【ヨーカドーの閉店は、人気バンドの解散ライブ状態!】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト


 

 

 


全国で33店舗の閉店を発表し、経営改善が急務のイトーヨーカドー。私の家業だったスーパーも、かつてはヨーカドーとの長い戦いがあった。今となっては家業も閉じてしまったし、その恨みつらみも無いが、かつての「黒船」が沈んでいく様は見たくはない。

私のスーパーでも、店によっては当然閉店することはあった。できれば維持したくても、そのまま続けていれば他の店の利益まで食ってしまい、全体への悪影響が大きい。ゆえに長年お世話になったその地域の消費者にも悪いと思いながら、断腸の思いで閉店を決断したものだ。

現在、ヨーカドーの閉店(撤退)時刻には、店先に残ったお客さんに向かって店長が挨拶をした後、一斉に大きな拍手が起き、シャッターが閉まる様子を動画で撮影する人々の姿が見られる。目に涙を浮かべならが「ありがとー!」と叫びながら閉店を惜しむ沢山のお客さん(><)

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☝️この記事では、最近のヨーカドーの閉店が、さしずめ『人気バンドの解散ライブ』の様に、常連客が店頭に残ってそれを惜しむ。「それならもっと前から買い物に来れば良かったのに…」と冷めた内容でもある。

👤私は店の『中の人』だったので、(口にはしないが)いつもそう思っていた。そして会社が潰れてからは負け惜しみの様に、「無くなってから惜しんでも、大切なものは戻らないんだよ」と説いてきた。

🎵「解散ライブ」に沢山のファンが集まるバンドは、歴史も長く人気も高いバンドだったと言える。ファンの側でもお別れのセレモニーに立ち会いたい。その意味でもヨーカドーの果たした役割の大きさを物語る。

しかしそのバンドの音楽は、既に今の流行りではなく、「懐メロバンド」としての動員力さえも失ったことを表す。寂しいが、いわゆる「興行」として成り立たなくなった証明でもある。

その解散バンドのファンたちは、もう次の日から新しい「推し」のライブへ出掛けて、解散バンドのことはすぐに記憶から消えてしまう。まあそれでいいのだ、「◯◯ロス」が流行りの昨今でもある。

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👤「店側の人間(私)がこんなことを言わない方がいいんだろうな…?」と思っていた『閉店して悲しいなら買い物行けよ!』という思いが、自分だけの「ヤキモチ」ではないと分かって、少しホッとした記事でした(^^;

但し「お客さんはどこへ行って、何を買って、どんな(根拠のある)文句を言ってもいい!」というのも、私の持論でありますm(_ _)m

この光景、ヨーカドーに限らず、これから日本の「よく見る光景」になりそうな予感がします。

#立場の違いで見方は変わるもの

 

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