減税の是非はともかく、「消費税」の税率が変われば(またはゼロになれば)、消費者の負担が減り、可処分所得が増えることでより多くの物を買う。それで景気も上向きだ!
☝️それはさておき…、
もし消費税の税率が下がった場合、全ての小売店は「商品売価」を替える作業が必要になる。
特にスーパーマーケットやドラッグストアは、取扱いアイテム(5,000〜20,000とも?)すべての“値札“を替えなければならない。
テレビで評論家が「消費税を下げるなんて簡単!スーパーなんかコンピューターで税率をポンと変えるだけ」などと″物知り顔″でドヤっているが、現実にはそうもいかないのである。
☝️国のルールで、商品価格は(消費税を込みにした)『総額表示』であることが決められている。そして「書きたきゃ税抜き価格を小さく書いてもいい」と店に対してせめてもの″ガス抜き″を認めた。
これは、お客さんが「一体いくら払えばいいか?」が分かるためと言っているが、実際は、将来また消費税を上げるときに、消費者に税負担を感じさせないためである。(図星?)
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さて、スーパーの売り場でよく見る「プライスカード」
「値付け」には大きく分けて2パターンある。
①税込み価格でキリのいい売価にする
(例)税込み198円(本体価格183円)・980円(税抜き907円)など
②本体価格は一切変えずに、税率を加算した売価にする
(例)税込み213円(本体価格198円)、1,058円(税抜き980円)など
👤皆さんはどちらが好みだろうか?
私がお客さんなら198円(税込み)の店がいい!
国は当初、すべてのスーパーが②を選ぶと思ったはずである。
そうすれば消費税率が変わっても「税率」だけを変えれば対応できるからである。
(実際にはそうはいかないのだが)
👥しかし多くのスーパーは、「税込価格でキャッチーな売価」、すなわち″仕上がり“で198円や280円、999円などになるように、消費税(食品なら8%)をすべて加算せずに売価の″字ヅラ″を合わせてある。(地腹を切って)
①と②の比率は全体の半々くらいと予想する。
消費税が上がっても下がっても、スーパー側は「便乗値上げ」したと思われないように、また一から売価設定をやり直す必要があるのだ。
これは消費税がゼロになっても同じこと…(^^;
私は①のスーパーに愛を感じる…❤️
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ついでにスーパーの立場で言うと、来月から消費税が下がると分かっていれば、今月はすべての在庫を売り尽くすために、必要最低限の仕入れしかしない。月が変われば仕入れの税率も下がるのだから。
これで一時的に、日本中のスーパーで客の「買い控え」と店の「仕入れ控え」が同時に発生し、売り場はガラガラになることでしょう。メーカーだって高い原料は仕入れたくないはず。
☝️さてどうなることでしょうか?
確かなのは、『これまで日本で消費税が下がったことは一度もない』ということです。
【小林久ホームページ】