【 生きる】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト



ご存知の方はよく知る黒澤明監督の名作『生きる』主演の志村喬(たかし)の眼力は日本映画の宝!70年前の白黒映画は目にも優しい。

役場で真面目に勤め上げ、市民課の課長にまでなった主人公は、その地位を守るために余計なことをしないことが仕事であった。回ってきた書類にハンコを押すだけの毎日。

30年間無欠勤、なぜならもし休めば「自分がいなくても仕事が回るのがバレる」からである。お役所仕事は気楽なモンだ、との偏見?はどうやら昔からの様だ。黒澤明が映画にするほどなのだから。

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☝️さてこの主人公、ここで胃ガンが発覚する。

妻に先立たれ、残された一人息子を育て上げ、遊びも賭け事もせずに定年間近に半年の余命宣告。可哀想を絵に描いて皿に盛ったような人生である_| ̄|○

主人公は気がつく、「私は仕事なんかしていなかった。誰の役にも立っていない。すなわち生きていないのと一緒である。残された時間、生きた実感が欲しい…」

酒場で知り合った遊び人と連れ立って、パチンコ、ビアガーデン・盛り場・ストリップ劇場・シネマ・元同僚女性とのデートetc.へ繰り出す。死相が出ていた顔がみるみる生命力を帯びてくる。「堅物」のはずだった主人公。

その結果、父親の退職金を当てにしていた息子夫婦(病状は知らない)から冷たくされる主人公。酔いが覚めればまた現実が襲ってくる。

👤主人公は公園で凍死する…。
その真相はネタバレになるのでここでは伏せるが、彼は最期にしっかり「仕事」をまっとうして逝った🙏🏻

※ 行政関係者には是非観て欲しい。きっと昭和の頃から変わってない「仕組み(縄張り)」を痛感する。黒澤の思いもそこに向けられている。観るべき名作!

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「リスキリング」などという言葉もなかった昭和の時代。一つの会社で勤め上げるのが美徳でもあった昭和。世の中も変わったものだ。

生きている内が花である。先人も「もっと自分がやりたいことをすれば良かった!」と後悔している。

皆さん、悔いなき人生を送りましょうね!

命短し恋せよ乙女