カメラ製品の検証案件に配属され、
「やっと検証っぽい仕事ができる」
と少しだけ前向きな気持ちになっていた頃。
「とりあえず今触れる機材ないから、これ見ておいて」
と、最初に渡されたのが、テスト仕様書でした。
正直な第一印象は、
「……え、これを読めば分かるってこと?」
でした。
テスト仕様書は日本語で書かれているはずなのに、まったく頭に入ってきませんでした。
案件配属前に、配属先の担当者とは話はしていましたが、元々カメラの仕組みについては何も興味を持つことなく人生を過ごしてきたので、
仕様書を読んでも、実際の一眼レフカメラの動きがイメージできませんでした。
ISO や WB とか言われても…??
という感じです。
・どのボタンを押すのか
・どんな画面が表示されるのか
・どこが正常で、どこがおかしいのか
文字だけでは、まったく想像がつきませんでした。
「これ、実機触らないと無理じゃない?」
と、仕様書を前にフリーズしていました。
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それでも「分かったふり」はしなかった
ここで一番意識したのは、
分からないことを、分かったふりしないことです。
知ったかぶりをして進めると、
後で必ず詰むことは分かっていました。
なので、
「この項目、何を確認すればいいですか?」
「この期待値って、どの画面を見れば分かりますか?」
と、かなり初歩的な質問を、何度もしました。
翌日から、仕様書を片手に実機を触りながら確認するようになり、ようやく少しずつ理解できるようになりました。
文字だけで理解しようとするのをやめて、
・この手順は、この操作のことか
・この期待値は、この画面を見ればいいのか
と、一つずつ照らし合わせていきました。
すると、
バラバラだった情報が、少しずつつながっていき、
ようやくテスト仕様書が道具として使える感覚を持てました。
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営業を経験したからこそ感じた違和感
営業出身の自分は、
仕様書を読んでいて、別の違和感も覚えました。
「これ、初めて使う人が読んで分かるかな?」
という視点です。
自分が分からなかったからこそ、
・説明が足りない部分
・前提知識が必要すぎる部分
が、妙に気になるようになりました。
この感覚は、
後にテスト仕様書のレビューに関わるようになってから、
少しずつ活きていくことになります。
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テスト仕様書が読めなかったのは、普通だった
今振り返ると、
未経験でテスト仕様書が読めなかったのは、
ごく自然なことだったと思います。
分からなかったのは、
自分の理解力が低かったからではなく、
経験が足りなかっただけ。
テスト仕様書が全然読めなかったあの日も、
間違いなく、QAエンジニアとしての一歩目だったと思っています。