
山梨県甲府市で“買い物大渋滞”が起きている。
先週開店したばかりの「ラ・ムー甲府店」に入る車の列は、周辺道路を塞ぎ、「急ぎの人は近くを通るな」という暗黙のルールまで生まれている。開店から一週間、熱はまったく冷めていない。
その前日に開店した「メガトライアル」は、最新DX店舗として、県内14年ぶりの開店。
既存のいわゆるディスカウントストアのトライアルとは違い、全く別の店と言っていい。
こちらも県内では初のタイプの店だ。
どちらも幹線道路(甲州街道)沿いで「24時間営業」の大型ディスカウントストアである。
そして食品、特にこれまでディスカウントストアが苦手だった“生鮮食品”や“惣菜・弁当・調理パン”に力を入れているのが特徴である。

☝️山梨県民の関心は、どちらかと言えば「ラ・ムー」に集中している。
理由は全国放送でも紹介され、「首都圏初出店!」との触れ込み。
そして198円弁当や100円のたこ焼きなど、ネタとしても扱いやすいからだろう。
「24時間営業」だから、混雑を避けて夜間に行けばゆっくり買い物ができる。
と思いきや、日中の客入りが凄いため、夜間は店内に“商品が何もない”状況が続いている。
店内調理は最低限にしてコストを抑えているため、弁当や惣菜類は県外の自社工場から運んでいる。おそらく一日2~3回の配送だろうがそれでも間に合わず、一番近い長野県諏訪市にあるラ・ムーの店舗でも商品が不足しているとのことだ。これは想定外の成功を意味している。
SNSのコメントをみると、
・「安かろう・悪かろう」の店、自分は行かない
・この安さには絶対に裏がある
・ここで買うために並ぶ人は、返ってコスパが悪い
などアンチコメントもあるが、好きで行っている人にとっては余計なお世話だ。
客が入っている店が(現時点では)正解なのである。

この混雑の様子だと、しばらくは普通に買い物はできないと思う。店舗面積が大きいトライアルやコストコとは違い、その半分程度のラ・ムーの広さは、混雑を演出するのに適した大きさともいえる。
近隣のローカルスーパーも意識して、格安弁当や目玉商品で対抗しているが、はたして客の流出を止めることができるだろうか?
ニュース報道と違い、ローカルスーパー関係者が「ラ・ムーが出て一気に店がヒマになった」とSNSでつぶやく情報の方が真実味がある。
「価格では勝てないから品質で勝負する」
既存店の戦略は正論だろう。それしか言えない。
ただ、この言葉を口にした時点で、すでに勝負の主導権は相手に握られている。
ラ・ムーが持ち込んだのは「価格」ばかりでなく、客が見たこともない「景色」だからだ。
とかく「熱しやすく冷めやすい」と揶揄され、「落ち着けば元の店に戻る」と言われる山梨県のの消費者…。
この景色を見た衝撃の熱は、簡単に冷めそうにない。
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📘元・倒産社長 小林 久 公式サイト
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