【「ラ・ムー甲府店」開店一週間レポート】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト

ラ・ムー甲府店、ディスカウントストアの駐車場

山梨県甲府市で“買い物大渋滞”が起きている。

先週開店したばかりの「ラ・ムー甲府店」に入る車の列は、周辺道路を塞ぎ、「急ぎの人は近くを通るな」という暗黙のルールまで生まれている。開店から一週間、熱はまったく冷めていない。

その前日に開店した「メガトライアル」は、最新DX店舗として、県内14年ぶりの開店。

既存のいわゆるディスカウントストアのトライアルとは違い、全く別の店と言っていい。

こちらも県内では初のタイプの店だ。

どちらも幹線道路(甲州街道)沿いで「24時間営業」の大型ディスカウントストアである。

そして食品、特にこれまでディスカウントストアが苦手だった“生鮮食品”や“惣菜・弁当・調理パン”に力を入れているのが特徴である。

ラ・ムー甲府店、買い物客の行列

☝️山梨県民の関心は、どちらかと言えば「ラ・ムー」に集中している。

理由は全国放送でも紹介され、「首都圏初出店!」との触れ込み。

そして198円弁当や100円のたこ焼きなど、ネタとしても扱いやすいからだろう。

「24時間営業」だから、混雑を避けて夜間に行けばゆっくり買い物ができる。

と思いきや、日中の客入りが凄いため、夜間は店内に“商品が何もない”状況が続いている。

店内調理は最低限にしてコストを抑えているため、弁当や惣菜類は県外の自社工場から運んでいる。おそらく一日2~3回の配送だろうがそれでも間に合わず、一番近い長野県諏訪市にあるラ・ムーの店舗でも商品が不足しているとのことだ。これは想定外の成功を意味している。

SNSのコメントをみると、
・「安かろう・悪かろう」の店、自分は行かない

・この安さには絶対に裏がある

・ここで買うために並ぶ人は、返ってコスパが悪い


などアンチコメントもあるが、好きで行っている人にとっては余計なお世話だ。

客が入っている店が(現時点では)正解なのである。

ラ・ムー甲府店、品薄の陳列棚

この混雑の様子だと、しばらくは普通に買い物はできないと思う。店舗面積が大きいトライアルやコストコとは違い、その半分程度のラ・ムーの広さは、混雑を演出するのに適した大きさともいえる。

近隣のローカルスーパーも意識して、格安弁当や目玉商品で対抗しているが、はたして客の流出を止めることができるだろうか?

ニュース報道と違い、ローカルスーパー関係者が「ラ・ムーが出て一気に店がヒマになった」とSNSでつぶやく情報の方が真実味がある。

「価格では勝てないから品質で勝負する」
既存店の戦略は正論だろう。それしか言えない。

ただ、この言葉を口にした時点で、すでに勝負の主導権は相手に握られている。

ラ・ムーが持ち込んだのは「価格」ばかりでなく、客が見たこともない「景色」だからだ。

とかく「熱しやすく冷めやすい」と揶揄され、「落ち着けば元の店に戻る」と言われる山梨県のの消費者…。

この景色を見た衝撃の熱は、簡単に冷めそうにない。
 

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