「年中無休・24時間営業」の代表格といえばコンビニエンスストアである。その他スーパーでも無休の店がある。もちろん従業員は交代で休みを取っているのだが、店が営業している以上、従業員はシフトを組んで出勤を余儀なくされる。
深夜や早朝など、お客さんがあまり来ない時間でさえ、ワンオペではなく最低でも2名の従業員を配置する牛丼チェーンもある。
私がスーパーの社長だった時、全16店舗は基本年中無休で、夜の閉店時間は21時または24時だった。
大型ショッピングモールや大手スーパーチェーン店は凡そ月に一度の定休日(恐らく保守点検に当てる)と夜21時までの営業時間だった。
私の店の様に、何の取り柄もなく、潰れた店を居抜きで再生した様な店は、そもそも大手との競争力など無い。「鬼の居ぬ間になんとか」で、ライバル店が休んでいる時も店を開け、少しでも長く営業することが、売り上げに直結する術(すべ)だった。

写真はスーパー「サミット」に貼られたポスターである。お正月は従業員が充電するために休業するとのお知らせ。経営者の立場で言わせて貰えば「天晴れ」であり、まさに「横綱相撲」が取れるスーパーといえる。
利益のことばかり考えていた私は、ライバルが休む元日はもちろん営業し、「仕事納めは大晦日、仕事始めは元旦だ!」などと開き直り、こと従業員の負担など気に留めなかったことを今さらながら反省する。
しかし吹けば飛ぶような弱小スーパーなど、1日の売り上げが止まるだけで資金繰りが厳しくなるのが実情である。ましてやサミットの様に3日も休んだら、単純に1月の売り上げは1割減である。それに比例して当然利益も失ってしまう。
☝️新年に3日も休むとなれば、生鮮品は大晦日までに売り尽くさなければ傷みが出るし、1月4日の「初売り」にはまだ市場も開いてないのに、生鮮売り場の棚を満タンにする必要がある。
こんな芸当は「従業員の健康管理のために◯◯します」などと口先だけで簡単にできることではない。自社在庫の確保と管理、そして配送システム、手持ち資金の潤沢さ等、会社のパワーを総動員してこそでき得る「3連休」なのである。
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👤私はこのポスターを見て、元旦早々(多少の時給アップで)従業員を出勤させ、「一円でも多く売り上げを集めろ!」などと程度の低い商売をしていた自分を大いに反省したm(_ _)m
これからのスーパーや小売業はこうでなければいけないし、それができない企業の将来性はないとさえ思う。「人手不足」なのに店を開ければ、必ず歪みが出るし、お客様も離れていく。
商売は【経営陣(株主)・従業員・お客様】この三者の関係が『正三角形』であることが望ましい。私のやり方では、会社ばかりが優先された「二等辺三角形」となり、行き詰まるのも必然だったと思う。
☝️そうは言いつつ、来年の元旦も「安売り・初売り」で一気にお客さんから金を集めるスーパーやディスカウントストアの激しい競争が始まることも事実。
『年中無休・24時間営業』の限界は必ず来る。
#全てのスーパーの夢は3連休笑

