罰の意味や問題行動の早期対応等

少しでも伝われば良いなと思います。

 

最後にいつもお伝えしていますが、

ドッグトレーナーは問題行動を修正するためだけに

いるわけではありません。

本来の仕事は問題行動が出ないように「予防」する、

その子と飼い主様が幸せに暮らしていけるように

あらゆる面でサポートすることが仕事です。

 

私も信頼していただける存在になるように

ドッグトレーナーとしてもっともっとがんばります!

 

※シーマです。保護からもうすぐまる2年です!

元猟犬ハイパーワンコですが、とってもいい子です。

最近女子力も上がってきたのよ☆仲良くしてね。