それは、さまざまな体験記を読んでいると、対人関係がうまくできない体験者の体験記となつきの体験が重なって感じられることです。
なつきは自分の今までの男性の付き合い方が、パターン化されているのではないかと感じました。
なつきは1人でいることが寂しく、なんとなく男性と付き合い始めます。
付き合い始めは男性が食事に連れていってくれたり、楽しいことを考えてくれ、なつきの気を引こうとします。
その期間を過ぎると、次第になつきが彼に尽くします。彼が「もういいよ!」と言うほど、彼の部屋の掃除をしたり食事を作ったりしたこともありました。
彼のことを全て知りたい、との思いで彼の携帯をこっそり見たこともありました。
なつきが、のめり込んでしまうのです。
さすがに何人もの男性と付き合っているうちに、なつきの一方的な話の切り出しは減りました。我慢をしたからです。
今回の彼とは付き合う期間も延び、一時の恋愛感情だけではなく彼への信頼感も感じます。そんな気持ちで1年経ちました。
彼から、プロポーズされました。
その時、なつきは怖くなりました。
フッと、もし彼が突然いなくなったらどうしよう、と思ってしまう自分を感じました。
「チョット、答えは待って!!」
と返答するだけで精一杯でした。
彼は、良い返事を待つと言ってくれました。
なつきは1人になり考えました。
彼とずっと一緒にいてもいい、ずっと一緒にいられたらいいのにという気持ちと裏腹に、彼の胸に飛び込めない自分を歯がゆく思いました。
数日経っても、決断できません。
なつきは、幸せなときは長く続かない、
幸せなときから真っ逆さまに不幸に陥るならば始めから幸せにならずとも、平凡な今のままでよい、という内なる声を聴いていました。
なつきの母から久しぶりに電話がかかりました。結婚をせかされたので、これまでの経緯を話しました。
受話器を下ろすと、なつきはなぜか猛烈に怒りがこみ上げてきました。お母さん、あなたのせいで私は結婚に踏み切れないのよ、と。
なつきは自分でも驚きました。
つづく