【NG客を「出禁」にできるか…?】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト



今では「カスハラ防止」のルールが確立してきて、店の中で大声を出したり、従業員を威嚇する様な“変な客“を見ることがめっきり減ってきた。

ひと昔前までは、スーパーや飲食店で、意味もなくキレるご老人や、ヒステリックな客を見かけたものだ。その意味では少しずつだが、日本人もお行儀がよくなってきたと感じる。

私は店(スーパー)を経営していたので、多くの“理不尽な客“を目の当たりにしてきた。と同時に、今客の立場になってみると、「カスハラを盾にされて、態度の悪い従業員にクレームを言いづらくなった…」とも思う。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

☝️さて、そんな“歓迎しない客“に対して、店側が「出禁にしてやった」とか、「ブラックリストに入れた」ということがある。それは果たして本当か…?

👤私の記憶では、店(スーパーマーケット)から客に対して「あなたは出禁です」「入らないでください!」などと通告したことは一度もない(^^;

もし、「万引き犯」を捕まえたとしても、捕まった後で支払いを終えた客を「入店拒否」にはできない。

いいとこ、万引きしそうな客を従業員で挟み撃ちして、「早く出てけ!」と暗にプレッシャーをかけて追い出すのが精一杯である。

☝️ここで豆知識だが、スーパーマーケット同士で「万引き客」の情報共有はしていない。万が一、そんな資料が表に出たら、それこそ大問題になる。

「値引きシール」を他の商品に貼り替えたり、クレームばかり付ける“手癖の悪い″客の情報は、パートさんを介して、競合店にも知れ渡ることはある。

また、他のスーパーの従業員が“悪さ“をして、別のスーパーに移っても、すぐに素性がバレて辞めることが多い。まさに「狭い業界」なのである。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

☝️実際にその様な客を「出入り禁止」にするには、

1. 警告: まず、問題行為を行った客に口頭または書面で警告して改善を求める

2. 証拠収集:防犯カメラの映像や従業員の証言など、客観的な証拠を押さえる

3. 出禁通知: 問題が改善しない場合、書面や口頭で出禁を通知する→これで法的には「出禁」にできる!


とはいうものの、(もちろん店側で認識していても)客を個別に「出禁客」「NG客」「ブラックリスト客」などと選別して『入店拒否』まではできないものである(ー ー;)

・商品に傷をつける客

・大量注文をしたのにドタキャンする客

・値引きを強要する「半額ハンター」
 
・「お一人様一点限り」の特売商品を何回も買う客

・従業員にセクハラまがいの態度をとる客


しかし、スーパーではこれら「招かれざる客」を出禁にせずともすべて把握している。

実際私の店でも、ポイントカードデータから、警察に身元を開示したこともあるし、調べればどこの誰かは分かっているのである。

☝️スーパーも本音では「出禁」にしたい客は山ほどいる。NG客との戦いは、今日も静かに続くのである…。

 

【小林久ホームページ】
https://www.kobayashihisashi.com