【倒産社長の遺言(4/7) 中小小売店の皆様へ】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト

 

👤私の失敗経験が少しでも役に立つ人…、それは同じ立場である中小の商店経営者かも知れない。所詮「負け犬の遠吠え」に過ぎないが、最悪な事態を避けるためには「思い出話」で終わらせるのではなく、彼らにこそメッセージを送りたい。

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【倒産社長の遺言(4/7) 中小小売店の皆様へ】
 
私は、毎日しのぎを削る競争の中、大手の攻勢にも負けず、地域のために頑張る商店に最大級の敬意を表します。地域の小売店、その規模の大小に関わらず、皆さんは地域の「宝」です!
 
大手企業は「地域密着」の決まり文句を標榜し、かつては目もくれなかった田舎にまで浸食して、目減りした自社の売上を取りに掛かります。日本では飽き足らず海外にまで手を伸ばす会社もあります。グローバル化、世界基準など田舎の商店街には関係ありません。そして消費社会では「共存共栄」もありません。
 
消費者はどこで何を買っても、買わなくても自由です。スーパーやまとがそうであったような「判官贔屓」や「義理人情」、押しつけの「地域貢献」で商売が成り立つ時代は終わりました。100年やっても信用不安で簡単に吹っ飛びます(^^;
 
土地を借り、建物を建て、設備投資し、人を雇い、商品在庫を持ち、保存するのに大量に電気を使う使う効率の悪さ。一番大事な「人材」を育てるにもお金が掛かります。

その上で圧倒的な資本力やノウハウ、そして「政治力」持つ競合店と競争していかなければなりません。よほどの人気商品や閉鎖商圏でなければかなり難しいハードルです。
 
👤そして経営者(あなた)の「覚悟」がなければ、ご子息に跡を取らせることを考えてはいけません‼️

私は「うちの母ちゃんはやまとでレジを打ってる」と自慢できるような会社にして、小売業のイメージの低さを向上させたかったのですがそれも叶いませんでした。
 
現実問題、小売業(流通業ではない)はその労働に対しての対価も低く、人気はありません。今後改善されていけばいいのですが。
 
時代の流れ…「変化に対応できる者だけが生き残る!」商工会のセミナーで聴きました。しかし頭のいい先生の言葉は、我々には何の慰めにもなりません。

「じゃ、そう言うアンタがやってみろ!」皆さんが言いたい気持ちは私と同じですよ。
 
でも、地域の商店は死にません。お客さんが必要とする店ならば地域が生かしてくれるはずです。そしてその仕事は人が一生を賭けて挑む価値があります。

お祭りの提灯を飾っても、花火大会の寄付を集めても、商店街のアーケードを掃除しても、少しばかり寄付してもお客さんは褒めてはくれません。それでいいんです。
 
☝️閑散とした商店街の中で行列ができているラーメン屋、目指すべきはこれです!やまととは違うお客さんの心を掴んで離さない何かを持った店。専門家に聞いても分かりません。

👤人の心はポイントカードのデータや全国平均では測れませんから‼️
 
皆さんの今後の活躍を期待します。中小個人商店は存在できている時点で「勝ち組」なんです。お楽しみはこれからです!必ず振り子は返りますよ。

(「こうして店は潰れた」より、原文まま) 

 

続く…。


※ ポイントカードの一文が朝日新聞全国版に紹介💦